七転やおき

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七転やおき

転んでも転んでも起き上がってきた人生経験が何かの役に立つのなら。 貧乏家庭、毒親、いじめ、学歴社会を乗り越え、現在は海外在住。 今までの紆余曲折を元に小説(ほぼノンフィクション)を書いています。 お気軽にフォローしてください。

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    「過去」の続き。ほぼノンフィクション小説。

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人生で起き上がる方法

転んじゃったら色々考えるよね。 だって誰も助けてくれなかったから、 だってうちは貧乏だから、 だって毒親だから、 だって良い学校に入れなかったから、 だって一流企業に就職できなかったから。 今だったら、だって国が助けてくれないから、かな。 理由は色々あるけど、起き上がる方法は2つだけ。 「情報を集める」と「考える」こと。 日本はね、機能してないかもしれないけど一応「民主主義の先進国」。 八方ふさがりに見えても、やってやれないことは、何もない。 助けを求め

    • コロナ休業から復職して忙しくなってきました。不定期投稿になりますが、時間を見つけて続けたいと思います。

      • 初海外

        仕事は辞めた。 ブラックで人の入れ替わりが激しかった職場は、 「君がいなくなると、困る」と一応引き留めてくれたが、 私の意志が固いと分かると、慣れた手つきで退職手続きを進めた。 アパートは解約した。 荷物は二束三文で古道具屋に引き取ってもらった。 残ったのは、貴重品と着替え、スリーピングバッグのみ詰めた小さなリュックサック。 ワーキングホリデー雑誌で見たように、 安い宿に泊まって、バスで広い海外を旅してみたかった。 国際空港行のバスに乗ると、 運転手が、私

        • ワーキングホリデー

          それまで、名前も聞いたことがなかった。 ワーキングホリデーって、何だろう。 雑誌を読み進めると、 「仕事をしながら海外生活」とあった。 仕事は、好きだった。 自分の努力や成果が、お金という形ですぐに目に見えるから、好きだった。 「勉強」も好きだったけれど、進学できない貧乏な私にとってそれは、ただ好奇心を満たすだけの自己満足にすぎなかった。 「仕事」のワーホリは、「勉強」の留学より自分に合っていると思った。 さらに詳しく調べてみると、お金はいらないといっても、少

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          海外

          「留学かあ・・・」 先輩を空港で見送った後、私はぼんやり考えていた。 そういえば、中学の時の先生も、留学していたっけ。 国際空港もない田舎育ちの私には、留学は珍しく、その話を聞いたのも人生でたったの二度だけだった。 ところが、友達に先輩が留学したことを話していると、意外にも留学経験者はたくさんいた。 「私もしてたよ。いいよね、留学。楽しかったあ。」 「俺も学生の頃」 「また行きたいけど、休みもないし、社会人になると無理だよね」 国際空港があって、外国人もたくさ

          ひとり暮らし

          私は1人暮らしを始めた。 正社員で成人している私のアパートは、あっさり見つかった。 上京した頃と違って、私には友達もたくさんいた。 数々のバイト先で知り合った友達だ。 もう寂しくて泣くことは無かったし、今日は誰と遊びに行こうと迷うほどだった。 もう同棲している彼を気遣う必要もない。 自由で気ままな1人暮らしになるはずだった。 でもなんだか私は、気が抜けてしまった。 仕事も上の空で、ミスを連発するようになった。 そんな時、1人の先輩が仕事を辞めると言った。

          ひとり暮らし

          破局

          その頃、彼と平日はほとんど顔を合わすことはなくなっていた。 休日も私は疲れて寝るだけ。すれ違いは続いた。 「そんなブラックな会社、辞めろよ」 「辞めてどうなるの?あなたには分からないよ。高卒で再就職って大変なんだよ!」 顔を合わせる度に、喧嘩になった。 それでも、同棲生活も3年を過ぎ、あうんの呼吸で通じる相手との生活はやめられなかった。 お互いに一緒にいる意味はあるのだろうかと考えていた時、事件は起こった。 いつも毎月ぴったり来ていた、私の生理が来なくなった。

          ブラック企業

          勝手知ったるバイト先の仕事なら、正社員も何も変わらないと思った。 ただ、待遇だけが良くなるのだと思った。 けれども、社会はそう甘くはなかった。 福利厚生や給料は確かに良くなったけれども、 そのぶんの「責任」は重くのしかかった。 「ノルマをこなせない奴は、給料泥棒だ!」 「契約が取れるまで帰るな!残業代?出るわけないだろ!」 私は毎日朝から終電間際まで働いた。 繁忙期は、休日もなかった。 世の中には就業規制というものがあり、こういったことは違法なのだけれど、

          ブラック企業

          成人

          フリーター生活の途中、私は20歳になった。 田舎の友人達が、成人式にみんなで集まるから帰っておいでよと言った。 私も友達に会いたかった。 でも、田舎に帰るとなれば実家に連絡しないわけにはいかない。 いくら友達が事情を知って、うちに来てもいいよと言ってくれても、 そこまで甘える気にはなれず、それを知ったら親は恥をかかされたと激怒するだろうと思った。 噂がすぐ広まる狭い田舎町で、親はいつも問題などない完璧な家族を装っていた。 私は久しぶりに実家に電話をかけた。 リ

          フリーター

          とりあえず、アパートに近いレストランで働くことにした。 正社員と違って、アルバイトはあっさり決まった。 高校時代のバイト経験のおかげで、私は難なく仕事をこなした。 周りに頼りにされ、だんだんと自信がついてきた。 それでも、レストラン業は私のやりたい仕事だとは思えなかった。 私は、やりたいことを見つけるため、ありとあらゆるバイトに手を出した。 朝夜の掛け持ち、土日祝もバイト。 稼ぎだけで言えば、正社員と同じぐらいだった。 バイトはどこも楽しかったけれど、やりたい

          フリーター

          アルバイト

          就活を続けるうちに、気づいたことがあった。 私には「売り」が何もなかった。 学歴も職歴もなければ、そこをカバーする「熱意」も「やる気」なく、 面接で志望動機を聞かれても、 マニュアル通りの受け答えか、しどろもどろになるだけだった。 中途入社の難しさは、継続する力があるかどうか。 採用は、企業にとっても人材を育てる手間とお金がかかる。 できれば、長く勤めてもらいたいと思うものだ。 一度退職すれば、どうせまたすぐ辞めるんじゃないかと思われる。 特に一年足らずで「

          アルバイト

          本当の友達

          友達は、心配して電話をくれた。 リストラのことは恥ずかしくて誰にも言わなかったけれど、 高校からのコネ入社のようなものだったから、田舎町に噂はすぐに広まったらしい。 友達は、泣きながら怒った。 「こんな時に連絡もくれないなんて、冷たいにもほどがあるよ!」 「お金は大丈夫?実家が嫌なら、うちに来たっていいんだよ」 「大変だったね。リストラなんて、ひどい会社!」 連絡をくれたのは、1人じゃなかった。 高校の友人達、ほとんどが電話や手紙をくれた。 東京まで来てくれ

          本当の友達

          就活

          彼は持ち前の明るさと人脈で、あっさりと再就職先を見つけてきた。 事情を聞いた取引先からオファーがあったのだそうだ。 私は取引先となんて、会ったことも話したこともなかった。 飲み会が大好きな彼は、先輩や取引先と時々飲んでいたからと言った。 私は何から手をつけていいか分からず、何をやりたいかも分からなかった。 リストラされた会社は、特に好きな仕事でもなかった。 実家を出られる寮がついていたから、選んだだけだった。 とりあえずハローワークに行ってみた。 何を見てもピ

          彼の実家

          彼の実家は、街中の大きな家だった。 玄関を開けると、制服を着た女の子が「お兄ちゃん、お帰り!」と出迎えた。 「あ、これ妹。高校生。」 彼は私を簡単に紹介すると、妹は少し冷たい目でこちらを見てから、 「ふーん。どうも。それより、お土産なあに?お兄ちゃん!」 と、彼の腕を組んで居間へと連れて行った。 畳が敷かれた広い居間には、祖母がいた。 祖母はかなり高齢で、あまりしゃべることはなったけれど、私を見てニコリと微笑んでくれた。 笑いが絶えない、とても明るい一家だった

          彼の両親

          彼の実家は、私の実家とは反対方向にあった。 同じ田舎でも、家の造りや雰囲気も、どことなく違っていた。 私は緊張していた。 息子をたぶらかしたと、怒られやしないだろうか。 何か粗相をしたりしないだろうか。 彼は言った。 「俺達、長くつきあってることにしような!両親は何でも気にしない方だけど、さすがにすぐ同棲はやばいから」 空港に迎えに来てくれたご両親は、私の想像とは正反対だった。 「そんなに緊張しなくていいのよ。遠い所、ごめんね」 綺麗に着飾った母親は、私に優

          同棲

          初めての彼氏は、少し父に似ていた。 パチンコが好きで、お酒とタバコが好きで、実家がお金持ちだった。 父と違う所は、明るくて友達がたくさんいて、家事も時々してくれる所だった。 私は彼が好きだったけれど、それが恋愛感情なのかどうかは分からなかった。 無職で未成年の恋人同士は、一緒にアパートを探した。 ところが、どこへ行っても断られてしまった。 「同棲?うちは面倒はごめんだね」 ・・・一人で住むお金なんてないのに。 「未成年?保証人がないとちょっと」 ・・・そんな