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「恋人が欲しい」を封印する背景。

ついに、溢れ出したのだろう。
淋しさが。

今まで無意識に閉じ込めていた「淋しさ」が。

私自身、
「自分は闘病中で無職だし…」
「自分は生活保護だし…」
と自分をマイナスに捉えている面があるが、実際、私に「一人を強いている」のはオヤの呪縛だと思う。

私が幼い頃からハハはいつも言っていた。
「お前は幸せになれないよ」
「お前が幸せになるなんて許さない」
「お前は可愛げがないから誰からも愛されない」

私が長じてもチチはいつも言っていた。
「お前は障害者だぞ?!
相手を不幸にする気が!!」
「お前は障害者だぞ?!」

私が結婚相談所のパンフレットを取り寄せたとき、チチは郵便受けから取り出すやいなや、私の部屋に入り込み怒鳴った。
「お前、不幸になるぞ!!」


たぶん私は心の何処かで「恋人が欲しいなんて思っちゃいけない」とブレーキをかけていた。
そして、不意識のうちに「付き合うなら私を不幸にする男」を選んでいたのだろう。

自分は幸せになっちゃいけないから。

自分は欠陥品だから。



酷い刷り込みをされたものだと思う。

どうして、自分の娘の不幸を願えるのだろう?

単純にカレラは、生物学的オヤであり、「親」ではなかったのだろう。



もう、私には家族はいない。

オヤの影にまだ怯えているけれど。


でも、「お前は幸せになってはいけない」と娘に刷り込みをするようなオヤの言う事は「親の言う事」ではない。


少しずつ、呪縛が溶けていったら…
氷が水になるように。

私はオヤから逃げ出した。

冷凍庫から氷を取り出したんだ。

あとは溶かしてゆくだけ。



ちゃんとただの水になる日が来る。



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