星
『このもどかしい気持ちどうしてくれよう』
そう思った経験はありませんか?
例えば夜空の星を共有する時。
このもどかしい気持ち。
何億光年も離れている星を、指で触って確認するわけにはいかないし、星まで一直線に届く便利なライトなんてものはもちあわせていない。
いろんな言葉をつくして、
根気強く目指すものを説明したとしても、
伝わったがどうか、確認する術がないのだ。
このように、2人とも同じ空を見ているのに、星が遠すぎてうまく共有できない時
「あぁ、なんてもどかしいんだろう」
と思ってしまう。
もっと正確に同じものを共有できたらいいのに。。
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そういえば、最近のニュースで
東京湾近辺の異臭騒ぎが話題となった。
「なんだか焦げ臭い匂いだった」
「あっちの方からいきなりね、シンナーみたいな匂いがやってきて」
などと異臭を語る町の住民たちのインタビューが流れる。
最後はアナウンサーが「、、ということで、未だに匂いの原因が特定できず、現在も調査中です」と締めくくり、次の話題にうつった。
このニュースを見て、原因不明の匂いよりも、人によって匂いの例えがあまりにもかけ離れていることの方に驚いてしまった。
正直、焦げ臭い匂いとシンナーの匂いって全然違くないか?と思ってしまったのだ。
嗅覚の感度は人によって違うし、遺伝や経験によっても匂いの捉え方は変わってくるらしい。
匂いというものは、極めて個人的な感覚だから他者と完全に共有することや、言葉で厳密に表現することはできないのだ。
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私は今まで、
曖昧でつかみどころがないものをうまく言語化できない時、もどかしさを感じていた。
しかし、このニュースを見て、同じ匂いを嗅いだはずの住人でさえ捉え方が変わるのだから、私が曖昧なものに対して「もっと正確に共有したい」なんて思うこと自体おこがましいのかもしれないと思えた。
それと同時に、他者と正確に共有することはできないことを認識したうえで言葉をつくせば、
お互いがイメージするものに少しずつ歩み寄ることはできるとも思った。
こそあど言葉を駆使してたどり着いた
冬の大三角形。
見つけた時の友人のしたり顔は忘れまい。
この時、私と友人は紛れもなく同じものを見ていると確信した。
もどかしくて、めんどくさいけど、
言葉をつくす。
伝える続ける努力の大切さに気づけた出来事だった。
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PS
最初に書いていた「スナスナの話」は、
後から見てまとまりが悪いと感じたため消してしまいました。すみませんm(__)m
またいつか書かせていただきます。