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2月のキミ

二度と戻らない過去のこと、ふと思い出すキミとのこと

あの頃抱えていたものはなくなり

あの頃持っていなかったものを背負って

キミがいた日はなくなった

今はもう遠い過去のこと

だけどね、ほんとに時々ね



誰もいないホームの端っこ

2人で並んだベンチを見つめて

骨ばった手を半分隠す袖口

少し充血した茶色い瞳に

なんども触ったマフラーのほつれと

ボクの髪を触ったキミの指


そんなことを思い出して、あの日に戻ってみたくなる



無情に無責任に、ボクの手を握り、ボクの肩を抱き寄せた

あの日のキミは戻らない

「好き」が欲しくて「好き」を隠した

あの日のボクも、もういない  けど

想い出だけ、あの日と同じ温度を保ったまま

身体の奥で凍り付く

綺麗で熱くて切なくて

溶けて消えてしまえばいいのに

そうじゃなきゃボク、囚われたまま




もう遠い過去のこと

二度とは戻らない今日が繰り返され

もう遠い過去のこと




#あの恋 #短編小説 #恋愛小説 #ポエム #詩 #日記

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