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晩御飯の相談を受ける保健師の話

こんにちは、ペーパー保健師黒井です。
地域包括支援センターの保健師として勤務していたころ、今日の晩ご飯を相談されたことがあります。
その時の様子を思い出しながらお送りしていきます。

プルルルル…
黒井「こんにちは。よつば地域包括支援センター、黒井です。」
??「山本ですけれど、今大丈夫ですか」

おっと山本さんか…と思う黒井。
山本さんは電話相談の常連さん。
包括の担当は上司の宇藤さん。
でも、うつ病の診断もあって、誰かと話したいという要望が強い方。
なので、どの包括職員が出ても話を聞くことになっていた。
(山本さんも誰が出てもそれほど気にしないタイプだった)

黒井「大丈夫ですよ。今日はどうしました」
山本「晩御飯に野菜炒めを作ろうと思うのですが、何を入れたら良いですかね」

黒井「野菜炒め、ですか。好きな野菜入れれば良いんじゃないですかね。キャベツとか人参とか」
山本「キャベツとか人参とかですか…。もやしはどうですかね」
黒井「いいんじゃないですか。」
山本「どうやって切ればいいですかね」
黒井「山本さんが食べやすい大きさに切れば良いんじゃないですかね」
山本「わかりました。とりあえず今からスーパーに行ってこようと思います」

そう言って電話を切られる。
一体私は何の相談を受けていたのか…。

プルルルル…。
15分ほどしたところ、また包括の電話が鳴った。
黒井「こんにちは。よつば地域包括支援センター、黒井です」
山本「黒井さんですか。山本です。今スーパーに来ているんですが、キャベツが大きいのしかなくて。どうすればよいですかね」
黒井「好きな野菜買えば良いんじゃないですか」
山本「困ったな…黒井さんなら何を入れますか」
黒井「私、それほど料理得意ではないので。適当にある野菜を炒めますね」
山本「…。他に料理に詳しい人いませんか」

おっと、黒井の料理スキルでは不足とまさかのチェンジ要求。
しかし黒井も引き下がらない。

黒井「今周りに誰もいないですね~(いるけれど)。事務所に私一人です。すみませんね。山本さんは好きな野菜ないんですか」
山本「あ、カット野菜とかはどうですかね。野菜炒めにしても良いと思いますか」
黒井「(全然私の話は聞いてないな?)カット野菜、良いじゃないですか。楽だし。」
山本「そうですね。キャベツと人参とかが入っているんですがいいですかね」
黒井「いいと思いますよ」
山本「わかりました。」

ブチッ。お礼も言わず電話を切られる。もう用済みというわけか。

山本さんの傾向としては、自分の中にすでに答えがあって、それを肯定してほしいということが多い。
質問形式だが、アドバイスを求めているわけではないのだ。

何はともあれ、無事に終了。
たしかに相談と言えば相談だけど、こんな相談もありなのか…。
もっと料理頑張ろうかな…と地味にショックを受けていた黒井であった。

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