フリーター

とりあえず、アパートに近いレストランで働くことにした。

正社員と違って、アルバイトはあっさり決まった。


高校時代のバイト経験のおかげで、私は難なく仕事をこなした。

周りに頼りにされ、だんだんと自信がついてきた。

それでも、レストラン業は私のやりたい仕事だとは思えなかった。

私は、やりたいことを見つけるため、ありとあらゆるバイトに手を出した。

朝夜の掛け持ち、土日祝もバイト。

稼ぎだけで言えば、正社員と同じぐらいだった。


バイトはどこも楽しかったけれど、やりたい仕事は見つからなかった。

忙しくて、同棲している彼ともすれ違いが続いたけれど、

24時間他人と顔を合わせるより、時々の方が心地良かった。

彼も空いた時間にゲームをしたりしてくつろげるからか「就活なんて焦らなくてもいいよ」と言った。

2年ほどたって、もうこのままバイトでもいいかな、そのうち彼と結婚でもするかなと思った矢先、

バイト先から正社員登用の話が出た。

バイトかけもちも大変だし、待遇が良くなるならと、

私はすぐOKした。




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