ARE YOU(7)
私は窓に寄り添って外を眺めていた。窓のガラスには水滴が現れ、開発によって荒廃した風景が、どんよりとした雲の下で水滴と交錯している。ビルの隙間から標識のようにそびえ立つ用賀タワーは、高く、遠く、まるで平野遼の抽象画のようによそよそしかった。想像を絶したところにある美を覗き見る魅力は、自分の意識を上へ上へと向けさせる行為でしかない。私はエリちゃんにアブローチした。アプローチは自分より高い存在との必死の対決と見られなくもない。その危険な高さに立ち向かうのは何のためかとかといえば、計