見出し画像

新しく始まった大学共通テスト 世界史 Vol.2 世界史Bの出題傾向

新しく始まった大学共通テスト、一部で大雪による混乱があったようですがまずは無事に終わったようです。

注目していた世界史Bはどのような出題傾向だったのでしょうか?

分野と配点

第1問「資料と世界史上の出来事との関係」(15点)
第2問「世界史上の貨幣」(18点)
第3問「文学者やジャーナリストの作品」(24点)
第4問「国家や官僚が残した様々な文書」(26点)
第5問「旅と歴史」(17点)
大問数 増加 +1
設問数 減少 -2
マーク数 減少 -2
難易度 例年並み ※最終的に平均点は例年並になった(修正)

各社の分析

河合塾

スクリーンショット 2021-01-18 9.53.53



「資料の文章を読み取る問題が多く出題された。グラフを読み取る問題を含む第2問以外は、すべての大問に資料の文章を読み取る問題が含まれた。

難易度
資料を多く読む必要があり、形式が複雑であることから、難度はやや上がった。
出題分量
大問数は、昨年のセンター試験が4題で、今回の共通テストは5題となっており、増加しているが、小問数は昨年の36問から34問に減少した。ただし、問題のページ数は昨年が24ページだったのに対して、今回は30ページであり(白紙は除く)、分量そのものは増加している。
出題傾向分析
グラフを読み取る問題を含む第2問以外は、すべての大問に資料の文章を読み取る問題が出題された。リード文に資料を引用しているほか、資料文そのものを選択させたり、時代順に並び替える問題も出題された。以上は、試行調査の問題と同様であり、生徒同士の会話、生徒と先生の会話など、会話文が利用されたこと(4カ所)、組合せ問題が多かったことも試行調査と同様であった。一方、試行調査に見られた移動を示す地図を利用した問題はなく、地図問題そのものが1問であった。また、図版選択問題など図版を利用した問題も少なかった。出題内容やレベルは従来のセンター試験を踏襲しており、古代から第二次世界大戦後まで幅広く出題され、やや近現代史が多く、戦後史からの出題もみられた。ただし、上記したとおり、さまざまな形式の問題が出題されたことで、従来のセンター試験で主流だった4文正誤問題は大幅に減少し、年表問題もなかった。」(HPより引用)

代々木ゼミナール

スクリーンショット 2021-01-18 9.54.07

「世界史Bでは代々木ゼミナールの分析担当者が「多様で目を引くトピックが扱われた」と指摘。その一つに歴史修正などを題材とした小説「1984年」が登場した。関連問題では18世紀に中国が行った大規模な図書編纂(へんさん)事業で、「改竄(かいざん)が組織的に行われた」と説明し、対象図書に掲載された手紙の一節について改竄前後の文章を並べて表示。改竄部分は分かるように線が引いてあり、その意図を図書名とともに答えさせる問題が出された。」産経新聞20211.16 引用


「センター試験から大きく傾向が変わり、史資料の出題が増加した。中世ヨーロッパのペスト流行についての問題が出題された。

―概評―
試行調査の傾向が踏襲されて、豊富な史資料(図版・表・グラフ・史料)が提示され、その上で小問が並べられた。特徴的な設問として、中世ヨーロッパで発生したペストの流行や、また歴史学の手法を題材とした問題、小説『1984年』を引用した歴史修正に関する問題等が出題され、多様で目を引くトピックが扱われた。
―センター試験・試行調査との相違点―
センター試験に比べて史資料の使用が増加した。また、2018年の試行調査と概ね同じ問題量・傾向だったが、複数正解の問題や連動式の問題が出題されなかった。
―難易度(全体)―
センター試験に比べるとやや難化した。要求される知識水準はやや下がったが、史資料の読解力が求められ、解答に要する時間が増えている。2018年の試行調査とはほぼ同じ難易度である。
【問題量】
史資料問題が多く、読解に時間がかかるため、60分で解答するには分量がやや多い。
【出題分野・出題内容】
西洋・東洋史という観点ではバランスよく出題された。東洋史の内訳は東アジアを扱った内容が多く、インドや中東等の他の地域を扱った問題が少なかった。
時代別では、近代史(19世紀~20世紀前半)を扱った問題が圧倒的に多く、現代史(20世紀後半以降)を扱った問題がやや少なかった。
分野別では、政治史・社会経済史・文化史が満遍なく出題された。
【出題形式】
豊富な史資料(図版・表・グラフ・史料)が提示され、その上で小問が並べられるという形式が多かった。
文と語句の組合せを問う問題の出題が多かった。一方、試行調査に存在した複数正解の問題や、連動式の問題が無かった。」(HPより引用)


ベネッセ・駿台

スクリーンショット 2021-01-18 9.54.41

「西欧と東アジア中心。文書資料の読み取りをからめた組合せ問題が目立った

大問数は、昨年のセンター試験から1個増加し、5個となった。解答数は、2個減少し、34個となった。組合せ問題が目立った。資料に書かれている歴史上の出来事と、資料から読み取れる内容の組合せ問題も出された。資料は、文書資料の読み取り問題や、2つのグラフから仮説を導き出させる問題などが出され、読解力や考察力が求められた。

各時代からバランスよく出題された。地域は、西欧と東アジアからの出題が目立った。分野は、政治史を中心に出題された。」(HPより引用)

東進ハイスクール

スクリーンショット 2021-01-18 9.54.15


「資料を多用した「思考力を問う問題」が多く、センター試験に比べ解答に時間がかかる。

 大問構成は、センター試験より1問増えて5問。設問数は34問と、センター試験の36問から2問減少した。しかし、資料(地図、絵画、写真、史料、グラフ・表)の数が17と、2020年のセンター試験の6に比べて大幅に増加した。また、資料を読解しつつ世界史的な知識を連動させないと解答にたどり着けない「思考力」を問う問題が多かった。設問数は減少したものの全ての問題を解き終わるまでに要する時間は、大幅に増加したと言える。
出題形式の変化としては、資料問題の出題が増加した影響で、センター試験で多かった正文選択の問題は2020年の22問から8問へと大幅に減少した一方、空欄補充形式の問題が3問から10問へと大幅に増加した。
 全体として、センター試験と同様、時代、地域、分野ともにバランスのとれた基本的知識を問う問題が多かったが、定番であったリード文を読まずに解ける問題がほとんどなく、曖昧な知識だと試験時間内に余裕をもって解き終わることは難しかったであろう。したがって、平均点は昨年よりも下がることが予想される。」(HPより引用)

次回は、世界史Bでどのような問題が出題されたのか、内容に注目します。




この記事が参加している募集

子どもに教えられたこと

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?