見出し画像

私が好きなクックパッドを辞めた話

昨日三年在籍していたクックパッドを辞めました。
言語化しておきたかったので、退職エントリをかきます。めちゃ長文になってしまったぽい。

なぜ辞めたのか

1月の終わりにみなとみらいへ会社が移転することにきまりました。家から1.5時間以上ドアtoドアでかかるようになり、子供が小さい私には育児時間とのトレードオフになることが厳しかった。結論から言うと、つまり勤務地の問題だけです。

ちなみに、私は基本的に会社のこの意思決定を否定していませんまったく。

クックパッドは組織もいつもいつも目まぐるしく変わるし、方針も変わります。お家騒動もあったし、いろんなことがいつも何かしらある会社です。笑
私は、時代の変化に無我夢中で変化して対応してきてるが故のことだと感じています。変われないものは死ぬだけです。その理論からして、変わりまくっているのは私にとってはある意味安心なことでした。

今回、恵比寿ガーデンプレイスから、みなとみらいになったと聞いた時は、私は最初笑いました。中には怒った人もいただろうし、むしろ近くなってラッキーと思った人もいるでしょう。
「面白い選択するな🤣」と笑いました。
それから半年経って実際に出社してみたら、そのオフィスはなかなかのなかなかで良い感じだったので、そこもまた納得しました。めちゃくちゃ海がバーンと見える!でもりさこいわく、ほとんど曇っていてよく海が見えないそうです。あかんやん。

入社する時に、リファラルで誘ってくれた友人から、
「エンジョイカオス」してねと言われました。
なんのことやねんと思っていたけれど、ほんとに目まぐるしく変化していくので、カオスを楽しんでということだったのですが、私はそんなところもとても気に入っていました。

そういう会社の選んだのが今回の勤務地変更だったので笑ったのです。またやったな、みたいな感じで笑

気に入ってたこと

恵比寿のオフィスには、大きなキッチンがあって、私はその場所が入社前からよく出入りしていたし、とても好きでした。外部の方を呼んだイベントなどはキッチンの傍らで行われました。それがとても良かった。キッチンとともにある会社だというわかりやすいブランディングでした。

会社に求めるものは人それぞれ違うでしょうが、私は働く際に友達のような同僚を求めていました。
入社してから、多くの人と仲良くなる機会を得ましたが中でも、このキッチンを通した友情やゆるい繋がりは他には見つけられないほどの絆を醸成してくれていたように感じます。朝、コーヒーを淹れることから始めていたのですが、ここで必ず会うなっちゃんという同僚がいました。一度も結局共に働いたことはなかったのですが、ここで仲良くなりました。
他にもカレーを作る達人の馬場さんという方がいました。見たことないレベルのスパイスを並べて楽しそうにカレーを作っては同僚に振る舞っていて、この方ともキッチンで仲良くなりました。もちろん仕事は共にしたことはありません笑 時折廊下で立ち話をしたりキッチンですれ違っては、今日も素敵な服を着てるねと語り合いました。

昼になる少し前から、キッチンには食材が並んでいたので(コロナ以前の話になります)ここではランチを食べに行かずに新卒の同期で入社してる人達のグループだったり、いろんなグループが自然にたくさんご飯を作っていました。私はこの光景も見るのがとても好きでした。自分がバックヤードに置かれていたジュースを取りに来るだけでも、この景色がいつも広がっていて、仕事と家庭での育児でてんてこ舞いな日々もここでかなり癒されていたと感じています。

自分自身も入社して少し経ったころに、グラタン部なるものをつくり、毎週火曜日グラタンをワイワイ作っていました。新卒で入社した会社の同期と遊びまくっていた時と同じくらい楽しかったことを覚えています。

自分が仕事が忙しすぎてご飯が作れない時には、お昼すぎにキッチンにいくと誰かしらが作ってくれたご飯が置いてあって、自由に食べて良かったのもとても良くて、自分が多く作りすぎたグラタンもそのように、誰かの役に立ってご飯が世の中を回っていました。

今日辞める際に今年入社してくれた新人の男の子が、僕が入社したのは、あのグラタン部に参加できたことも理由の一つにありますと言ってくれました。
あるいは入社したての中途入社の凄腕デザイナーの方も、グラタン作りで親交を深めた結果、この会社に転職してきて良かったとグラタンに載せるハンバーグを焼きながらおっしゃってました。ハンバーグを載せた時は恐ろしく高カロリーでみんなで爆笑しました。

このように会社におけるキッチンの存在は、計り知れないほど私にとって素敵な関係性とそれに伴う会社に対する居心地の良さを作ってくれていました。
ワンダーサンキュー、キッチン。
実はみなとみらいのオフィスにはキッチンがありません。それが残念に思えてなりません。たとえワクチンを打ったとしても衛生的に考えて今後も難しかったのかもしれませんね。かえすがえすも残念に思います。

少しだけ余談ですが、かつて在籍していた任天堂では私がいたころ社員旅行が実はまだあり、新人の私たちには子供もいなかったので必ず出席できるのもあり、最高の体験をさせてもらいました。しかしこの人事部がやたら大変すぎるイベントも、やはり時代にもそぐわなくなっていき、そして社員数が2000人を大きく超えるような頃なくなってしまいました。時代によって移り変わってしまった自分の中の良い思い出部門としては、この社員旅行とクックパッドのキッチンはどちらも甲乙つけがたく一位になります。
なんの話やねんてゆうね。🥺

仕事について

むしろそれがメインだろというのが仕事ですが、私の新卒時の肩書きは3Dアーティスト。Mayaで3Dモデルなんかを作って、ゲーム内に出るキャラクターや背景やアイテムなんかを作っていたのが1番メインの仕事でした。(他にも山ほどありますが)次いでUIデザインの仕事がありました。その頃はゲームしか作ったことがなく、スマホもない時代で3DSのゲームとかを作っていました。リズム天国など。

それが大きくIT系に業界を変えて、たまにしかできてなかったUIデザインだけを武器に、Yahooに転職して、そこからなんですよねアプリとかCVRみたいな言葉に触れて、会社にチームにジョインしますみたいなことを口から言うようになりました。最初の頃はKPIだのLTVだのマジで何言ってるかわかんないから日本語言ってくれよ状態で、会議の時に何もわからないので素知らぬ顔でいつも文言を検索していました。ありがとうインターネット。ABテストという概念も、PDCAもその頃学びました。任天堂のときはそもそも全てが秘匿情報で、小出しで少しやってみて改善するなんてそんなことできませんでした。やれても同じグループの中だけでしたので、ユーザー数から鑑みるとPDCAとよべるようなものではなく、なんというか磨き込みでした。

そしてIT企業も3社も働くと、IT用語がしっかりと自分の身につき、何を言っているかわかるどころか、その数値を分析して、それに伴う施策を考えたりデザインに落とし込んだりができるようになってきていました。たとえば、プレゼントボックスという施策があるのですが、継続して有料会員の獲得に効果的でいまも施策としてバリバリ使われています。
自分自身のかなり大きな成長です。

また、かつては運用のフェーズというものにどうしても魅力を感じられておらず、0から作り上げてリリースしたものに関しては急速に興味を失っていた時代もありました。特にゲームはそう。
しかし昨今では、運用こそ真骨頂であり、ものすごいユーザー数のサービスを運営して、有料会員を減らさないように色々な施策をあの手この手で考えて、そしてそれをデザインでまとめ、出してみては数値の変化を見て引っ込めたり調整したり、これが楽しくて仕方ありませんでした。

そして、人に教えるということ。
実はIT系のキャリアはそんなに長くないということもあり(長そうな顔してるし、なんでも知ってそうな顔もしている)自分の成長ばかりを焦っていたというのが大きいのですが、プレイヤーしかしたくないと良く上司に駄々をこねていました。でも謎に師匠というポジションを与えられて、弟子に教えていくにつれ、私は逆によく学ぶようになりました。以前から死ぬほど本は読んでいましたが、さらにこの頃加速度的に本を読みまくるようになりました。インプットすることの大切さに改めて気づき、そしてここでも自分の成長を感じました。

また、今までは個人的に新規事業の企画を考えて社長に見せたりを繰り返してきていましたが、クックパッドに入社して初めて、新規事業の実際の立ち上げに関わることにもなりました。おりょうりえほんというサービスです。私自身がプロジェクトオーナーではなく、凄腕のパワーママが最初1人で切り盛りしていて、ほぼ2人目の加入でした。足りなさそうなものは全部自分で考えて作りまくり、空気を読んで仕事をするという術をえました笑。youtubeの公式アカウントを作ったり、そのカバーデザインをあわててつくったり、lp作ったり。三日でロゴ作ってと言われたり(そんなすぐできんがな)、子供さんをたくさん招待してイベントをしたり、絵本まで描いたりやりたい放題伸び伸びとやらせていただきました。自分がそのチームから離れる時には私がいなくても色々作り続けられるように、沢山のイラストを描き残しておいてそれが今も使われているのを見ると少し微笑んでしまいます。

他にも学んだことがあります。
仕事にも優先順位を自分でつけて、やるべきことと、自分でやらずに人に頼むことをきちんと区別することです。クックパッドで一瞬おりょうりえほんとクックパッド本体を掛け持ちにしていた時があり、その時は業務が溢れてしまい、息子をお迎えに行った後ずっとまた働いていました。そして息子が抱っこと言ってきた時に今は仕事してるからダメと言い放った時に我にかえり、こんなのあかんとおもって優先順位をつけて仕事量を自分でコントロールするようになりました。
できないものはできない。
いのちだいじ。
こどもだいじ。
かなり大きな学びでした。

DeNAの南場さんがいつもおっしゃってましたが、人は仕事でしか成長しない、ほんとそう思います。

次は何するのよ

次はもちろん決まっています。
私はギャンブルとかできない性格なので、堅めに生きております。収入と気楽さだけを求めればフリーランスも考えたのですが、隙あらばまた家を購入したい気持ちがあるので銀行の与信につよい大企業を好みがちです。ちなみに家は3度購入してきております。家を選ぶのが好きです。

実はみなさんそんなイメージはないかと思いますが、クックパッドは恐ろしいくらい優秀な人が勢揃いしています。信じられないくらいです。
エンジニアさんにしても、え、あの人Androidだけの人じゃないの?って思ってたらiOSやってたりバックエンドやってたりなんかもう、凄すぎてよくわかりません。デザイナーも倉光さんが納得して採用してくる人材は抜かりなく、そしてわかりやすく軒並み優秀です。産休中の他社のバイトの時にも比較してしまいそれを感じました。
つまり何が言いたいかというと、似たような他の会社に行くと、きっとガッカリすると思いました。ガッカリするのは良くないです。後悔するから。
なので簡単に比較できないところに行きたかった。

ベンチャーやらMaasの会社やらクライアントワークの会社やら今回は選択肢にありましたが、1番とおく、そして私に足りないものを埋められるのも選ぶ上で重要な要素でした。Maasであれば実際のプロダクトに触れられるというのが大きなポイント。また悩んでいたクライアントワークの会社は英語が学べそうでした。というか必須?
色々なことができそうということと、やはり何度も挫折した経験のある英語に今回はチャレンジすることに決めて、Designshipに大きなブースを出していたでお馴染みのフィヨルド東京に行くことにしました。コンサルです。業界ちがいます。外資系も初めてです。
ちなみに直接たまたま声をかけてもらったのでエージェントとでもwantedlyとかでもありません。縁ですね。

ま、まずはやってみよう。
とにかくやってみよう。が信条なのでやっていこうと思います。ちなみに昨日最終出社してクックパッドのプレミアムサービスの会員になってよーっていうバリバリのLPなんかをまだ作っていましたが、今日入社です。今日ジョインします。

さあ次は何年続くかな。
また今日からやっていく😁


倉光パイセンからの圧力によってこちらはっておきます。😁😁URLを間違えておこられました。

クックパッドでは一緒に働いてくれるグレートな仲間を募集しています。

https://cookpad.design/




この記事が参加している募集

退職エントリ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?