見出し画像

吹奏楽コンクールに向けて曲の理解を深めるコツ

吹奏楽コンクールまであと1か月程度ですね。楽譜通りの練習はもちろん重要ですが、曲の理解を深めることで、演奏にさらなる深みと一体感をもたらすことができます。ここでは、部員主体でもできる、曲の理解を深めるための具体的な方法を詳しく紹介します。

1. 作曲者の背景と意図を理解する

具体的な方法:

  • ネットでリサーチする: Google検索やWikipediaで作曲者の情報を調べます。作曲者の生涯、他の作品、影響を受けた音楽家や時代背景などをまとめて共有しましょう。民族系の楽曲であれば、もとになった民謡などを聞いてみるのもいいですね。

  • 図書館で調べる: 音楽に関する本や作曲者の伝記を図書館で探してみましょう。グループで図書館に行き、情報を集めて発表会を開くのも良い方法です。意外に見つかります。

例: 「ホルストの『第一組曲』を演奏する場合、ホルストが吹奏楽にどのような影響を与えたか、また彼の他の作品との関連性を調べます。」

2. 曲の構成を把握する

具体的な方法:

  • 楽譜にマーカーを使う: 楽譜にセクションごとに色分けしてマーカーを引く。例えば、主題部分を赤、展開部分を青、クライマックスを黄色など。曲は物語です。どこが起承転結なのか、考えてみましょう。

  • フローチャートを作る: 曲の流れをフローチャートにして、どのセクションがどこで現れるかを視覚的に把握します。

3. 各パートの役割を理解する

具体的な方法:

  • パートごとのミーティング: 各パートで集まり、自分たちの役割や他のパートとの関係を話し合う。特にメロディーやリズムを支える部分について深く議論します。特に場面によって、役割は変わります。ここではメロディーであるが、ここでは裏方など。その際にどうやって演奏すべきなのか、考えてみましょう。

  • スコアリーディング: 全体のスコアを一緒に読み、各パートがどのように連携しているかを理解します。その際に先ほどの役割同士で、どんな演奏をしたいのか。その演奏のために、さらにお互いどうやって役割をすべきなのか。考えてみてください。

例: 「クラリネットパートが主旋律を担当する場合、他のパートとどう調和するかを考える。さらにバランス良く調和するために、どのパートが出て、どのパートが引くべきか。」

4. 言葉で表現する

具体的な方法:

  • ディスカッション: 曲の各部分に対して感じる印象を言葉にして話し合う。「この部分は悲しい感じがする」や「このフレーズは力強い」など。私は娘を亡くした作曲家の曲を吹いたことがありますが、正直今でもその心情を全て理解することはできないと思います。だからこそ、みんなで話し合って、作曲家の方がどんな思いで、それをどう表現したのか。考えてみてください。

  • イメージング: 各セクションに対して視覚的なイメージを持つ。例えば、特定のメロディーが風景や物語を連想させるなら、そのイメージを共有します。YouTubeなどでイメージになりそうな動画を探してくるのもいいですね。

例: 「バッハの『トッカータとフーガ』を演奏する場合、冒頭部分がどんな映像や感情を連想させるかを話し合い、それを演奏に反映させます。どんな場所で演奏されているのか。どんなイメージ写真ができそうなのか」

5. リファレンスを聴く

具体的な方法:

  • YouTubeでプロや他の団体の演奏を視聴: 有名な演奏家やプロの吹奏楽団の演奏や過去の他の団体の演奏をYouTubeで探して聴く。特に同じ曲の異なる解釈を聴くことで、新しい視点を得ます。

  • 比較リスニング: 複数の演奏を聴き比べ、それぞれの特徴や違いをメモに取ります。これをグループでシェアし、どのアプローチが自分たちの演奏に合うかを議論します。

例: 「ラヴェルの『ボレロ』を演奏する場合、さまざまなオーケストラや吹奏楽団の演奏を聴いて、テンポやダイナミクスの違いを分析します。」

6. 自分たちの演奏を録音して聴く

具体的な方法:

  • 練習を録音: スマホやレコーダーで練習を録音し、全員で聴きながらフィードバックを出し合います。特に気になる箇所や良かった部分を具体的に挙げることが重要です。

  • 改善ポイントをリストアップ: 録音を聴いて見つけた改善点をリストアップし、次回の練習でそのポイントに集中して取り組む。

例: 「週末の練習を録音して月曜日に全員で聴き、その中でテンポが乱れた部分や音程のズレがあった箇所を具体的に指摘し合います。」

7. 感情を込める

具体的な方法:

  • 感情のシェア: 各メンバーが曲のどの部分でどんな感情を感じるかをシェアします。それをもとに、演奏中にどのような感情を込めるかを話し合います。

  • 表現の練習: 感情を込めた演奏を意識して練習します。具体的には、「ここではもっと悲しげに」や「この部分は喜びを表現して」といった指示を出し合います。

例: 「マーラーの『アダージェット』を演奏する場合、各メンバーが自分なりに感じる悲しみや愛情の感情を話し合い、それを演奏に反映させます。」

結論

吹奏楽コンクールまでの限られた時間を有効に使い、曲の理解を深めることは、成功への鍵となります。楽器の練習も大切ですが、正直1日中練習ばかりでは疲れ、効率も下がると思います。その際に上記の方法を取り入れることで、練習がより効果的になり、演奏に深みと感動を与えることができます。仲間と協力し合いながら、楽しく真剣に取り組んでください。頑張ってください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?