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オンチェーンゲーム:ブロックチェーンによるゲーム世界の拡張


天地創造としてのゲーム

考えてみればゲームは様々な先端テクノロジーと相性が良いです。前回の記事ではGenerative AIがいかにしてゲーム体験をよりインタラクティブにするかについて書きました。そして昨今また熱を取り戻しつつある、ブロックチェーンやxR(クロスリアリティー)といった技術も言うまでもなくゲームの拡張性に貢献します。

音楽と映画市場の2倍もあるゲームの市場規模。ブロックチェーンゲームも徐々に伸びている。
"A Primer on On-Chain Gaming", Binance Research

更にいえば、ゲーム領域へのテクノロジーの導入が盛んであるというより、ゲーム開発のために先端テクノロジーが開発されているとすら考えられます。イーサリアム創設者の若き天才、ヴィタリック・ブテリンが分散型の仮想通貨に興味を持ったきっかけはご存知でしょうか?実は彼が夢中だった「World of Warcraft」というゲームにて、お気に入りのキャラクターがゲーム会社という中央機関によって勝手に能力値を調整されたことがきっかけです。ゲームというのはデジタルネイティブな世代にとって、存在場所そのものであり、我々は現実世界で起きているのと全く同じように、そこに自由、拡張性、交流を求めます。そして嬉しいことに、ゲームは現実世界と比べてはるかにブログラマブルです。物理法則も、見た目も、規則も、権力分配も、全て私たちで設定することができます。

"Games will be indistinguishable from reality. That it's most likely we're in a simulation"
(ゲームは現実と区別がつかなくなるだろう。そのため私たちがシミュレーションの中にいる可能性は非常に高い)

Elon Musk(イーロンマスク)

今回の記事ではブロックチェーン技術がどうゲームに活用できるのか、そしてオンチェーンゲームの持つ可能性について説明していきます。

そもそもオンチェーンゲームとは?

ブロックチェーン×ゲームと聞いた際に、真っ先に頭に浮かぶのはNFTでしょう。キャラクターや装備など、ゲーム内のアセットをNFT化することで、単独のゲーム内のエコシステムを超えて、相互運用可能になるため、確かに重要な活用事例ではあります。実際、これまでのブロックチェーンゲームと呼ばれるもののほとんどは、このゲーム内アセットのNFT化を売りにしていました。

高いゲーム性とNFTの流動性を持っていたAxie Infinity
Axie Infinity

例えば2018年に開発されたAxie Infinityでは、モンスターをNFTとして発行し、独自の仮想通貨も導入することで、「Play to Earn」(遊ぶことで稼ぐ)という仕組みを一気に普及させました。しかしこれはオンチェーンゲームという長期的な方向性の、小さな小さなステップでしかありません。

これまでのブロックチェーンゲームと、これからのオンチェーンゲームの違い
"What Is On-Chain Gaming?", Chainlink

オンチェーンゲームというのは、ゲーム内のアセットに加え、ゲームの基盤となるルール、データの保存先、そしてゲーム内の現在の状態など、こうしたあらゆる要素をブロックチェーン上に構築するゲームのことを指します。従来のゲームは、開発者が中央集権型のサーバー上で配信しますが、オンチェーンゲームはこれを完全にブロックチェーンで代替してしまいます。

オンチェーンゲームのメリット

サーバーを代替するだけだったら別にゲーム自体にそこまで変化はないんじゃないの?と思われるかもしれませんが、ある意味それは正しいです。ゲームを提供されるままに受動的にプレイしたいプレイヤーにとって、オンチェーンゲームは従来のゲームとほとんど同じです。しかしよりアクティブに、ゲーム自体に干渉していきたいプレイヤーからすると、オンチェーンゲームには無限の可能性を見出すことができます。具体的には、以下3つの点が従来のゲームと比べ優位です。

永続性

オンチェーンゲームではゲームの状態も、プレイヤーみんなで記録し参照することになります。これに関してはちょうど仮想通貨において、同一の取引履歴の台帳を複数のノードで共有しているように、プレイヤーの行動やデータをみんなで記録します。従来のゲームでは、開発者がサーバー代を負担するため、それに対して収益が見込めなければ一方的にサービスを終了することとなります。しかしそうした中央集権型サーバーの代わりに、ブロックチェーン上でゲームを構築することで、サーバー代(トランザクションのガス代など)をプレイヤーで負担し、データは半永久的に残ります。そのため特定の人の意思決定に依らず、ゲームを維持することができるのです。

完全オンチェーンゲームでは、プレイヤーの行動やデータが全てブロックチェーン上に記録される
"What Is On-Chain Gaming?", Chainlink(ソース: Jump Crypto)

これは冒頭で言及した、イーサリアム創設者ヴィタリック・ブテリンが感じた課題を解決する特徴でしょう。

構成可能性

MODはもはやゲームの重要な要素のひとつとなっています。MinecraftやFortniteを見ればわかるように、ユーザーはスキンや建造物など、ゲーム内のアセットだけでなく、コードまでもを書いたりして、ゲームのルールなどを自分で作り、配信しています。総じてUGC(User Generated Contents)と呼ばれるゲームの要素ですが、自分の作った世界は本編と別のサーバーでホストする必要があったり、作ったコンテンツを他のユーザーの世界に持っていけなかったりと、中央集権的なゲームではUGC・MODに限界ができてしまいます。

これに対して、オンチェーンゲームではゲームロジック(基盤となるルール)を除いて、プレイヤーは自由にコンテンツや自分のルールを作り、ゲーム内にデプロイすることも可能になります。またブロックチェーンの相互運用性によって、それぞれの作ったゲーム世界を自由に行き来したり、取引したりすることもできるようになります。

ユーザーは新しいルールを作り、コンセンサスを得てゲームに導入することもできる
"A Primer on On-Chain Gaming", Binance Research

開発者の提供したゲームが絶対という従来の考え方に対して、オンチェーンゲームはよりコミュニティ・ドリブンであり、プレイヤーみんなでひとつのゲームを作るイメージとなります。そのためゲーム開発におけるDAO(分散型自律組織)の導入もより増えてくるでしょう。

相互運用性

ブロックチェーンによるゲームの相互運用性について、一番わかりやすい例はOpenSeaなどのNFTマーケットプレイスです。OpenSeaには「ゲーム」というカテゴリーが存在し、ここでは数々のブロックチェーンゲームにおけるNFTの価値を確認したり取引したりすることができます。従来のゲームにおいても、特定のアイテムや装備に非常に高い価値がつくことはありましたが、これを売りたい場合には、アカウントごと売る必要がありました。これは従来のゲームが、そもそも他のゲームやプラットフォームとの相互運用を想定していないからです。また基本的にはプレイヤーをなるべく自身のゲームに囲い込み、収益を維持するというインセンティブもあり、相互運用に適した仕組みになっていません。

オンチェーンゲームではゲーム内アセットに加え、プレイヤーのアイデンティティや自分で作成したゲームロジックなども、滑らかに他のチェーンやゲームに移動させることが可能です。これにより、UGCを作成しゲーム世界を拡張するインセンティブもプレイヤーに付与されます。

クロスチェーンの相互運用性によって、オンチェーンゲームはより大きなエコシステムを作る
"What Are Blockchain Games?", Chainlink

こうしたオンチェーンゲームを繋げるクロスチェーン相互運用性に関しては、未だ発展の途中にあります。しかしより直感的なイメージとしては、「レディ・プレイヤー1」で描かれているように、異なるゲーム世界がある中プレイヤーは同一のアバターを保持したり、所有するアセットをゲームを跨って利用したりできます。そしてこの未来の実現のために、オンチェーンは十分条件となります。

オンチェーンゲームの課題

コミュニティー主導でゲームが構築され、半永久的に持続し、他ゲームとの接続が可能になる、プレイヤーのプレイヤーによるプレイヤーのためのゲーム、それがオンチェーンゲームです。とはいっても、これはオンチェーンゲームの目指す長期的な方向性であり、現状は様々な課題が行く手を妨げています。

スケーラビリティとスピード

オンチェーンゲームの目的が、全てのゲームロジックをスマートコントラクトで実行することだとすれば、現状のブロックチェーンでは多くのゲームに必要な計算能力を支えられず、また遅延時間によるラグも大きくなるでしょう。これが現在のオンチェーンゲームのほとんどがターンベースのストラテジーゲームかTCG(トレーディングカードゲーム)に限られている理由です。

例えばAzra GamesによるLegions & Legendsはブロックチェーンゲームを謳うソウルライクのアクションRPGですが、こちらはゲームロジック含むほぼ全ての部分はオフチェーンで行い、プレイヤーのアイデンティティとしてのNFTを発行しています。

多くのブロックチェーンゲームは一部でのNFTの導入で止まっている
Legions & Legends

MOBAやFPSといった、ゲーム内で数々の処理や取引が必要となるゲームをオンチェーンにするためには、ブロックチェーン自体の技術進歩や、ロールアップ(たくさんのトランザクションをまとめる技術)のようなレイヤー2のソリューションの発展、そして新しい合意形成のアルゴリズムの開発などが必要となります。 まだまだ長い道のりになるでしょう。

ブロックチェーンのスケーラビリティを上げることは、その仕組み上難しい
"Blockchain Scalability: Execution, Storage, and Consensus", Chainlink

MUDのようなオンチェーンゲーム開発エンジンも出てきており、こうした技術進歩によりインフラが成熟することで、より多様なオンチェーンゲームも出てくるようになります。

新規プレイヤーへの敷居の高さ

既存のNFTゲームをプレイする際には、まずブロックチェーンウォレットをセットアップする必要があり、従来のゲームプレイヤーはこの時点で敬遠することもあるでしょう。さらにゲーム内でのトランザクションがある度にガス代がかかったり、署名が必要になると、プレイヤーにとってのUXも悪くなるでしょう。体験価値向上のためには解決すべき課題となります。

この課題に対しては解決策の開発が進んでおり、Account Abstraction(アカウントの抽象化)のような、ユーザーが複雑な鍵管理や面倒な署名を意識せずにブロックチェーン上の操作を行えるようにする技術も出てきています。例えばHallidayは、オンチェーンであるにも関わらず、プレイヤーがEmailやSNSといった従来のログイン手段で秘密鍵やデータにアクセスできるようにしています。

Account Abstractionを活用し、ユーザーのブロックチェーンゲームへのログインをより直感的にHalliday
プレイヤーサイドでの署名やガス代の省略といった機能も開発している
Halliday

Hallidayは更に、ゲーム内でのトランザクションにおいて、一定期間有効な認証を提供するセッションキーを活用することで、取引や行動する度に署名する必要性をなくします。またガス代を開発者側に負担させることで、プレイヤーのゲーム体験を向上させることもできます。

不完全情報ゲームの実現

オンチェーンゲームでのスマートコントラクトやトランザクションは、誰でも確認できることができ、これは透明性という点では有益ですが、カードゲームや戦略ゲームなどの不完全情報ゲームの奥深さを奪ってしまうこととなります。

この解決策として注目されているのが、Zero-Knowledge Proof(ゼロ知識証明)の技術です。ゼロ知識証明を簡潔に説明すると、ある情報を持っていることを、その情報自体を相手に明かすことなく証明できる暗号技術です。

①アリスは自分がドアのパスワードを知っていることをボブに証明したい
②アリスは2つの道のどちらかに入り、ドアの前で待機する
③ボブは2つの道のいずれかを選択し、アリスにそこから出てきてもらうよう頼む
④-1もし選ばれた道がアリスが元々入った道と同じであれば、パスワードを使わずにそのまま出る
④-2もし選ばれた道が反対方向であれば、パスワードを使ってドアを開ける必要がある
⑤以上の小さな証明を何度も繰り返すと、確率的にアリスはパスワードを知っているといえる
"What Is a Zero-Knowledge Proof?", Chainlink

このゼロ知識証明の一種であるzk-SNARKを活用したオンチェーンゲームが「Darkforest」です。このゲームは宇宙征服を目的としたリアルタイムストラテジーゲームであるため、ゼロ知識証明を活用して、プレイヤーの行動の正当性を証明しながら、それぞれのプレイヤーの場所自体は見えないようにしています。

著名なオンチェーンゲーム

このように課題の残るオンチェーンゲームではありますが、既に完全なオンチェーンゲームとして、いくつか著名なプロジェクトが存在しています。これらを手短に紹介していきたいと思います。

Dark Forest: オンチェーンゲームのマイルストーン

先ほども紹介した、RTS(リアルタイムストラテジー)であるDark Forestは、2020年に発表された、宇宙で自身の領土を拡大し、資源を集めながら他の文明と競争するオンチェーンゲームです。

プレイヤーは惑星間領土を広げ高得点を狙う
「話題のブロックチェーンゲームで動き出す非中央集権型メタバース」, MIT Tech Review

このゲームの特徴はやはりゼロ知識証明の活用による不完全知識ゲームの実現であり、オンチェーンゲームの進歩を象徴するゲームです。開発者であるMIT卒のBrian Guは、ゼロ知識証明の一種であるzk-SNARKの実験としてこのゲームを開発しました。

Loot Survivor: コミュニティドリブンの体現

Loot Survivorはローグライクのサバイバルゲームであり、装備などを収集したり他プレイヤーと取引することで、ボスを倒し、更にダンジョンを開拓します。

ハードコアな見た目のローグライクゲーム
Introduction to Loot Survivor, the Latest Fully On-Chain Game on StarkNet

Loot Suvivorは、「Vine」の共同創業者であるDom Hofmann氏が2021年に立ち上げたLoot Projectが元になっています。Loot ProjectはRPGスタイルの冒険アイテムが入った8,000個のユニークな「bag」をNFTとして無料配布し、その活用方法はNFTのホルダーに任せています。そこから数々のプロジェクトが、コミュニティ主導で立ち上がっており、そのひとつがLoot Suvivorとなります。Lootverseと呼ばれるLootを元にした様々なプロジェクトは、まさにオンチェーンゲームの目指すプレイヤーが主導するゲーム構築を思わせます。

Treaty: スマートコントラクトによるプレイヤー間の社会契約

Treatyは古典的な戦略ゲームで、他プレイヤーと交渉したり、資源などを獲得することで自分の陣地を拡大し、中央タイルのタイルの占領を目指します。

資源を活用し、他のプレイヤーと取引し、領土を広める戦略シミュレーションゲーム

オンチェーンゲーム開発にはMUDというゲームエンジンがよく使われますが、Treatyの開発会社であるCurioは、スマートコントラクトやAccount Abstractionを備えた独自のオンチェーンゲームエンジンを開発しています。Treatyの特徴はなんといってもその構成可能性、特にユーザーが作ったゲームロジックのスムーズな導入にあります。ユーザーは「社会契約」というルールをスマートコントラクトで共有することで、トラストレスな合意形成が可能となります。例えばメンバーの相互攻撃を禁じる同盟条約や、課税やローン契約まで、プレイヤーの想像できるルールをスムーズにゲーム内に持ち込むことができます。

プレイヤーは独自の契約をデプロイし、合意した他のプレイヤーを巻き込める
Next Gen Onchain Gaming with User-Generated Logic, curio

マインクラフトでは自分の作成したワールドに、他のプレイヤーを呼び込むことができますが、彼らが建築物を破壊しないことを保証することはできず、せいぜいすぐにバンするくらいでしょう。しかしオンチェーンゲームの構成可能性は、プレイヤーに独自のルールを組み込ませ、UGL(User Generated Logic)という概念を生み出します。これはマルチプレイヤーゲームの可能性を大幅に広げるのではないでしょうか。

これからのオンチェーンゲームの話をしよう

オンチェーンゲームは現在はインフラの発展に集中している状態であり、その長期的なビジョンを達成するには長い道のりになりそうです。具体的な年数の推測は難しいですが、その目指すところを見るに、以下のようなロードマップになるのではないかと私は考えます。

Chapter 1: NFTの導入によるゲーム内の経済活動の拡張

ゲーム内へのNFTの組み込みに関しては冒頭でも述べた通り主流ではありますが、現在はPlay-to-Earn(稼ぐために遊ぶ)といったゲーム本来の目的から逸れてしまっています。そのため直近は、Play-and-Earn(稼げるし遊べる)を目指し、ゲーム自体の面白さの向上、ダイナミックなNFT作成による、ただの資産として以上の価値の付与などが必要になってきます。またNFTやトークン、スマートコントラクトを活用し、ゲーム内の独自の経済活動を実現させることもゴールとなるでしょう。

例えばMythical GamesはPlay-and-Earnを主流にするために、プレイアブルNFTを基盤とした経済活動をゲーム内で構築、統合するプラットフォームをゲーム会社向けに提供しており、またProof of AuthorityというPoWやPoSに比べより持続可能なコンセンサスメカニズムを導入しています。こちらはAndreessen Horowitz(a16z)をリード投資家とし、既にシリーズCにて12億5,000万ドル(約1,400億円)もの評価額を持つユニコーンとなっています。

Chapter 2: UX/UIの改良、そしてAIによるUGCの拡張性の向上

現在オンチェーンゲームをプレイしている人々は開発者などが多く、オンチェーンによる構成可能性といっても、一般ユーザーからしたら手をつけにくいものとなっています。こうしたUGLの共有などのUIを改良することで、従来のプレイヤーも積極的にゲームの構築に携わるようになるでしょう。この分野に関しては、Generative AI活用による、アセット生成やコード生成も改善策として取り入られていくと考えます。

またこうしたUGCが氾濫しないための防衛策も必要になってきます。例えばStory Protocolは、「グローバルで拡張可能なIPリポジトリを通じてIPの創造を民主化する」ことを目指し、出所追跡や収益分配などの機能を備えた知的財産開発のライフサイクルを管理するフレームワークを開発しています。

Chapter 3: xRの発展に伴いクロスチェーンでのアクティビティが増える

Meta QuestやApple Vision Proによって、xR(クロスリアリティ)に再度注目が集まってきました。多くのゲームやNFTが目的にしているのも、メタバースによる世界の拡張であり、この実現には未だ多くの課題が残りますが、非常に強いムーブメントを感じます。オンチェーンゲームに関しても、異なるメタバース上にてアセットやUGCの移動をプレイヤーが強く望むようになるため、クロスチェーンでのスムーズなアクティビティ実現が求められるでしょう。

Ready Player Meは、名前からも分かるように「レディ・プレイヤー1」の世界観を目指し、プレイヤーが自身のアバターを異なるプラットフォームでも利用できるツールを提供しています。またNFTアートの代名詞である「Crypto Punk」とコラボし、保有者のNFT情報に基づいたアバターを提供したりと、様々なIPをプレイヤーが活用し、クロスプラットフォームにてそれらを利用できる仕組みを実現しています。これはオンチェーンゲームが目指すべき方向性でもあります。

Chapter 4: スケーラビリティ克服による多様なゲームの完全オンチェーン化

ここまで来ると正直いまいち、いつ実現できるのだろうかと不確かになってきます。説明した通り、MOBAやFPSを完全にオンチェーンにするためには高度な処理能力が必要とされ、既存のブロックチェーンでは限界があります。しかし、イーサリアム創設者ヴィタリック・ブテリンが仮想通貨に興味を持ったきっかけが、「World of Warcraft」であることを考えると、最終的にはこのような大人数マルチプレイのオープンワールドゲームですらもオンチェーンにしようとするのではないかと思います。

World of Warcraftは大規模多人数同時参加型オンラインRPGゲーム。
果たしてオンチェーンゲームもここまでいくのだろうか?

20年後、いや10年後になるのでしょうか?テクノロジーの進歩速度は指数関数的に早まっており、それを考えると驚くようなスピードでブロックチェーン技術も発展していくのかもしれません。全てのゲームがオンチェーンベースで動くようになると、おそらくゲーム体験はより没入感があり、かつ無限に拡張できるひとつの巨大な世界となるでしょう。

Chapter 5: ゲームの現実化

A Simple Explanation of the Simulation Theory

ここまで辿り着けた方、おめでとうございます。あなたは25****6番目のプレイヤーです。あなた自身のプレイスタイルとクエストを定め、この過酷なシミュレーションゲームを乗り越えていきましょう。

最後に

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
Generative AIがどうゲームに変化を与えるかに引き続き、ブロックチェーンのゲームへの適用可能性を見てきました。

HAKOBUNEもWeb3特化のインキュベーターに投資しています。Web3.0領域はもちろん、将来の時代を象徴する"変化"に積極的に投資していきます!
これからの社会を担う起業家や、アイデア段階にいる方々ともぜひお話をしたいと考えていますので、お気軽にご連絡ください。

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<参考資料>