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30才を前に東京の一部上場企業を辞めて無職になった話

たまには過去を振り返る。

あれは9年前。9月13日金曜日仏滅。

何か響き的に最悪な組み合わせの日に会社を辞めた。有休消化を含めたら11月末退社ではあるが。

一応一部上場していて東京にオフィスもある会社。大学院を卒業してからの新卒入社である。もちろん辞めるのは友人には勿体無いと言われた。

今思うと若気の至りかもしれないが、辞めた理由は以下の通りだ。

①会社における将来のビジョンが自分の描くものと違った

②休日問題

③好奇心と海外への憧れ

まずについて

辞める1年ほど前に技術部から営業部へ異例の異動をした。新卒入社組では前例ではなく、自分が初の試みとのこと。まさかの異動でびっくりしながらも1年程頑張ってみた。ガツガツ営業というよりは営業後のサポート業務の方が近くはあったが、技術部とは全く畑違い。働いている人も技術部とは違う雰囲気の人が多く同じ会社にいながら転職でもした気分であった。

入社して技術部に配属された時点では自分のキャリアは技術部門で積み重ねていくのかなと漠然と思っていたが全く違うものになった。

そこで最初に思ったことは、自分の望むこととと会社の望むことは一致するものではないということ。特に大企業においてはそうだろう。大人気の部署など、新卒入社して数年の下っ端なんかそうそう行けるものではない。

自分のキャリアについてこの時の一年はよく考えた。自分の理想は何なのか。自分に会社は何を求めているのか。数年後の自分。

何年かしたら自分の希望通りになってるかもしれないが、それは何年後かはわからないし、なっている確証はない。

その時の自分に響いた言葉は「30歳の誕生日を迎えた時にあなたはどこで何をしているのか」

この時28才なりたてで30才になる瞬間は漠然とこんなものかと思い描いていた。いつかは希望は叶ってもこのままだと30才になる時は今と同じ状況だろう。そうあの時考えたことは覚えている。

将来いつかはビジョン通り進むかもしれない。ただ30才になるタイミングは間違いなくビジョン通りではない。そう思い会社を辞めることを考えた。

次にについて

技術部と営業部では休日が違った。

技術部はシフト制、営業部は基本平日休みだった。当時は色々と多趣味にこなしていたのでシフト制は有り難かった。特に東京、イベントには困らずシフト制のおかげで平日、休日問わず、色んな業界の人に触れ、色んな体験をすることができた。

営業部に異動してからの平日休みは週の真ん中に常に固定されていた。土日は基本仕事。ちょうど友人の結婚ラッシュと重なっていた時期もあり、空気的に土日に休むのは少し気が引けたものだ。冗談も混じり、休日を3万円で買っているともよく言っていた(笑)

平日休みに固定されてからは趣味の幅が狭まった。土日中心のスポーツサークルには行けなくなり、土日休みの友人とはスケジュールも合わず夜の飲み会でたまに会うくらい。当時はこの休日問題が結構ショックでストレスが溜まっていた。もちろん会社の問題だからどうしようもない。絶望しながらもどうにか適応しようともがいてはいた。ただ平日休みになったからこそ出会えた人達もいて、今も繋がっていたり、人生に影響を与えてくれた出逢いもあった。

出会いは必然。そういう運命だったのだろうと今は思える。休日が充実できなさ過ぎて、色んなことを必死に考えた。そこで考えた結果として今がある。今となっては考えるきっかけが与えられたことに感謝している。

そして当時の自分は考えた。先の見えない平日休みが続いた未来より、仕事を辞めた未来の方が自分にとってよりいいモノになると。

社会人にとって休日は何より大事だ。休みが無いと人は狂ってしまう。充実した休日が充実した仕事を生むというのは間違いないだろう。

自分の理想の休日のために辞めることを決断した。と言っても過言はないだろう。

最後にについて

いざ会社を辞めようとすると色んなことを調べ出すだろう。まずは転職情報だ。

今のキャリアで転職と考えたときに自分に強みがないことを悟った。技術部と言ってもほぼ社内のこと。 SEとしてコードをパチパチPCに打ち込んでいたわけでもない。そして途中で営業部に異動したことで自分の売りは何なのだろうかと思った。全てが中途半端すぎて違う会社に自分を売り込む術がわからなかった。

この時何を思ったか、海外に行くことを考えた。理由は30前ということで、周りに出張や長期出向や赴任している人がいたからだ。特に東京にいたのでそういう人は多く、海外について考える機会も多かった。

あとはTVで当時やっていた”woman on the planet"。この番組を仕事で疲れた土曜日に家で酔っ払った状態で観ると色々と考えることがあった。

そこで思った。仕事を辞めてとりあえず海外に行こう。そしてピッタリの制度を見つけた。『ワーキングホリデー』。期限は30才まで。何かピンときた。

辞めると考えたことがワクワクに変わった。

とりあえず、どこに行って何をするかは決めず、漠然と海外に行くという選択肢を選んだ。


①②③としっかり考えてはいたものの会社を辞めたいなんて上司に言うのはとても勇気がいる。

なかなか告白できない。純粋な学生かとツッコミを入れたいくらい。そう言う人もきっと多いだろう。告白する勇気の無い人。私もそうだった。

漠然と辞めることを決断しウダウダと数ヶ月そう言う状態だった。直属の上司が一人になったのを見かけては、今がチャンスと思っては何も言えない日々が続いた。

そしてその日は突然きた。

同じオフィスではあったが営業部内の違うチームに異動する話が突然来た。

上司が変わる。もう言うなら今しかないだろうと覚悟を決め、当時の上司に話をした。申し訳ながらも自分の意志を伝えた。理解のあるいい上司でよかった。

そして話は進み。

9月13日金曜日仏滅の去った次の日。私は無職になった。

結果的に見切り発車にはなったが、

理想の30才の瞬間を迎えるため、

この日私の人生は180度大きく変わることになったのである。

貯金は減るよどこまでも。


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