見出し画像

「昇格候補とのホーム2連戦で見えたもの」 レノファの開幕4試合振り返り 前編

*後編はこちら

冒頭から個人的な話ではありますが,約2ヶ月ぶりの投稿です。ここからまた継続的にnoteを書いていきたいと思っていますので,どうかよろしくお願いいたします。


さて,久しぶりの投稿テーマは「レノファ山口FC」についてです。
2019シーズンのJリーグが開幕して1ヶ月が経過しようとしています。私の今シーズンの目標が「レノファの試合についての感想を全42試合書く」ということなのですが,個人的な事情によって開幕からの4試合ではそれを書くことができませんでした。

ただ,試合自体はDAZNで観戦していますし,観戦中に思ったこともメモしてあります。ですから,このnoteではそれらを使って,これまでの4試合を簡単に振り返りたいと思っています。



1.優勝候補との開幕戦で感じた通用する部分と力の差
〜J2第1節 vs柏レイソル 1-2〜

2019シーズンの開幕戦は柏レイソルをホームに迎えることとなりました。レイソルはトップ下のポジションで起用した手塚を三幸にマンマーク気味につかせていました。ここから「優勝候補の柏といえども三幸は相当意識するんだな」そして「今シーズンも三幸をどう試合から消すかを考えてくる相手に対してどうやって彼に仕事をさせるかを考える山口との勝負になるんだな」と当たり前のことを改めて実感しました。

ただ,この試合レノファは三幸のロングパスからチャンスを何度も作りました。では,手塚がかなり意識をしている中で,どうやって三幸にロングパスを出す時間が生まれたのでしょうか。

それは「守備→攻撃に切り替わった時を狙うこと」でした。レイソルが攻撃している時,手塚は当然攻撃のためのポジションを取っています。ですから,レノファがレイソルからボールを奪った時,三幸の近くに手塚がいるとは限らないのです。レノファは,手塚が戻って来る前に奪ったボールを三幸にうまく預けることでチャンスを作っていました。

先制点も大きく言えば,このパターンから生まれたものだったと思います。先制点につながったスローインを獲得したシーンは,レノファが奪ったボールを左サイドの高井まで運んだところから始まりました。本来そのサイドを守っているはずのガブリエルはトップのポジションにいたので戻りきれません。そこでそれを確認した手塚がそのスペースを埋めようと高井につきました。その瞬間に空いていた三幸に高井がボールを戻し,三幸がフリーで右サイドのパウロに展開できたのです。そして,パウロが1vs1を仕掛け,スローインを獲得しました。(このシーンはハイライトにないので,DAZNだとあと4日ぐらいしか見れません。ぜひ見てみてください・・・)

レノファは,このパターンとパウロが1vs1で菊池に対してある程度勝てていたことを生かして攻撃していました。そういった意味では,優勝候補筆頭の柏レイソル相手でも十分勝負になっていたと思います。

ただ,結果は1-2で敗戦でした。レノファが前線からプレスをかけてもクリスティアーノにロングボールを蹴られると局面を一気にひっくり返されるので,かなり厳しいものがありました。正直「ずるいわっ!」と思いましたが,この相手と開幕戦でできたことは,監督のコメントにもあったように良かったのではないでしょうか。やはり,個の能力の部分で力の差というものを思い知らされた試合でもありました。
それから,右サイドで再三仕掛けを見せていたパウロを,後半途中に左に配置したことが裏目に出てしまったのかなと思いました。この意図はいつか聞いてみたいです笑。


2.封じられた右サイド,その中で見えた崩しのヒント
〜J2第2節 vsヴァンフォーレ甲府 2-5〜

第2節は甲府をホームに迎えての戦いとなりましたが,結果は2-5での敗戦でした。この試合はいわゆる自滅の形での敗戦だったと思いますが,それ以外の部分でも書いておきたいことがある試合でした。

まず,開幕戦で効果的だった右サイドでの突破を甲府に完全に封じられたことです。パウロがボールを持っても1vs1を仕掛けることができませんでした。結局パウロを左に配置してそこからのクロスに可能性を見出しましたが,あまりにも左に偏っていたこともあり,最終的に中で跳ね返される場面が多かったと思います。

DAZN中継の中でのアタッキングサイドを示すスタッツからも,このことが読み取れます。前半終了時では,左サイドが60%で右サイドが17%でした。試合終了時でも,左サイドが52%で右サイドが24%となっており,攻撃が左に偏っていたと言えるでしょう。

一方で,良かったと感じることもありました。それは「5バック崩し」の形が少し見えたことです。

前半8分20秒ぐらいからのシーンでは,CBのドストンが相手の1トップウタカの脇からフリーで持ち上がるところから始まり,逆サイドの山下にパスをして,最終的には相手のWBとCBの間を佐々木匠が走ってPA内へ侵入し,CKを獲得しました。

このように5-4-1で引かれた相手には,CBが持ち上がって相手のブロックを動かすことも重要だと思います。この形が見れたのは,今後にもつながると思いますし良かったのではないでしょうか。


3.ホーム2連戦のまとめ

ここまでホーム2連戦を振り返ってきましたが,レノファの右サイドをめぐる攻防が非常に面白かったなと私は思います。全体としては,昇格候補の2チームに対して通用する部分もあり,悪くない試合をしたと言っていいでしょう。

ただ,結果としては相手の強烈な個の力やミスによるハプニングで,勝ち点を落としてしまいました。特に,後者についてはこの後の2試合に少なからず影響を与えているのではないかと感じています。

その辺りは次の投稿で振り返ることにして,今回はここまでとさせていただきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。
今シーズンどうかよろしくお願いいたします。

*選手の敬称は略させていただきました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?