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落合陽一『2030年の世界地図帳』と休校の中での学び

『2030年の世界地図帳』

昨年の11月に出て以来ベストセラーになっている落合陽一さんの『2030年の世界地図帳』。

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落合陽一さんについてはこちら

この本では、詳細な資料・データと有識者との対談を通して世界の現状・未来、そして日本の進むべき道について語ります。

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Amazonのページでは
「テクノロジー❌地政学❌データ
3つのファクトで見通す、僕たちの未来」
というキャッチフレーズで説明されています。

また「中田敦彦のYouTube大学」でも3回にわたって解説がされています。

落合陽一が見る未来の教育

「インターネット以後の開かれた教育は格差を打ち破るか」(P180から引用)

今回は特に教育について。

世界には歴然として格差問題が存在しています。この解決のために重要な鍵を握るのが、「教育」だと落合さんは主張します。

SSGs 目標4「質の高い教育をみんなに」

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教育により・・・

・フェアな教育投資によって高等教育を受けるチャンスが生まれる
→ 貧困層の子どもでも負の連鎖は避けやすくなる

・女性の教育機会向上する
→ シングルマザーの経済力向上に寄与

・生涯学習やリカレント教育が進んでいく
→ 高齢者の貧困対策。学び直しによる体力や能力の衰えの回復

SDGs 目標4「質の高い教育をみんなに
すべての人に包括的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を提供する。

日本の教育の評価点と問題

日本の教育は国際的に高い評価をされています。

  全国民への義務教育の提供
  100%に近い識字率
  15歳以下の子どもの学力の高さ

日本の教育の問題点

 大学・短大進学率が57.9%と低い
 ↔︎ 大学進学率と家庭の年収には強い相関関係がありあます。

  教育における私費負担の割合が先進国の中で高い
  経済的な格差が学歴に反映されやすい
  → 階層の固定化が進みやすい

+ 都市と地方、男女間にも階層化の原因

改善する一例

このような状況を改善するきっけが「eラーニング」の盛り上がりだと説明します。

MOOCやgacco、スタディサプリなどは月額1000円以下とリーズナブルなサービスになっています。

このような敷居の低い学習サービスが広がれば環境による能力の違いは現れやすくなります。

このようなeラーニングの利点は

サービスを通じてインタラクティブに学びが提供される
既存の人間関係とは異なるコミュニティに所属することで視野が広がる

そして多様な学びの機会を与えてくれる場として、生涯学習的なコミュニティが増えることが求められています。

これによりより教育機会やサービスの質が向上することを落合陽一さんは望んでいます。

休校中の学び

さて、落合陽一さんが格差を是正する手段として注目しているeラーニング。

今回の新型コロナの休校により、多くの学校や教員たちは新たな学びの形を模索しています。

多くの先生方が今回チャレンジしている実践をあげられています。

この流れはとても頼もしく、教育が変わる可能性を感じます。

休校中の世界の教育

しかし日本の教育がもがいている中、世界は着々とオンラインの教育を定着させています。

イタリアの友人からも全国が休校になり、オンラインの授業を学校が始めた、という報告もいただいています。

また中国がいち早くオンライン授業に切り替えたことも話題になりました。

日本の学校がどのように変わることができるのか、2030年に向けた日本の教育が今試されているのかもしれません。


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