梅雨に
『この執着はなんだろう』
空から降り注ぐねっとりとした雨が、
全身に絡みつき、心を浸蝕していく。
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この執着が愛だと言うなら、
いろんなところの辻褄が合う。
この苦痛が愛だと言うなら、
人々の認識はすこし違うのだろう。
愛で幸せな家庭が築ける筈がない。
この絶望が愛だと言うなら、
パンドラの箱を開けて広がったのは
愛なのだろう。
たったひとりの人間を
執拗に意識し
執拗に追い回し、
我が身を消耗してゆく。
そんなものは愛じゃない、
只の執着だよ、と、
愛する誰かに言われたならば救われるのに、
どうやらそれも叶わぬらしい。
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参考:谷川俊太郎『春に』
写真は、ぱくたそ(www.pakutaso.com)様より
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