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どうする?負動産の実家15 お金のこと

物忘れが進んだ父のお金の管理
もの忘れが進んだ親の金融資産を管理させてもらうのは、
難しいとよく聞きます。
ある意味、我が家はシンプルでした。

母が2002年になくなり、
田舎の実家で、父の一人暮らしがはじまりました。

母が生きていた間は、貯金のこと、保険のこと、確定申告のこと、
支払いのことなどすべて母が管理していて、
父は現金だけ持っていました。

母がなくなった時、
すべてを明らかにし、姉妹の誰かが全部、
母のように管理することにしました。
誰かが管理しないと、どこに何があるかまったくわからなくなってしまう。
父はいわゆる「片付けられない人」でした。

大事な書類も、そうではないゴミも、全部ごちゃごちゃ。
その上、よく何かを思いつき、よく考えずに買うので、
モノは増える一方。
自分の仕事場がいっぱいになったら、食卓に移り、そこもいっぱいになったら寝室に移り、どこもかしこもぐしゃぐしゃにしてしまうのです。

これは、物忘れをするようになる前から。
大げさでなく生まれてから一度も、
片付けられた試しがないという人なのです。

なぜわたしがお金を管理することに?
そんな父のことは、皆わかっていたので、
誰かがやらない限り、とんでもないことになると思っていたのです。
父、本人もそれは自覚していました。
2002年春、結局わたしが、
定期預金、保険証書、実家の登記簿、ゴルフ会員権証書
などを一切預かり、
父には、普通預金のキャッシュカードだけ持ってもらうことになりました。

大口のお金は、
父から電話で「〇〇買うから、定期預金解約したい」と言われると、
わたしが立替えて普通預金口座に送金し、
帰省した時に、父と一緒に銀行に行き、銀行窓口で定期預金の解約をする、
という具合でした。

(今なら、父にネット口座を開いてもらい、
わたしが管理してネット送金ができたのかもしれませんが)

わたしが、母と同じ働きをすることで、
父には、状況に変化がないように見えたのでしょう。

父が仕事をしているうちは、お金の使い方には口をはさまず、
結構ざっくり管理していましたが、
それでも人のお金を預るのは、ものすごく気を使う。

父の入出金の管理、わたしの立替え分など、
ときどき自分でも混乱してしまうので、帳簿を作り、
毎年、年度末に締め日を設けて、姉妹が立替えた分の清算も含め、
エクセルを作って報告するようにしました。

エクセルを作って締め日に報告する、
みたいなことをやりたがるのは、姉妹でわたしだけ。
皆が信頼して任せてくれたことは、
とてもありがたいことだったと、のちのち思いました。

父の物忘れが進んだ2014年までは、通帳残高の報告だけでした。
2014年以降は、毎月、誰かが実家に帰り、
各自の立替分も増えたので、細かく経費報告してもらい、
わたしが取りまとめて、年度末にエクセルで報告しました。

親の介護は親のお金で
報告は、「8/14除草剤2800円、墓お花代1500円、
交通費32000円、食事買物2800円」
という具合。
端数切り捨て、領収書不要です。

当たり前のことですが、姉妹で帰省の回数にばらつきがあるので、
不平等がないように、交通費を含めた経費は、
すべて父の貯金から支払いました。
少しでも平等に、少しでも明確に、
少しでも後悔がないように。

年度末の経費精算の手間など、
実は大したことはないのだと、自分に言い聞かせていました。

父の金融資産の内訳と変化を姉妹で共有
毎年エクセルで報告することで、
現在、父の資産はどれだけで、年間このぐらい使い、
今後どのように減っていくのか、目安を姉妹で共有できました。
これは、実家じまいをする上で、非常に助かりました。

追記:
父は、クレジットカードは、失くすと困るので、
基本持っていません。

クレジット機能がついたカードを、
本人が自覚がないまま持ってしまうことがあって、
何度か、わたしが解約しました。
クレジット機能のあるなしをよく確認せずに、
お得だとすすめられてもたされてしまう。
高齢者にありがちな落とし穴だと思います。





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