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介護福祉事業所の人事労務戦略室 ~次世代リーダーを育てる 連載第15回 「昭和の遺物『圧迫面接』をしていませんか」

こんにちは。ラボ事務局の杉田です。
今週もラボ代表及川による「介護新聞」連載企画(第15回)をお届けいたします。

第15回のテーマは「昭和の遺物『圧迫面接』をしていませんか」です。

これまでの記事で「掲載すべき求人サイト」や「求人作成のポイント」はお伝えしました。これらを実践することで「応募が来ない」という問題はいくらか改善されると思います。

今回の記事では「面接」での対応の仕方や考え方についてお伝えします。
「面接」という場に対しても、やはり自身の経験則から「面接」とはこういうものだ、という固定観念が根付いているケースが多いのですが、記事の冒頭でお伝えしている通り、そもそも面接の場自体が普通ではないということを念頭に置いておく必要があります。

売り手市場では優位な立場、つまり選べる立場にあるのは求職者側です。これまではたくさん来た応募者の中から企業側が良い人材を選べていたかもしれませんが、人手が来ない今そうも言っていられません。応募する側は当然自分の会社以外も選考に進んでいると考えるべきで、その中から自社が選ばれる会社にならないといけないわけです。

そういったマインドセットをした上で今回の記事を読んでいただくと、書いてある内容にご納得いただけると思います。面接する側がそこまでする必要があるのか、と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかしそこまでしないと、せっかく面接に来ても入社には至らず、振り出しに戻ってしまうのです。

介護福祉事業所の人事労務戦略室 ~次世代リーダーを育てる 連載第15回 「昭和の遺物『圧迫面接』をしていませんか」
 今回から面接がテーマです。面接は異常な空間です。日常生活では「全く知らない場所に1人で乗り込み、自分の経歴を見ず知らずの人にさらけ出し、自身を売り込む」機会はあまりないからです。

 だからこそ、事業所側は応募者の緊張を和らげ、少しでも普通の状態で面接をしてもらうための努力をすべきです。そうすることで応募者の素がわかり、事業所側とのギャップを埋めることができ、ミスマッチによる早期離職を防げます

 正社員の面接では、応募者がスーツを着用することが一般的です。そのため、面接官が作業着やユニフォームで対応するのは失礼であり、マナー的に望ましくありません。もし時間的にどうしても作業着で対応せざるを得ない場合は、「業務時間の関係でこのような服装で面接を行います。ご了承ください」と一言断りを入れましょう。

 日常的にスーツを着用しない事業所があるかもしれませんが、求職者側はさまざまな業界と天秤(てんびん)にかけて仕事を探しているため、一般的なマナーにしたがって、面接ではスーツ着用が基本です。

 もう1つ気を付けてほしいのは「応募者の本性をあばくためにちょっとプレッシャーをかけてみよう」といった「圧迫面接」です。今は人手不足の時代なので、そんな「昭和の遺物」を実践しようものなら人は来てくれませんし、会社に悪い評判がたちます。

 「トラブル対応力やストレス耐性がわからない」と考える人も多いでしょう。それを解決するために、ストレス耐性テスト等の利用をおすすめしています。Webを活用したさまざまなツールが販売されており、弊所でも利用しています。
 私はこのテスト結果を、その後の配置転換やスタッフ面談の際に活用しています。1回のテストで数百円から2000円程度です。これから数千万円の給料をお支払いする社員の採用に、2000円すらも節約したいと考えるなら、そのこと自体が問題です。

 面接は求職者と事業所側の出会いの場であり、雇用契約が成立する前の重要なプロセスです。従来の「圧迫面接」は求職者に不必要なプレッシャーを与え、精神的苦痛やトラウマを引き起こすことがあります。この種の面接は応募者が採用された後に、雇用環境の良否について偏見を持つ可能性が高くなります。

 令和の時代は、従来の圧迫面接から脱却し、応募者をファンにする「ファン化面接」が求められています。ファン化面接とは、面接を受けた応募者が、企業や事業所のファンになるような印象を与えることを目的とした面接です。

 現代ではSNSや口コミなど、情報発信の手段が多様化しています。特に、就職活動をする学生や転職活動をする社会人は、自分が応募する企業や事業所について、ネット上で検索し、情報を収集することが一般的になっています。

 面接は、企業や事業所の評判を広める最初のステップともいえます。面接に参加した応募者が、面接後に友達や家族に「今日の○○事業所の面接がさ~」と話したり、SNSに投稿したりすることで、その企業や事業所の評判が広がることになります。
 一方で、不愉快な面接経験をした応募者が、同じように情報を発信することで、その企業や事業所の評判が下がってしまうことも少なくありません。

 特に介護福祉業界は有資格者同士のつながりが強いため、悪評が広がると次の採用に影響を及ぼす可能性があります。
 ファン化面接は、応募者と会社とのコミュニケーションの場でもあります。正しい進行方法を確立し、面接をスムーズに進めることが大切です。また、応募者が面接後にファンになるためには、面接の流れやトーク内容、その後の対応なども重要です。

 「面接の練習なんてやったことない」という方が多いと思いますが、面接の練習をすることなく、進行方法も決めずに、なんとく面接をやっていたのでは、良い人に来てもらうことはできません。

介護新聞5/12付「介護福祉事業所の人事労務戦略室―次世代リーダーを育てる!!」
http://wwu.phoenix-c.or.jp/~medim/kaigo/2023/202305kaigo/kaigo20230512.html

今週もご訪問いただきありがとうございました!
また次回、第16回の記事でお会いしましょう!

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