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5,6月の料理教室まとめ

上田市の料理教室、Hogar Kaorita(オガールカオリタ)です。

今回は5,6月の料理教室の様子をご紹介します。


5月


5月のテーマ

自分で主宰するはじめての教室なので、自分のルーツやスタイル、そういったものをシンプルに、そしてカラフルに出したいと思った。
精進料理、発酵食品をはじめ、自然との繋がりも感じられる食卓にしたい。
5月らしく、新茶や筍、新じゃが、わさび菜など旬のものを取り入れ、彩り豊かな構成にしたいと試行錯誤した。

5月といえば春も真ん中に差し掛かり、時々夏を思わせる日もある。なのでラタンのランチョンマットと、アジアンテイストのコースターとガラスの湯呑を使って少しだけ涼しげにしてみた。


新茶ごはん


風薫る5月は新茶の時期。緑茶で炊いたご飯に炒った茶葉を加えて混ぜ込んだ、香り高いごはん。

なめろうメンチ

よく教室に来て下さる方から「お魚のレパートリーを増やしたい」というリクエストをいただいた。私自身はお魚は好きなのだが生まれ育ったのは魚とは縁遠い長野県であり、なにせ魚料理のレパートリーが少ない。東京で一人暮らしを始めてから近所に新鮮な魚を売るお店があり、そこで魚を購入して少しずつ魚料理を覚えていった。
今回インスピレーションの源となったのは、4月に釣り好きの友人から送られてきたイサキだった。「送るね!」というLINEの事後報告に驚く間もなく、あっという間に到着したピチピチの5匹のイサキたち。とりあえず3枚におろして、お刺身やら塩焼きやらフライやらにしてみたのだが、最後ふと骨の周りに残った身が目に留まった。もったいないなあ・・・と削ぎ落しているうちにひらめいたのがこの”なめろうメンチ”だった。
作り方はいたって簡単。なめろうを作って、衣をつけて揚げるだけ。
教室ではスーパーの鯛のお刺身を使ったが、3枚におろす手間もないのでこちらのほうが手軽に美味しくできてとても良い。

胡麻豆腐

この写真は白胡麻豆腐。教室で作ったのは黒胡麻豆腐

今回いの一番にメニューに取り入れようと決めたのが胡麻豆腐だ。胡麻豆腐は私がはじめて精進料理の教室を訪れた時に作った思い出の品である。私の師はこれを「ウェルカム胡麻豆腐」と言って、初めての方が来るときにはその日のメニューになくても作っていた。私もそれに倣い、遠いところから来てくださる方々に「来てくださってありがとうございます」の感謝の気持ちを込めてメニューに取り入れた。

わさび菜と晩柑のサラダ(塩麹ドレッシング仕立て)

わさび菜は春に出回るほろ苦辛い菜っ葉である。私はこのほろ苦辛さとさっぱりと甘酸っぱい河内晩柑の組み合わせが大好きだ。今回はここに新玉ねぎのスライスとナッツを加えた。塩麹を使うと普通の塩を使うよりも旨味が強くなり、ドレッシングに不思議な奥行きを出してくれる。

新じゃがとりんごのビシソワーズ

どこかに意外性を加えたいと思う。
こんなの食べたことない・見たことない・・そんな新鮮な驚きは考える方も作る方も食べる方も3重に楽しいものだと思う。
台所の片隅に転がっていたりんごの残りが目に留まった。
これと新じゃがを合わせてみたらどうだろうというのが出発点だった。
デザートとしてのりんごではなく、食事中にいただくりんごである。
甘さよりもそのフルーティーさを際立たせたい。
りんごの風味が残りつつも、ほかのメニューの邪魔をしないように心掛けた。

筍とパプリカのバルサミコソテー

撮影時、筍がたまたま手に入らず代役にヤングコーンに入ってもらった

春の味覚の代表格といえば「筍」である。
煮物やバター焼きなどはすでに皆さん召し上がっていると思ったので、ここは変化球でバルサミコ酢を使ってイタリアンに傾けてみた。
甘酸っぱく、なおかつ醤油も入れてご飯にもおつまみにも合う味に仕上げた。

5月の花


ビオラ、マツムシソウ、ラベンダーなど

music:

Thelonious Monk
「Solo Monk」
「Thelonious Alone In San Francisco」
「Straight, No Chaser」




6月

6月のテーマ


今年は空梅雨で、空から降りそそいできたのは雨ではなく猛烈な日差しだった。どちらにせよ、猛暑も梅雨も体には酷である。
もともと梅雨の6月は消化にやさしいベジタリアンメニューにしようと決めていた。野菜だけだと味気ない・物足りないというイメージもあるが、調理法や味付けにバリエーションを持たせることで、満足感のある構成を心がけている。
今回は精進料理にした。
精進料理はベジタリアン(ヴィーガン)の中のひとつだが、葱・韮・にんにく・ラッキョウ・玉ねぎという五葷(ごくん)を使わないという決まりがある。なので、ほかのベジタリアン料理に比べても全体的に優しく淡く仕上がるという特徴があるように思う。

生姜ご飯

食欲のない時でも、味の付いたごはんは食べやすい。特に生姜の風味が聞いていればなおさらだ。醤油を入れて炊くので炊いている途中の香りも食欲を刺激する。針生姜を添えていただくとピリッと鮮烈な生姜の風味が味わえる。

梅とオクラのお吸い物


さっとゆでたオクラの輪切りと叩いた梅干しをお椀に入れ、用意しておいた出汁を注げば完成。オクラのやわらかなとろみがのど越しよい。


旬野菜の醤油もろみダレ~あおさの香りで~


この日の野菜は茄子とズッキーニとヤングコーン。

自家製醤油を使いたくて考えた一品。醤油も作ってるんですか!と教室に来てくださる人は驚かれるのだが、市販の醤油キットを使えば味噌などを作るよりはるかに楽だし、ガラス瓶で途中経過を観察できるのも楽しいのだ。
醤油もろみとは熟成途中の醤油のこと。大豆の粒が残っておりどろどろしている。普段いただく普通の醤油はこの醤油もろみを絞って濾したものである。今回はこの醤油もろみをみりんと合わせて軽く煮詰めて蒸した野菜にかけ、上からあおさを散らした。磯部風ですね。

高野豆腐のあんかけ

高野豆腐に片栗粉をつけて揚げて餡をかけることで、スポンジのような食感だった高野豆腐が驚くほどジューシーになる至極の逸品!
ふわっとした揚げ出し豆腐との食感とはまた違い、こちらのほうが肉感があり食べ応えがあるように思う。
ちなみに飲食店時代、この高野豆腐のあんかけが大好きでしょっちゅうまかないで食べていたことから「コーヤのかおり」という異名を持っていた。


とうもろこしのゼリー寄せ~豆腐マヨネーズを添えて~


とうもろこしのほんのりした甘さを大切にした。ゼリーだけではちょっと味気ないのだが、豆腐マヨネーズと一緒にいただくとジャンクさが増す。
よく冷やしたほうが美味しいので前日から作っておくとよいかも。

季節の小鉢「新ショウガの甘酢漬けときゅうりと茗荷の箸休め」


献立をあらかじめ全部決めるのではなく、そのときに美味しいものを使いたいという思いから、あえてシェフの気まぐれサラダ的な”遊び”を残している。
1か月ほど前から募集をするのだが、その時にはまだ出てこない野菜や果物もある。そのしかるべき時にしかるべき旬のものを使わないのはもったいないと思ってしまうのだ。
その場で作ってその場でレシピを決めていくので、私も当日までどういう仕上がりになるかわからないサプライズ枠となる。今後も続けていくと思う。たぶん。

今月の花


ビオラ、ラベンダー、チャービルの花



music

Norah Jones   original MIX








2022年7月の教室
下のリンクよりお申し込み可能。
<7/15(金) 、23(土)>
https://lit.link/hogarkaorita








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