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チームが停滞したとき、意識したい3つのこと

関わっているプロジェクトで、

「今のチームの状況、あまりよくない感じがする」
「チームとしての本来の目的を見失っているかも」

と、チームの停滞を感じることがありました。
そこで思い出したのが、「いとなみを取り戻す」という本です。

震災後・大槌町で、“針と糸”で希望を紡いだ「刺し子」の女性たち。
ともに歩んだ10年の葛藤と、伝統手芸のぬくもりから見出した、心身ゆたかで持続可能な仕事と生きかたのヒント。

この本の中に何かヒントがあったような気がして、読み返してみました。
すると、確かにありました。
チームが停滞していると感じたとき、意識できるといいな思うポイントを3つ発見したので、ご紹介します。

チームが生まれたきっかけに囚われない

大槌刺し子は東日本大震災をきっかけに生まれたブランドです。
震災から4年後の2015年、復興支援のイベントが下火になり、「復興支援」という文脈だけでは、製品販売を続けるのが厳しくなった状況があったそうです。
「復興支援」と「これからは、刺し子そのものの魅力をさらに押し出していくべきではないか」、ふたつの思いを行ったり来たりしながら、たどり着いたところが、こちら。

刺し子さんたちが培ってきた技術、製品の魅力を一番に見ていただきたいという思いはあります。
でも大槌刺し子が、震災をきっかけに誕生した事実は、どんなに時間が経っても変わるものではありません。
これは、私たちのアイデンティティのひとつです。
だから、自分たちの原点としてしっかり伝え続ける。
この基本が変わることはないでしょう。
「復興支援」にしがみつくのではなく、アイデンティティを踏まえたうえで、未来へ向かって新たな伝統を紡いでいきたい。
そう考えるようになりました。

どんなチームにも「生まれたきっかけ」があるものだと思います。
自分が意図したものもあれば、意図しなかったものもあるかもしれません。
どんなきっかけでも、それはチームのアイデンティティです。
でも、それは「アイデンティティのひとつ」なのです。
「生まれたきっかけ」は大事かもしれないけれど、そこに囚われる必要はなく、未来へ向けての新しい道標を掲げ続けていいのです。

ビジョンを見据える

ずばりという感じですが、やはり「ビジョン」は大事です。
でも、チームに「生まれたきっかけはあった」としても、「ビジョンがない」ことはあるものです。
それらは別物で、ビジョンとは「目的地」のことです。
ビジョンは、チームのメンバーで「つくる」ものだと思います。
つくる意志がなければ、ビジョンは自然発生するものではありません。
「今さらビジョンなんて…」と思うところへ立っていると感じたとしても、「ビジョンをつくる」という意志を持って、その作成に取り掛かることがチームの流れを変えるのだと思います。

どんなに夢中で進んだとしても到達するべき目的地がわかっていなければ、ただぐるぐる迷走するだけだったかもしれません。

ビジョン・目的地を見据えれば、ぐるぐると迷走することではなく、そこへ向かうことへ健全にエネルギーを注いでいくことができます。

一人ひとりにチームをつくる力がある

大槌刺し子の運営者であるNPO法人テラ・ルネッサンスは、「人は誰かが助けるものではなく、自ら助かるもの」と信じているそうです。

一人ひとりに未来をつくる力がある。

人は誰もが、困難から自分で立ち上がり歩き出す力を持っています。
そのしなやかな力を「レジリエンス(回復力)」と呼びます。

きっと、チームでも一緒です。
「チームのことを、自分一人の力なんかでどうにもできない」
そう諦めてしまうことがあるかもしれません。
確かに、一人きりの力では変えられないこともあるかもしれません。
テラ・ルネッサンスが大切にしている言葉に、

人間は微力だけれど、無力ではない

というものがあるそうです。
チームの中で、自分一人の力は微力だけど、無力ではないのです。
チームが停滞していると感じたとき、その流れを変えていく力は、チームのどのメンバーにも備わっています。
微力かもしれないけれど、待っているのではなく、自分にできるアクションを起こしてみる。
その小さな動きが、チームの流れを変えることに繋がっています。

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Rinfinity~食にたずさわる人の生き方~
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