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気管切開のメリット・デメリット

ご無沙汰しています。難病の娘と歩む父です。
今回は、娘の気管切開(きかんせっかい)の手術について記します。

娘が患う「VATER症候群(VACTERL連合)」については、過去の記事をぜひご覧ください。

気管切開とは

気管切開とは、肺に空気を送ったり、痰を吸引しやすくするために気管に穴のようなものを開けることです。その穴に、カニューレと呼ばれる短い管のようなものを入れます。ゴム製です。

娘は、気道軟化症・喉頭軟化症です。文字通り「軟らかい(やわらかい)」ため、下手すると喉などが塞がってしまう状態です。
そのため、鼻からチューブが入っています。チューブがないと呼吸が苦しくなってしまうためです。

気管切開をすることで、このチューブがなくなります。
その代わり、首元に穴のようなものができます。この部分で、気道を確保するのです。

「チューブを入れたままでもいいじゃないか」という声があるかもしれないです。
ただ、チューブが入りっぱなしであるのは衛生上よくないそうです。
そこから感染し、病気になる可能性もあります。実際、チューブはカニューレよりずっと長いです。少なくとも4倍はあると思います。

実際、手術を終えた後に、医師から説明がありました。
声帯付近に、できもののようなものがあると。
おそらく、チューブを3か月ほど入れていたことによってできたものだろうとのことでした。

気管切開の手術は、朝イチで開始しました。
朝8時、私はNICU(子供の集中治療室)に行きました。そして、娘を見送りました。
手術そのものは約1時間半で終え、手術開始から約3時間後には娘と面会できました。

気管切開の手術を終えて

手術を終えた娘は、すやすやと寝ていました。
傷口を安定させるため、1~2週間は睡眠を促進する薬を使って安静にさせます。

生まれた翌日からついていたチューブが、顔から取れました。
すっきりした顔をしていました。

ずっとチューブが入っていた鼻の穴は、少し広がっていました。
しかし、大きくなる中で元通りになると思います。

気管切開をするメリットは、以下の通りです。
・長いチューブを入れずに済む
・チューブにとらわれないため動きやすくなる
・動きやすいため、成長が促される

デメリットも、もちろんあります。
・首に傷が残るかもしれない
・家に帰っても、呼吸器をつけたままの可能性が高い(7割が、小学生になる前に治るそうです)
・チューブが外れた際、迅速に親が対応する必要がある

生まれて約3か月。通算3回目の手術を終えました。

最愛の娘へ

3回目の手術、おつかれさま。今は、ゆっくり休んで。
長い入院期間だけれど、同じ境遇の人たちは全然覚えていないそう。なぜなら、とても小さいから。娘も、それでいいよ。

ただ、娘のことを案じ、お父さんとお母さんがそばにいたことだけは、少し覚えてくれてたらうれしいな。
会えない日を含めて、1日たりとも娘のことを話さない日はないよ。

まだ、家に帰るまでは時間がかかる。
ゆっくり、気長に、ともに歩んでいこう。



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