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若いときの苦労はむやみに買うな

「若いときの苦労は買ってでもしろ」
今はどうかわからないが、自分が学生時代のころはよく言われたものだ。

このことで、私はとんでもない勘違いをして過ごしてしまった。
それは2つの思い込みである。


とんでもない誤った思い込みである。
もしドラえもんがタイムマシーンを出してくれたら、
今すぐ二十歳のころの自分に会いにいってこれらの思い込みのメンタルブロックを全力で壊しにいくだろう。


まずひとつは、本当に無駄なことは一切ないという思い込み
中学、高校と野球部に所属していたごりごりの体育会系というジャンルに属していた。いまでは考えられないだろうが、まだ悪しきスパルタ式の指導というべき慣習があった。

夏場の炎天下の練習。
それにも関わらず、水分補給がなかなか許されなかった。
理由は「水分を取りすぎて、余計に身体がだるくなるから」
少し頭をひねれば、合理的ではないと分かるものだが、思考停止で
従っていたのだろう。全く疑わなかった。

ひたすら忍耐を重ねることで、自分は上達できると疑わなかった。
まったくもっておめでたい発想だ。

素直に相手のアドバイスに従うことは成長のひとつの要素と言われる。
ただ度を過ぎると問題である。
水分補給ができず、ひたすら練習を重ねた時間は、言葉では表すのが本当に
難しいくらいの強い苦しみを伴うものであった。
その苦しみは、野球の「打つ、投げる、走る」といった技術の上達に結びつくのか。
その水分補給を伴う、休憩を繰り返すことで、ひとつひとつの練習の質を上げることができたのではないか。

当時の時代背景があったので、指導者を責めるつもりは全くない。
ただ自分の目的にかなっていたのかどうか「疑う発想」ですら持てていなかったのは情けない限りである。

もうひとつの間違った思い込み。
苦労を伴う努力は、必ず正当な対価となって報われるということ。
本当に、本当に残念だが、そんなことはない。

歴史は勝者の者とはよく言ったものだ。
教科書やTV番組を見ても、サクセスストーリーに軸を置いた人生ばかりが取り上げられる。紆余曲折の苦労話が散りばめられることはあっても、完全に失敗したものはなかなか取り上げられない。

「努力をしたものは報われる」
「やればできる」

私もこれらの言葉に何度も勇気づけられた。
反論する気もない。
ただひとつ注釈を加えて、考えてみると「若者が苦労を買うべき基準」が
見えてくる。

野球、受験、資格試験、入社試験、恋愛、仕事、人づきあい。
ただ人並み以上にありとあらゆるジャンルで、挫折と失敗と敗北を経験してきた。
自信を持っていおう。

これは、「正しい戦略と戦術に基づいた努力は、報われる可能性が高まる」ということ。
必ず報われるとは言ってない。
可能性が高まるだけだ。それくらい世の中は厳しい。

前提は、無駄な努力が存在するということ。
なんとなくあなたは気づいていたかもしれない。
受験勉強で、なんとなく脳の負担が軽い作業系の勉強で勉強した気になっていたり、生産性を上げなければならないのに、終業時間まで明日でもできる単純作業をやってやりすごすことなどがあたるだろう。

あとから無駄な努力もプラスだったとポジティブに捉え直すこともできなくはないし、それも経験といってしまえばそれまでだ。
でも、あなたがより大きな目的や目標に向かって取り組んでいることなら、正しい戦略と戦術に基づいた努力ができているか検証する必要がある。

正しい戦略と戦術。
これは、あのユニバーサル・スタジオ・ジャパンの業績をV字回復させた
プロマーケターの森岡毅さんの言葉を取り上げたい。

「戦略が強いと正しい方向へと進む、戦術が強いと遠くまで飛べる」

あなたが北海道に住んでいて、家族旅行を楽しむために東京ディズニーランドに行くという計画を立てたとしよう。

新千歳から成田までの飛行機に乗れれば、正しい方向(ディズニーランドが家族にとって旅行先として楽しめる点において)に有効な手段(早く行ける)になる。

では仮に、旅行代理店の手違いで、間違って船で香港のディズニーランドに
向かったとしたらどうだろうか。
ハプニングを楽しめる人ならまだしも、言葉も通じず日本のディズニーランドを楽しみにしていたら、その旅行は失敗におわるかもしれない。おまけに船で向かうので、時間もかかる。有効な手段とは言い難い。

このように、間違った方向に間違った手段で進むこと、努力すること。
これに苦労というスパイスが加わると厄介だ。

貯金をくずし、「稼げる」とされる高い情報商材を買う。
お金を苦労して一生懸命貯めたお金を、あまりキャリアにつながらない
資格試験の勉強に費やす。

結果、自分の価値観から正しい方向に向かっていなかったり、
その手段を間違えてしまう。

そこからリカバリーをするのは、とても難しいし学生時代や20代のお金と時間は本当に重要だ。できる限り、無駄なことはできるかぎりショートカットをするという発想も必要だ。

言うまでもなくこのコロナ・ショックを受けて、社会は大きく変わった。
オンラインのコミュニケーションが当たり前になり、
より生産性を高めていける人材が求められている。

学生も社会人も無駄な努力に時間を費やしていくひまはない。

あなたはどこに行きたいのか。
そのための正しい戦略と戦術をしっかり見定めること。
そこには時間をたくさんかけていけば、ただ「私達の時代の苦労したこと」だけをアピールして説教するおじさんやおばさんにならずに済むのだ。
あまり言われないが、忍耐だけを重ねる人生に幸せを見出すことは難しい。

自分は失敗ばかりしてきたけれど、正しい努力や苦労が報われた瞬間の充実感は忘れられない。
あなたの人生のおいても、そんな瞬間が何度でも訪れてほしい。
何度でもあなたなりの「戦略」と「戦術」を自分に問いかけてほしい。

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