見出し画像

必然性のない読書

一時期、自己啓発本やビジネス書にハマってたんですけど、最近は単純に娯楽として小説読む時間が増えてます。
というのも、有益な情報を求めて本を開くより、自分と何の関係もない小説読んだ後の方が満足感が高かったりします。


必然性のない本を読もう

作家の米澤穂信さんがおすすめの本を紹介したり、エッセイを書いたり、他の作家と対談している、こちらの本読みました。
そのなかに、「必要なこと、役に立つ情報ばかり追い求めると心がすり減るから、今読む必然性のない本読むと良いよ」という話があります。

普通の生活者が更なる情報を求めてテレビやネットに常時触れ続けることは、必ずしも安全なこととはいえない。あらゆる情報に接し、あらゆることに怒り、あらゆることに不安を抱いていては心がすり減るのだ。すり減った心はさらなる怒りと不安を招き、攻撃性や妄信や憂鬱を引き寄せ、自他の生活を劣化させる。・・・無知は恐怖を招き不合理な行動を引き起こすが、過度の情報もその点はまったく同じなのだ
いま読む必然性のない物語を心に入れると、その無用さが緩衝材になる。必要なこと、役に立つことばかりを追い求めては心が硬く、脆くなる・・・。「ああ面白かった」「いやあ美しかった」と言って顔を上げれば、過度の楽観や悲観から逃れる道も見えてくるというもの。古人の言う無用の用とは、あるいはこのようなことでもあっただろうか。

実体験として、自己啓発本よく読んでた時期は次々と得られる情報にワクワクしたものの、それで人生の満足感が上がったかというとそんなことはなかったです。
「もっと有益な情報を知りたい」「より自分を高めたい」という欲求に際限はないので、常に「今の自分は十分でない」という意識がついて回ります。

反対に、自分と何の関係もない小説とか読んでると、物語に意識が向いて、今抱えている悩みや不安から意識がそれます
自己にばかり意識が向いて狭まっていた視界が、外の世界へと広がっていくのを感じます。

特に、辛いとき、苦しいときほど視野が狭くなりがちなので、必然性のない物語を楽しむ時間を大切していきたいなと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?