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会社設立と借入を、安易に考えないでね(仕事)


当初の投稿・プロフィールにも記載しているが、私は会社員として、経営支援の現場で実務経験を積むことができている。(いわゆる経営支援現場の支援員。支援といっても販路・融資・補助金等のサポートが中心だが)


今日の相談案件の中で、非常に面白い傾向が垣間見えた。ちなみに、今日の相談では政府系の金融機関の融資担当者も同席のもとで相談が進められた。


何のために「会社」を設立するのか

<社長の相談内容>
「個人事業主として3期目を迎え、売上も順調に伸ばしてきた。ある程度事業の天井が見えてきたので、新たに既存の個人事業とは別に会社を設立し、新しい収益軸を作りたい。その為の資金調達について、相談したい」



最近の相談トレンドは「補助金」一択で、何かと問い合わせが入るのは「何かいい補助金ないですか?」という電話。


今回の相談ケースはあまり見受けない例だが、「現状の事業はそこそこ順調」、「新しい収益軸を作りたい。そのための会社設立」、「お金が欲しい」というキーワードが気になる。

これが最近のトレンドなのか?


まず「そこそこ順調」というのだからと決算書を拝見すると、営業利益率は10%程度と「生活は大丈夫ですか」と指摘したくなる内容だった。課税事業者ではない労働集約型事業なのだが...お察しの通り「キャッシュ的には順調ではない」。



次に「新しい収益軸を作る・会社設立」というワードだが、設立に伴って発生する手続き・諸経費の存在を指摘してみると、案の定「知りませんでした」という回答。では、「なぜ会社を設立する必要があるのか」を問うてみると、「借入をしても、返済ができなくなった時に返さなくてもいいから」という返答だった。


間違ってはないが、融資内容にも左右される



しかも、周りもそうやって会社を設立して、できるだけ責任を負わないようにしながら借入をしていると言うのだから、一つのトレンドになっているのかもしれない。



同席していた金融機関の担当者と私は、顔を見合わせた。笑


まぁ、その辺の自称コンサルやYouTuberからの入れ知恵もあるだろうが、根本的に事業に対する意気込みや継続経営の前提を度外視している。


ということで、総じて現状の資金が枯渇しており、そのようなスタンスで新規事業を立ち上げる・会社を設立するということで、やや厳しめに指摘。(私ではなく、融資担当者から厳しい指摘の槍が飛ばされていた)


事業拡大の戦略や考え方は実に様々だが、法人設立・資金調達については計画的に進めて欲しい。

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