真夏の夜の花火の撮影に失敗した話
唐突に思いたって起こす行動って、まぁうまくいかないことが多いですよね。
自宅のベランダから、打ち上げ花火が遠くに小さく見えることがあります。子供が一度は近くで見てみたいと言うので、無計画に出かけてきた話です。
人混みが苦手なマイファミリーは「花火大会」と縁遠く、10年以上前に幕張の花火大会に行ったきり、撮影の機会もありませんでした。
しかしここ数年、例の流行り風邪の副作用でプライベートな空間を重視した宿泊施設やイベントが増えてきました。で、もしやと思って調べてみたら、そういうのあるんですね。
北欧雑貨と花火と湖と『ムーミン』が渋滞してるけど
ウッドデッキの観覧席が予約できて、食事を楽しみながらゆったりと花火が観覧できるという素敵なイベントを発見。
イマイチ天候が不安定なせいか、土曜日の昼に調べてもテラス観覧席に空席があるということで、即決。ウダウダしていた家族たちに号令をかけて、出かけることに。
子供たちは純粋に花火を楽しみに、カミさんは北欧雑貨なんかを楽しみに、自分は真夏の夜を彩る素材的な花火を撮影しようと、それぞれの目的をもって車に乗り込みます。道中で『ムーミン』とは何か、どんなキャラクターがいてどんな物語なのか、うろ覚えの知識をつなぎ合わせて解説しつつ・・・
しかし、花火の撮影ってフィルムカメラの時代にやった記憶があるけど、それ以来かもしれない。三脚と広角レンズは忘れずに積み込んだけど。
例の三脚(ギア雲台は置いていく)。
例の広角レンズ。
ケーブルレリーズは忘れずに
ということは忘れたわけです。
花火の撮影方法をまとめておくと、こんな感じ。現地について、腹ごしらえをしてからスマホで調べました。
(参考:今年こそ上手に撮りたい人のための「花火撮影講座」)
三脚に固定
WBはRAW現像前提ならいったん「晴天」
モードはマニュアル
ISO200程度で、F16~22(距離次第で感度と絞りで調整、場合によってはNDフィルターも使う)
シャッタースピードは「バルブ」
そう。ケーブルレリーズが必要なんですよね。そうでした。
花火が上がったと思ったら、バルブを開けて、花火が開いて落ちていく軌跡を焼き付けてから閉じる。
というのが基本ですよね。
さて、どうしたものか。
暗くなり始めた会場で、周囲のワクワク感の高まりと比例して、不安感が増していきます。
15分の間の試行錯誤
レリーズが無い場合の基本的な対策としては、セルフタイマーです。
自分のカメラでは最短でセルフタイマーが2秒(揺れが収まるまでにそれぐらいは必要だろうし)。まずはシャッタースピードも2秒からチャレンジ。
せっかく、いい場所取りができてほかの観客に迷惑を掛けずに三脚を立てることができたのに、これでは打ち上げの軌跡が映らない。
とりあえず、次はシャッタースピード3秒。
セルフタイマーによる2秒のラグは思った以上に大きい。植栽が映ってしまうのは後処理でよいとして長秒露光にして、シャッターブレに細心の注意を払って、そうっと指で押すことに。(ISO200、SS8秒、F18)
シャッターを押した後だけでなく、花火が開いた後も音と振動(ウッドデッキ自体が不安定だったかも)で、揺らめいてますな。
実は忘れたのはケーブルレリーズだけでなく、L型プレートも忘れたので縦位置で構えると雲台の片側に重心が傾いてます。
この揺れは・・・手振れ補正のある標準ズームに替えればで吸収できるかな?とか考えているうちに、15分の演目はフィナーレを迎えてしまいました。
三脚もウッドデッキの上じゃなくアスファルトの路面に設置するべきでした。しかし、L型プレートはともかく、ケーブルレリーズをわすれたのは悔やまれる。↓これが家の機材庫の中であざ笑ってることでしょう。
そういえば、なぜが2セット持ってるGodoxのFC-16nでもリモートシャッターできたはず。(これもニコン用)
手振れ補正と三脚固定問題
最後に引ききれなかった玉はさておき、結局27mmで撮影していたので、手振れ補正のある標準ズームでも撮影出来たポジションだったわけです。
でも、三脚使用時は「手振れ補正オフ」だと思っていたので、手振れ補正の無いレンズを使ったのですが、それも誤解があったよう。
「三脚で固定しているのに、手振れ補正のセンサーがブレを検知すると誤作動してしまって逆にブレる」と思っていたのですが、メーカー・レンズによってその発生率はそれほど高いわけでもなく、いずれにせよカメラに振動が来るような場面ではONのほうが効果を発揮できるらしい。
バルブ撮影のような長秒露光の時は、結局両方試してみるしかないでしょうけど。
ま、ちょっと素材には使えそうもないですね。
数々の反省とともに、やっつけな感じの合成写真をおいておきます。
と、ここまで書いたところでふと「今どき、ケーブルレリーズなん?」という素朴な疑問が・・・
一眼レフに漂う時代遅れ感はあるにせよ、Bluetoothとかの技術も普及し始めてから20年は経ってるし。(調べたら、開発されたのは1999年にVer.1.0)
ということで、普通にNikonからこんなアプリが出てましたね。
いろんな機能がてんこ盛りだから、リモート撮影に使えるという認識がありませんでした。カメラ側で設定してからリモートシャッターとして使うだけならバルブ撮影もできましたね。
ところで、花火とムーミンの関係はどうにも見出すことができず、BGMも最近の洋楽ダンスナンバーで、冷静に考えるとなんだかチグハグさが否めない花火大会でした。
撮影は残念だったけど、家族は楽しんでたからよしとしますか。
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