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みんな怒るし、みんな笑うね。

「人は違いより共通点の方がいっぱいある。」
いつか聞いたセリフ。
印象に残っていて、とても好きなセリフです。
でも、これは、
「共通点の方がいっぱいあるのだから、違いなんて見なくていいじゃん」ということではないのだな、と思いました。

こちら読みました。

「問題は違いを認識することではない。 違いに対して、有害なやり方で反応することなのだ。」

違いなんて見なくていい。違いを認識しない。
そういう態度は、「相手を見ていない」ということなのだと思います。
僕らには共通点の方がいっぱいあるのかもしれません。
でも、違いもあります。
僕とあなたには違いがある。
そのシンプルなことを無理やり見ないフリをして、「同じだよね」「気にしないよね」と通り過ぎることは、あまりに乱暴なことかもしれません。
大事なことは、「違いに対してどう反応するか」だと思います。

違いこそが重要なリソースである

違いをうまく扱える人は、つねに他者についての知識をアップデートしようとしている人だ。
ー中略ー
他者から学ぼうとする姿勢は、その軋轢あつれきを和らげて、有益な素材へと変容させてくれる。

「違いこそが重要なリソース」であり、
その違いに対しての向き合い方で大事なのは、「知ろう・学ぼうとする姿勢」

違いを見て見ぬフリしてしまうのは、対立への恐怖があるからかもしれません。
差別主義者だと思われたくなくて、「違いを見ないこと」にしてしまうのかもしれません。
でも、僕とあなたは違って、その違いが新しい色を生み出してくれるのだと思います。
違いを認識して、どう反応するか。
そこに「知ろう・学ぼうとする姿勢」が活きるのだと思います。
自分とは違うあなた。似ているところもあるかもしれないあなた。目の前のあなた。
そんなあなたを知りたいと思って接すること。
そう接しても、傷つけてしまう場面があるかもしれません。
どんなに気を付けても、差別と捉えられる言動を完璧には避けられないものだと思います。
気にしなくていいということではなく、「学びの姿勢」を持って接すること。
それが、「もしかしたら傷つけてしまうかもしれない」、けれど「知りたい」という気持ちに、「勇気」を添えてくれるのだと思います。

本の中で、
【コソヴォという民族間の敵対意識がある地域の子どもたちのために「コソヴォ版セサミストリート」を作成した】
という事例が紹介されていました。

あるエピソードでは、セルビア人とアルバニア人とロマの子どもたちの映像が次々と映しだされ、子どもの声で歌が流れる。
〈みんな子ども、ひとりひとりは違うけど〉
〈誰だってどこか特別なんだ〉。
歌はさらに続く。
〈きみは元気いっぱい、きみはとっても静か〉、だけど
〈みんな怒るし、みんな笑うね〉。
子どもたちは個性ある存在として描かれている。
日々の体験は違っても、本質的には変わらない存在だ。

*

Rinfinity~食にたずさわる人の生き方~
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