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製造業 x テレワーク

新型コロナウイルスの影響で、オフィスで仕事をするという価値観が変わりつつありますね。会社や業種によっては会社に行かなくても在宅で完結するものもあるようです。私の勤める会社でもテレワークが推奨されていますが、あまり活用されていませんね。

その理由は、私が肌で感じる点においては、例えば、以下。

・現場の方々との直接的なコミュニケーション
 現場での試作・試験・検査が我々設計者が目論んだ通りになっているか?という視点は、非常に重要だと感じています。なぜならば、良い結果であろうと、悪い結果であろうと、
 ①試作機が目的の評価をするために必要な仕様になっているか
 ②試験=評価の項目に齟齬がないか
 ③当該設計での製品の使われた方、すなわち、「常用・保護・限界」が結果にちゃんと現れているか
という設計的な予測精度がそのまま設計力につながるからだと私は考えています。我々設計者は、設計した後の作業、すなわち、試作・試験・検査については別部門に委託するという流れをとっているため、その工程ごとの状況は一番現場の方々がよく知っているのです。
 出勤すれば現場に足を運べばすぐわかることでも、テレワーク中ではなかなかこの状況を簡単に把握するのは現状困難ですね。

・製図環境がプア
 過去機種からの流用で製品として性能や信頼性が成り立つということを机上検討であたっても、客先要求や原価低減のために新部品を導入するなんてことはよくあります。ライセンス制度のCADソフトウェアは特定のデスクトップPCにインストールされているため、テレワークでは、いわゆるリモートデスクトップでしか繋げられるず、実はこのときの動作が非常にもっさりしているのです(マウスがカクカク動くみたいな…)。これでは仕事にならないですね。

・未だに続く紙資料への検認依頼
 総合電機メーカー=稟議書のスタンプラリーと揶揄されがちですが、全くもってその通りです。苦笑 設計は製品の量産導入に向けて必死に動いています。そして量産導入までのスケジュールを関連部門に説明しているにも関わらず、内情があまり浸透していない社員に対しては、その稟議書の判定が「不可」になってしまう。そして手戻りになっているうちに、スケジュールがおしてきて、ゲームオーバー。
 スタンプラリーは紙資料を部門A→部門B→部門Cというふうに、前の部門がOKになれば、次の部門に流されていくので、どこかでOUTになるか、どこかで稟議書へのOK出しに時間がかかれば非常に時間のかかるスタンプラリーになってしまいます。本当はA,B, Cに一気に稟議書が届き、一気に稟議してほしいんですけど、そうも行かず。

このように製造業ならでは(?)のテレワーク推進の難しさがあります。他にも細かな点はありますが、この辺が改善されれば、わざわざ朝早く起きる必要もなく、通勤時間をかける必要もなく、雨や雪、猛暑、台風などの中リスクを追わずとも自宅で仕事がもっとしやすくなるんだけどなぁ〜

来年は、他責をやめ自責の意識を持ち、いろんな改革を仕掛けていければ良いと思っています。

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