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やぎさん取材日記|羊のいる焼尻島・海鳥の聖地・天売島へ。


今回は北海道の離島の中でも、さらにマニアックな焼尻島・天売島をご紹介します。

ただいま発売中の「北海道生活」夏号・離島特集で取材した二つの島。

こちらの島は観光バスでたくさんのお客様が来るというタイプではなく、あえてここに来たいと目指してくる人だけが少しずつ来るような、静かで小さな島です。

しかも、コンビニもなく、私が立ち寄ったところは水洗トイレもなかったので、なんでも便利な生活に慣れていると驚かれるかもしれません。

なので、「離島で優雅なリゾートを楽しみたい!」という方にはご遠慮いただき、逆に「何もない」ということを楽しめる方にこそおすすめします。

“羊の島”焼尻島で、羊たちと古代の森に癒される。


羽幌(はぼろ)港からフェリーで焼尻島(やぎしりとう)へ。

この島には羊の牧場があるんです。
のんびり歩いたり、レンタサイクルで走っていると、広い牧草地に羊の群れがいて、こんな島は他にありません。

のんびり草を食む羊たちの風景は、見ているだけでほのぼのと癒されます。

この羊の牧場のすぐそばに、森へつながる道があります。

取材時にはあちこちで可憐な草花が満開で迎えてくれました。

森の中に入っていくと、珍しい木がいくつかあり、中でもオンコと呼ばれているイチイの木は、焼尻島にしかない独特の姿を見せてくれます。

この森の中を案内していただいたのが、アウトドアガイドで「ゲストハウスやすんでけ」を営む奥野さん。

「北海道生活」でご紹介している奥野さんは、副業として漁師もしています。

取材した日はちょうどウニ漁があったので、りっぱなウニをいただきました!

6月中旬からは焼尻島もウニのシーズンが始まります。

取材の際に泊まらせていただいた「布目旅館」でも、朝ごはんにウニ汁が出ました。

ウニは島でも高価で、焼尻島には飲食店もほとんどないので、宿でウニに会えると感激。

ウニのない時はアワビが出たりと海鮮の豊富な島なんです。

焼尻島は全体的になだらかな道が多く、ぶらぶら歩いていて回れる島。

フェリーが来るまで時間があったので、カメラマンと解散して、ぶらりと訪れたカフェは十数年ぶり。
顔を覚えていてくれた店主の方と再会を喜び、ほっこりと時間を過ごしました。

何かを期待して行くよりも、何もないと思って行って見つかる小さなことの一つ一つに感動できるのが、焼尻島の魅力だと思います。

“海鳥の楽園”天売島で、鳥たちと海鮮に圧倒。

フェリーで焼尻島から、天売島(てうりとう)へ。

この島もふだんは漁業を営む小さな島なのですが、夏の限られた時間だけ特別な風景を見せてくれます。

天売島は“野鳥の楽園”と呼ばれるほど、世界有数の海鳥の島。

夏にはウトウの群れがいっせいに夕方の「帰宅ラッシュ」の姿を見せます。

このウトウの姿は日本でもここでしか見られないので、全国から人々が訪れます。

ゴールデンウィークから夏までのわずかな期間が、この島のハイシーズン。
たくさんの海鳥たちに出会えるのが、他にはない天売島だけの魅力なんです。

「海の宇宙館」では写真家・寺沢孝毅さんによる美しい写真で海鳥の楽園の見どころを紹介。

小さなボートで天売島の自然や鳥たちを海から見られる感動のツアーは、ここで受け付けています。

7月の頭にはリニューアルのため来年まで一時閉館しますので、今のうちにぜひ訪れてみてください。

天売島ではいろんな海鳥が見られますが、おなじみの海鳥だと、ウミネコの繁殖地があります。

ただ、撮影のときは子育ての時期だったので、ウミネコを怒らせたら怖い!とびくびくしながらカメラマンの撮影に立ち会いました。

天売島の短い観光シーズンは、海鮮が豊富な時期とかさ

天売島の短い観光シーズンは、海鮮が豊富な時期とかさなります。

取材協力いただいた「島の宿 大一」では、コースの一皿にウニの刺身が出ていて感動!

アワビも1個まるごと、鍋の上で踊っていました。

この島には、このように海鮮を出してくれる民宿がいくつもあります。

海の宇宙館の隣では、「炉端海鮮 番屋」がオープン。

豪華な海鮮丼や焼き魚定食などが味わえます。

フェリーターミナルの近くにある食堂「海友丸」では、珍しいメジマグロの丼に出会えます。

まるで一輪のバラのように華やかで、満足度もとても高い一品でした。

他では見られない野鳥の姿に感動し、思いきり海鮮を味わう――天売島の限られた時期だけの特権ともいえるでしょう。

離島の旅、フェリーターミナル周辺の楽しみ方。

焼尻島・天売島へは「羽幌沿海フェリー」が運航しています。

搭載できる車の台数も限られており、焼尻島にはレンタカーもありませんので、車で行きたい方はぜひ早めに予約するのをオススメします。

羽幌港フェリーターミナルには「浜の母ちゃん食堂」がオープン、甘えび丼や海鮮丼、ウニ漁の時期にはウニ丼にも出会えます。

カメラマンが雑誌用に甘えび丼を撮影している間、私は節約で甘えびのかきあげそばをいただきました。美味しかった!

羽幌(はぼろ)は甘えびの特産地でもあるので、水産品販売所にも甘えびたっぷりの豪華な海鮮丼が。カメラマンに、ごほうびランチとして食べていただきました。

北海道各地を運転して回り、すてきな写真を撮っていただけるカメラマンには毎度感謝の気持ちです。

こうして焼尻島、天売島を取材した「北海道生活」夏号は、現地ならではのすばらしい写真も満載です。ぜひご覧ください!

(「北海道生活」編集長)

※この記事は「北海道生活」本誌2024年夏号より一部転載しています。

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