フロンターレの3バック!!:川崎フロンターレ対サガン鳥栖(11月7日)<1>
(ボール奪取マップを作るためにDAZNで見ていくつかの間違いに気づいたので修正してます。:11.13 1:03 + サガン鳥栖側の選手名がアヤマット手板ので修正しました:11.13 9:00)
3-1と衝撃的な敗北を喫したアウェイのサガン鳥栖戦。個人的には負けた試合こそレビューを書く意欲がわくので、久しぶりに早くレビューを上げてみることにした(たまっている試合はいっぱいあるのだけれど)。(一度書き終えてアップしようとしたら上手くいかなくて入力したテキストが消えてしまった。noteのエディタって使いにくいと思うことが時々ある)
まずはスタメン。
フロンターレは基本の4-1-2-3。サガンは3-5-2ないし3-1-4-2。
かみ合わせてみるとこんな形。
ちょうど前線から中盤にかけての4人が橘田を取り囲む形になり、橘田経由のパスコースを封鎖しやすい形となる。
変則3バックのサガン鳥栖
ただ、サガンのフォーメーションは読み解くのが難しい。ホームの時は二階席で見ていたが、4バックのように見えた。
しかしこのアウェイ観戦は1階席2列目から。反対陣のフォーメーションはほとんど見分けられない席。
ただ気づいたのは、最終ラインの3バックが右にスライドして、あたかも4バックのような立ち位置を取ること。そこでウイングバックの中野が下がって左サイドバックの位置を取ると思いきや、中野は高い位置を崩さない。その結果、フロンターレから見ると右ウイングの遠野の周りに広大なスペースが生まれることになる。
これを実際のフィールドでの写真で見たものが以下の2枚。
この形だと、左サイドから対角線のロングパスを遠野に入れればチャンスになる。
立ち上がりは、遠野がボールを呼んでもなかなかボールが来なかったが、特に飲水タイム後は遠野を狙ったパスが出るようになった。
この遠野へのロングパスと、マルシーニョの縦への突破から前半のフロンターレはいくつかの決定機を作った。得点には結びつかなかったが。
一方サガンは、フロンターレの中盤の3人(橘田、大島、脇坂)をマンマーク気味にタイトにマークして時間と空間を削り取る。
それでもプレーできるのがフロンターレの中盤の個人技の優位で、素早いターンやほぼノールックでのワンタッチの縦パスで攻め込んだ。
言い古されたことであるが、サガンのサッカーの特徴はよく走ること。ただ、闇雲に走るのではなく、数人のユニットがきちんと連動して、ボールホルダーにプレッシャーをかけつつパスコースを塞いでいく。去年は「スペースに向かってのプレッシング」という表現を使ったが、この連動が見事で、「面」が動いているように見える走り方だ。
こうした活動的なディフェンスで、サガンは前を向いてボールを奪えることが多く、そこから素早くカウンター攻撃を行う。そうした攻撃の「波」を前に、前半だけでフロンターレは3点を失うことになる。
なんとフロンターレの3バック
後半になって、フロンターレは大胆な選手交代を行う。
(以下の段落を追加(11.12))
ハーフタイムに脇坂を登里に代え、旗手のポジションを上げる。後半10分にはマルシーニョと遠野をダミアンと家長に変える。この時、今年初めて3バックになった。山根がセンターバックに降りて3センターバック。右サイドがどうなっているかは席の関係でわからなかった。
気づいていたのだが、サブのカメラの広角レンズを外してしまっていたのでフォーメーションの写真を撮っていない。それとやはり負けたショックで、下記のように間違った記述をしてしまった。ミラーゲームではあったが、ジェジエウ投入までは山根はセンターバックの右に入っていた。
(以下の段落は削除)
特に後半18分、ジェジエウが登場したときは面食らった。この時、最終ラインは登里、車屋、ジェジエウ、山村、山根。この中で山村をアンカーに上げ、橘田をインサイドハーフに上げるのかと思いきや、山村は最終ラインに残っている。
なんと3バックだ。
センターバックを車屋、ジェジエウ、山村として、登里と山根をウイングバックに上げた。そして前線は2トップでダミアンと小林。つまりミラーゲームに変えたと言うこと。
こう言う形になると、最終ラインの1人が浮く。具体的には車屋がボールを持ったときに、前のスペースが空いていることが多かった。そこで車屋がドリブルで持ち上がって攻撃するという形が何度か見られた。
ただしこの形は長くは続かなかった。後半26分にジェジエウが負傷してしまったからだ。この時点で交代枠がまだ残っていたこともあり、ジェジエウに変わって宮城登場。
この段階で基本形の4-1-2-3に戻る(ボール奪取マップを作るためにDAZNを見ていて4-1-2-3だったことがわかった。現地観戦時は、右サイドの形が良くわからなかったので下記のように書いたが、訂正する。)
(以下の段落削除)
それに伴い、フォーメーションは家長をボランチにおく4-4-2に移行(ただこの試合は俯瞰できてないので、家長がボランチの位置を取っていたことによる推測。間違っていたら失礼)。
勝利の女神の報酬
ただし結局取れたのは1点。3-1の敗北となった。
この試合の前半のサガンのゴールのうち、PKではない2つのゴールは、ポストギリギリに決めたものだ。つまり、ポストに当たっていてもおかしくはなかったシュートでもあった。
一方、フロンターレのシュートはしばしばゴールポストに阻まれた。そう考えると、同点だったとしてもおかしくなかった試合ではあったし、フロンターレ自身がやっているサッカーに疑問を持つ必要はないのだと思う。
ただ、フロンターレのシュートがゴールポストに嫌われた理由は、キーパーのパクイルギュの好守と、エドゥアルドを中心とする、何よりも走ることをいとわない献身的なサガンのディフェンスだ。
その一歩なり半歩なりが、シュートにプレッシャーをかけ、普段では考えられないような外し方やポストへの直撃につながった。
そう考えると、勝利の女神が、サガンの準備と、選手たちの献身的なプレーに正当な報酬を以て応えた試合と言うことなのだろう。
来年も来たいが
サガン戦、去年のアウェイの試合も面白かったし、今年のホームの試合も面白かった。
そして今回のアウェイも面白かった。来年も鳥栖遠征に行きたいと思ったのが、この試合が終わったときの最初の感想だった。さすがにミッドウィークは厳しいので週末に割り当てられて欲しいものだ。
数日空くと思うが、次回はボール奪取マップからこの試合を振り返ってみる。
(続く)