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情景230.「花粉症ではない」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「花粉症ではない」です。

花粉症ですか。
いえ、花粉症ではないですね。
そんなやり取りを繰り返す季節がきました。
ちなみに私は……花粉症ではないですね!
単に、鼻がツンツンするだけです。

私は花粉症ではありません。
単に、春になると鼻がツーンってなったり、たまに目がかゆくなったりするくらいで、花粉症ではありません。

「いやそれ、花粉症ですよね?」

それは呪いの言葉です。
単に鼻がアレなだけです。

なんてやり取りがしばしば発生するこの季節。

私は花粉症ではないのですが(しつこい)、花粉症っていつ発症するかわからないって言うじゃないですか。
内心、戦々恐々としているところは多少あります(もうなっているとは認めません)。

この『花粉症ではない』の情景中に出てくるバイトちゃんも似たような心境です。
花粉症と認めてしまったら、そこから花粉症。
そんな面持ちで今日も杉で出来たカフェテーブルをバッシングするのでした。

キャラ造形についてはかなり曖昧に留めている『あなたが見た情景』ですが、このバイトちゃんは読んでいてキャラのカタチが見えてくる気がするので、結構お気に入りだったりします。

ともあれ、花粉と向き合いたくない三月の情景。
お楽しみください。


あなたが見た情景』は、目の前の景色を眺めるように情景を思い描ける、ちょっとしたお話のあつまりです。

どこからでも何話からでも好きなところから読みはじめて大丈夫。
気になったタイトルをひらいてみてください。



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