わたしの中のオッサン
高校生のころ、わたしがなりたい職業は「学芸員」だった。
美術館や博物館に行くのも大好きで、新聞や雑誌の展覧会情報を毎週チェックしていた。
そのころ毎号買っていた雑誌が「サライ」。
実は社会人になるまで、これがおじさん向け雑誌だと知らなかった(気づかなかったと言うべきか)。
大人になってからも好きなテレビ番組は「美・鑑賞の壺」(NHK)や「なんでも鑑定団」。バザーやフリーマーケットに行く機会があれば、中古ブランド品ではなく焼き物や木彫を探して見ている。
別にそれが悪いとは思っていないけど、年齢が上がっていくにつれ自分が本当にオッサンになって来たんじゃないか、という不安が募る。なんだか髪の生え際が薄くなってきたし、腹部には脂肪もついている。次は髭が生えてくるんじゃないか…とか。
まあ仕事の場では(営業なので)オッサン趣味からくる知識が役に立つけれど、本当のオッサン・グループには踏み込んではいけない一線があるので、いまでもなんとかオバサンの域に踏みとどまっている。
ただ、なれるものならオッサンではなく「ダンディな大人」になりたいものだ。
もっと言えば「ダンディな大人」の心を持った、成熟した女性ね。
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