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はじめて、みとめる、(2024年9月①)
神田神保町が本の街だと言って通じる世代というのは、もう限られるのかもしれないな。カレーの街と言ったほうが、もはや通りがいいのかもしれない。そんなことを考えながら地下鉄半蔵門線の駅から地上に出ると、辺りは思ったより暗くなり始めていた。スマートフォンの地図に目を落としながら、亀が泳ぐ街をふらふらと歩くと、ほんの数分で目当てのギャラリーにたどり着いた。
金村美玖 写真展『みとめる』
日向坂46のメン
指のかかりが良い(2024年7月①)
いつの間にか、パリオリンピックまで2週間を切ったらしい。
先日、TV番組の中で、バスケットボール日本代表の渡邊雄太選手が、漫画『スラムダンク』における名言のひとつ「左手は添えるだけ」について、「かなり昔なので。今は少し違うんですよ。」と話していたのを見た。僕も小中高と部活はバスケ一筋だったが、たしかに、今はと言わず、昔から「左手は添えるだけ」が正しいシーンは限られる。あの夏(だったはず)、桜木花
29人いる! (2024年4月①)
例えば、こんな設定で始まる小説があったとしよう。
桜咲く季節。引っ越し業者のトラックを見送った若者が、段ボールに囲まれた部屋で田舎の母親と電話をしている。言いつけを守って両隣に挨拶に出向いたが、両方とも不在だった。だから都会では引っ越しの挨拶なんていらないって言っただろう、そんな生意気なセリフで電話を切る。そういえば1日何も食べていないことに気づいたが、不案内な新しい街で外食するのも億劫なので、