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切り札を隠したのか?それとも・・・:東京五輪日記 7.31

 今日は久々の休日のオリンピック。というわけで心置きなく観戦できる。と言うか、見たい種目が多すぎる。開催国枠を含めて日本が出場している種目が多いと言うことと、テレビだけでなくネット配信もあるので見たい種目は何らかの形で見ることができる、というのが悩ましいところ。

 特に今日はサッカーの準々決勝、日本対ニュージーランド戦と柔道の団体戦決勝が重なってしまい、テレビでサッカーを見ながらスマホで柔道を見る形になった。おかげで両方ともちゃんと見ていない(笑)。他に今日見たのはBMX、トランポリン、女子板飛び込み、野球日本対メキシコ戦、女子バレーボール日本対韓国戦。

楽しそうだが恐ろしいトランポリン

 トランポリンというのは恐ろしいスポーツだ。

 演技は10回。それぞれの技の難易度によって加点される。それはいい。怖いのは減点。真ん中に降りればいいが、ずれると減点される。ずれすぎてネットからはみ出てしまうとなんとゼロとなる。ミスで減点されるのは採点競技ではつきものだが、たった一回のミスでゼロになってしまう。

 このあたり、やはり体操なのだなと思う。つまり、トランポリンではみ出してしまうのは、吊り輪や鉄棒で落下するのと同じ、と言うことだろう。

 それにしても高い。人間の力で飛んでいるとは思えないほど高い。普通の人なら、はみ出すことが怖くてマックスで飛び上がることさえできないだろう。そこで宙返りを何回もするなんて超人的な感覚だ。

 トランポリンで印象に残ったのは実はニュージーランドの選手のウェア。色は漆黒。胸に大きくファーン(しだの葉)が描かれている。まさにオールブラックスのような感じで、とてもかっこいいと思った。

 トランポリンを見るにはどうしたらいいか?調べてみた。統括するのは日本体操協会。

 調べてみると8月28日-29日に全日本選手権の予選があることがわかった。会場は新潟だし無観客だから見に行くことはできないが、

 予選があると言うことは決勝があるのだと思うが、それがいつなのかの情報は見つけることができなかった。なので観客を入れるかどうかもわからない。


サッカー、準決勝進出!

 やはり一番楽しみにしていたのはサッカーの準々決勝。

 準々決勝で、なんとなく日本の方が格上に思える国と当たるとなると、シドニー五輪の準々決勝アメリカ戦を思い出す。あのときは120分では決着が付かず、PK戦で中田英寿が外して負けてしまった。それを思うと、あまり縁起がいい感じでもなかった。

 始まってみると案の定。優位に試合を進めるもののゴール前の守りが堅く、点が取れない。キーパーも当たっていた。柔道と交互に見ていたので戦術的な観察はほとんどできなかったのだが(笑)。

 優位に攻めていても点が取りきれず、カウンターで1点食らって0-1で負けるというのはサッカーでしばしばあること。そんなことを考えながら見ていた。

 結果は延長含めた120分では0-0。PK戦でゴールキーパーの谷晃生が止め、日本が勝ち上がりを決めた。

苦しい試合展開だと動きが遅くなる森保監督

 自分はこの試合、立ち上がりに集中的に攻撃を加えて先制し、あとはゲームをコントロールしながらプレイヤーの出場時間をマネージしていくと言うイメージを持っていた。一方、ニュージーランドのディフェンダーは身体が大きく、非常に組織だったディフェンスをする。そうなると三笘薫のドリブルで頭から崩していくのが有効だと考えていたので、三笘を先発させて立ち上がりに攻勢をかけていくと予想していた。

 しかし森保監督が選択したのは微修正。左サイドバックに旗手怜央を起用したのと、出場できない酒井宏樹に代わって橋岡大樹を使っただけの変更だった。

 トーナメントのことを考えるとできれば90分で終わらせたいこの試合。前半が0-0で終わったあと、後半冒頭から三笘を投入すると予想した。しかし動かない。

 A代表の時もそうだが、森保監督の特性として、試合展開が有利に進んでいるといろいろな選手交代を積極的に行うが、苦しい試合展開だと選手交代が後手後手に回る傾向がある。これはJリーグの上位チームの監督たちと比較すると顕著だ。

 この試合もその形になってしまった。最初に動いたのは70分、残りがわずか20分になってから。交代は1トップの林大地を上田綺世に替え、左ウイングの相馬勇紀を中山雄太に替えたもの。それまで左サイドバックに入っていた旗手怜央を前に上げたのでフォーメーションは変わっていない。

 自分は最低でもその10分前、60分に三笘を入れるべきだと思っていた。その時間なら旗手と田中碧とのコンビネーションでこの大きなディフェンダーを充分崩せると思ったからだ。

 ニュージーランドのディフェンダー相手だとクロスを放り込んでも点にはならない。それはグループリーグで当たった韓国が実証している。むしろペナルティエリアに入ってからでもショートパスで崩した方が可能性が高い。それを行うためにはフロンターレの3人のコンビネーションが有効だと思ったからだ。

 しかし三笘を投入したのは延長戦に入ってから。しかも旗手と田中を下げてしまった。そうなると三笘のドリブルは単発になる。

 また、誤解されているがもともと三笘のプレー選択の中でドリブルの比率はそれほど高いわけではない。ドリブル:パス:シュートの比率は36.4%:59.4%:4.2%だ。

 三笘は闇雲にドリブルを仕掛けるのではなく、適切なスペースがあるときにドリブルで仕掛ける。そのときに抜けていくからドリブルの印象が強くなる。今日の場合は、三笘が使えるスペースに久保建英が入ってきてしまうことも多く、ドリブルを有効にできたのは数回しかなかった。

いつものことだが、久保建英は終盤になると判断力が落ちる

 特に終盤目立ったのは久保建英の自分勝手なプレーだった。メキシコ戦の後半でもそうだったが、久保は後半になってくると状況判断のミスが増える。

 より具体的に言うと、周りを使わず、自分でどうにかしようとする。その結果がメキシコ戦の終盤で多発したボールロストだ。

 今日のニュージーランド戦でも、特に後半の終盤と延長戦になって、確率の低いミドルシュートを何回も試みて失敗した。

 ディフェンダーも疲れてきているのだから、あの状況はペナルティエリア内でもショートパスを使って崩すべきところ。正直、久保にボールを渡して欲しくないと思いながら見ていた。

 1つの解決策は選手交代。フランス戦のように三好康児に替えること。三好は確かに延長後半に投入されたが、代わったのは久保ではなく堂安律。堂安は久保と違って周りを使うこともちゃんとできる。デュエルにも弱くない。その堂安がいなくなったことで、延長戦に入った段階で田中が代わって前線に有効なパスを出せなくなっていたことと相まって、延長戦後半では効果的な攻撃を繰り出すことがほとんどできなくなってしまっていた。

隠したの?

 最終的にPK戦で勝ち抜けを決めたので良かったが、采配には大きな疑問が残った。特に状況が悪いときの采配について、大きな疑問符が付く。

 次はスペイン戦。今年の夏はそれほど暑くはないが、中二日の5連戦目。慣れない夏でそろそろ消耗してくるはず。こうなると前田大然が生きてくる。前田や三笘を見せないために使うのを避けていた、と言うことならばまだ理解はできるのだが。