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2021J2予習 〜岡山・磐田・栃木編〜

前回の記事はこちらです。

今回は第2弾になります。


ファジアーノ岡山

昨シーズンの成績 リーグ戦17位(12勝14分16敗勝点50 得点39失点49)
昨シーズンのレノファとの対戦結果
第2節   岡山2-2山口
第22節 山口1-2岡山
監督:有馬賢二(2019〜)

「移籍情報まとめ」

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パッと見た感じoutの方が強烈ですね。ここ数年の岡山を支えていた選手たちの放出が目立ちます。2012年から岡山一筋だった三村、2012年から6シーズン在籍した後藤、2016年から5シーズン在籍した赤嶺、2018年から98試合出場した椋原、同じく112試合出場した上田といった選手たちが挙げられます。もちろん椋原や上田、赤嶺は昨シーズン30試合以上に出場していましたし、純粋に戦力としても痛い移籍だと思われます。

inはほぼ全員が若手の部類の選手になりました。井上は鳥取で十分な実績を残しての個人昇格となりましたし、宮崎はJ2での実績も十分な東京五輪五輪世代の選手です。そして清水からのレンタル組の2人は楽しみです。特に梅田には昨シーズンの正GKであったポープの穴を感じさせないプレーを期待できます。ここは心配なさそうです。

昨シーズンの順位を考えると少し物足りない印象を受けるオフシーズンですが、既存の選手と若い選手の伸び代に期待という感じなのではないでしょうか。


岡山は昨シーズンの開幕前、プレーオフ圏内があるのではないかと予想していました。しかし、蓋を開けてみると17位と厳しいシーズンになってしまいました。シーズン通して追いかけられたわけではないので要因を考えるのはとても難しいのですが、数字を見ると得点力不足のところが気になります。2020年は、2019年シーズン49得点だったところから10点減り、39得点に終わりました。10点というとそこまで大きくない差だと思われるかもしれませんが、結構大きい差なのではないかと思います。

過去5シーズンの成績を見てみましょう。

16年 6位  勝点65 58得点44失点
17年 13位 勝点55 44得点49失点
18年 15位 勝点53 39得点43失点
19年 9位   勝点65 49得点47失点
20年 17位 勝点50 39得点49失点

順位と勝点、得点から若干の比例関係が見て取れます。19年の49得点で勝点65というのはすごい効率が良いかなと感じますが、失点数よりも得点数の大小が成績に影響しているように思います。

その意味では、仲間の穴とイヨンジェが27試合出場6ゴールに終わってしまったという2点が大きく響いたのでしょうか。一森放出のところはポープがハマったわけですが、得点を取る部分はハマらないままのシーズンでした。今年はここの部分の解決が浮上のカギになるでしょう。


ジュビロ磐田

昨シーズンの成績 リーグ戦6位(16勝15分11敗勝点63 得点58失点47)
昨シーズンのレノファとの対戦結果
第4節   磐田2-1山口
第23節 山口3-0磐田
監督:鈴木政一(2020途中〜)

「移籍情報まとめ」

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1年でのJ1復帰を果たせませんでしたが、主力の放出はそこまでなかったのではないでしょうか。主力で言うと38試合出場の上原、33試合出場の中野2人が挙げられます。30試合以上出場した選手はこの2名だけということですから主力の流出は最小限に留められたといえると思います。

inの目玉は大津になるのでしょうか。それから鈴木雄斗も実力者の1人です。また、法政大から帰ってきた森岡は楽しみにしたいですね。法政大と言えば19年の天皇杯での活躍が印象的ですが、そこでも主力としてプレーしていました。

全体的を通して大人しめのオフシーズンだったと言えます。これで戦えるという判断なのか、それとも想定通りにいかなかったのかどちらなのでしょう。


磐田は監督交代もあり、難しいシーズンだったと思いますが、何だかんだ6位でした。それだけの力があるチームということだと思いますのでJ1からの降格チームがない今年で何とか復帰を成し遂げたいところでしょう。

その点では鈴木監督の続投がどう出るかが楽しみになります。ちなみに、昨シーズンの結果は以下の通りです。

フベロ監督 :7勝9分7敗 勝点30   1試合平均獲得勝点1.30
鈴木監督    :9勝6分4敗 勝点33   1試合平均獲得勝点1.74

これを見ると続投の判断も理解できます。ただ、これは19年も同じだったんですよね。名波監督からフベロ監督へ交代し成績が良化したものの翌年は思うように結果を残せず再度監督交代となった流れがあります。

今年はどうでしょうか。鈴木監督も昨シーズンのペースでは昇格のために必要と思われる勝点80には届きません。直近5年で最も勝点の少ない2位となった18年の大分の76にも勝点3ほど届かない計算となります。

磐田がどのような結果を残すかは、今後のJリーグにとって大きなポイントなると勝手に思っているので、そういった意味で楽しみにしたいチームの1つです。


栃木SC

昨シーズンの成績 リーグ戦10位(15勝13分14敗勝点58 得点41失点39)
昨シーズンのレノファとの対戦結果
第10節  山口0-1栃木
第37節 栃木2-0山口
監督:田坂和昭(2019〜)

「移籍情報まとめ」

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outでは田代明本、この2名は挙げないわけにはいきません。それぞれ41試合と40試合に出場し、出場試合数・出場時間ともにチームのトップ2でした。最終ラインと前線からチームを支え、栃木のサッカーを象徴する2選手が個人昇格を果たしました。この穴をどう埋めるのかが今シーズンの宿題の1つになるでしょう。

もう1人挙げるとすれば、明本と同じく40試合に出場した瀬川の放出も気になります。スタメン出場は23試合とそこまで多かったわけではありませんが、彼の左足はチームとしての大きな武器の1つだったと思いますから、小さくない痛手だと思います。

inは渋いですが、実力者を的確に補強したという印象です。中でも菊池は力強い選手というイメージでいかにも栃木にハマりそうなタイプだと思います。それから何と言っても上田の加入は楽しみな要素です。栃木というチームのスタイルにおいてどう点を取るかは課題とも言えるポイントであり、その中でもセットプレーの重要性は高いはずです。そういった中で彼の左足は大きな武器になるはずですし、得点源として期待したいところです。


昨シーズンの栃木は私の中で1つのサプライズというか、大きな結果を残したチームの1つだと思います。19年のラスト10試合の文脈をうまく引き継ぎ、1年を通してチームをブラッシュアップさせた田坂監督はお見事でした。

今年は主力選手の移籍という問題をまず解決する必要があるでしょうし、栃木に対しての研究も進み、その対策を打ち破る必要が出てくるはずです。

ただ、栃木はボールを持たないスタイルを貫いてくるはずですので、そういった意味では大崩れすることは考えにくいでしょう。まず残留という目標に向かって多くのチームが戦う中で栃木のこのスタイルは大きな武器であると思います。昨シーズンからの進化を見せ、どれだけの結果を残すことができるのでしょうか。うまくハマれば昨シーズン以上の旋風を巻き起こすかもしれません。


*文中敬称略
*データ及び移籍情報はは以下のサイトを参考にしています。


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