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父はADHD?14 お父さんは花咲かじいさん!

2022年に亡くなった父の認知症やADHDについて書いてきましたが、春の思い出をひとつ。

以前も書きましたが、母が亡くなってから、父の大口の預金はわたしがすべて管理していました。父は通帳や書類の管理がまったくできなかったからです。父もわたしに預けることに異論はなく、時々「おい!〇円送ってくれよ!」と連絡がきました。
認知症でADHDの父のお金の管理は下記で記事にしました。

父は認知症がわかるまで細々と自営業を続けていたので、それなりに収入がありました。使い道を詳しく聞くと通帳を預けるのをイヤがるかもしれないと思って、あまり聞いたことはありません。ある時、最近妙に「金送れ!」の回数が多いなぁと思って気になりました。直後の帰省で、その訳がわかりました。

父は、家の前の川沿いに桜の苗を植えていました。いつものように思いついたら即行動だったらしい。とは言っても、父のことです。ちゃんと植えられるわけもありません。結局、植木屋のお兄さんや近所の方が手伝ってくれて、無事植えたようです。近所の方の話によると「お父さんはな、えらい高うて、ええ苗木をいっぱい買うたんや!騙されたんとちゃうか?」とのこと。

そうかそうでしたか。
桜は川沿いの堤防に植えてありましたが、さてその土地は誰のものなのかしら?勝手に植えても良かったのかな?都市に住むわたしは、そんなことが気になりますが、父も近所の人も、それはまったく気にしていないようでした。さすが限界集落です。誰もそんなこと、気にしちゃいません。

そして、桜は年々立派に育ち、堤防沿いの桜並木は村の春の風物詩となりました。さすが高い苗だっただけのことはありますね。物語のような本当の話です。

お葬式の時は「お父さんはいろいろやっとったけど、あの桜が村に残してくれた一番の宝物やなぁ」と言われるまでになりました。いろいろって?

春になると村のみなさんが父を思い出してくれてうれしいです。
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