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積極的不確実性【キャリア理論】

キャリアカウンセリングに関する理論の紹介と、それに対して感じたこと、考えたことを書いてみるシリーズです。

今回は、ジェラットの理論を紹介します。
ジェラットは意思決定の理論として、初期の頃と晩年期と大きく2つの理論を提唱しました。

1つ目は、「客観的・合理的な意思決定の理論」です。
予測→評価→決定のプロセスをとり、できるだけ不確実であいまいな要素を少なくして意思決定しようというアプローチです。

2つ目は、「積極的不確実性の概念」を取り入れたものです。
予測が通用せず、変化が多く、一貫性が保たれない世の中において、「積極的不確実性」が必要だと考えました。
以下の3つの原則が説明されています。

情報について:情報は想像力をもって扱うこと、しかし、情報を想像しないこと。
意思決定のプロセスについて:自分が何を求め、何を信じているかを理解すること、しかし、確信しすぎないこと。
選択について:合理的に選択すること、ただし、合理的選択が通用しない場合には手放すこと。

一見相反することを並べたようなこの原則こそ、不確実性を受け入れるために重要な考え方だとし、絶えず変化する流れに柔軟にバランスを取り入れながら進む過程そのものに意味があるという考え方を示しました。

相反することが並んでいる原則のようですが、僕は面白く感じるとともに納得感がありました。

予測が通用せず、変化が多く、一貫性が保たれない世の中。
これは言い換えると、「答えのない世の中」だと思います。
絶えず変化し続け、そのスピードが加速している世の中と人々。
前例のない事ばかりで、一般的に当てはまるような「答え」はなく、答えも理想も自分自身で探すことが求められる時代

そんな時代において大切なことは、「バランス」だと思います。
自分が信じるものを探し、見つけ、自覚すること。
しかし、時代や自分自身も不確実であることも自覚し、柔軟に対応すること。
このバランスを取ることが大切のように思います。


答えのない時代。
答えや理想は自分自身で探す時代。
そう言われて、自信満々でそこに臨んでいける人はどれほどいるのでしょうか。
僕は、「答えのない時代」に対し、楽しみと不安の両方があります。
「自分で決めたい」という思いが強いので、答えを探していくこと・自分で決められることにワクワクするとともに、
「本当に見つけられるのか」という気持ちも見え隠れします。

でも、ジェラットの「過程そのものに意味がある」という言葉に勇気づけられる気持ちになります。

「答えのない時代」、「答えや理想を自分自身で探すこと」は、きっと「答えすら変化する」ということでもある思います。
だからこそ、自分の答えを信じる気持ちと、不確実性への柔軟な対応もバランスが大切になります。
そして、「答えを探し続ける」というのも必要な姿勢になるのだと思います。


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