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東京バーストーリー

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港区の隠れ家バー「変幻自在」。日夜おかしなお客様が訪れ、店主である私を交えた会話から様々なドラマが泉のように湧き出しています。ふつうは歴史に埋没してしまうべきダイヤの原石のような…
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#短編小説

音無き世界に届く踊り

千佳ちゃんが“変幻自在”を訪れてくれたのは、その2週間前のことだった。神妙な顔つきでカウ…

Fumster
5年前
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バーに求めるもの

「もしかしてあなたがFumiki?」   西洋系の顔立ちの外国人カップルが扉を開けて入ってきたの…

Fumster
5年前
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若さの秘訣

一瞬誰だかわからなかった。しかし、お顔の輪郭がクッキリしてくるうちに「見覚えがある!」と…

Fumster
5年前
5

宇宙と、愛と。

4年ぶりのご来店だった。ロマンスグレーの髪の毛と、一風変わった言わば"爽やかなクセモノ"…

Fumster
6年前
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ギリシャ人軍団 vs ポケトーク

84ヵ国からお客様がいらしているバーが世界にどれぐらいあるかわからないが、少なくとも日本…

Fumster
6年前
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架け橋

この世には佇まいだけで圧倒的な気品を感じさせる人間が存在する。バーカウンターの内側に立っ…

Fumster
6年前
7

チャンプの背中

「この方は何の世界チャンピオンだと思いますか?」   なかなかの難題である。5年ほど前から幾度か来てくれているイケメンで背が高い春日くんは、その特技を匂わせるような外見的特徴を殆ど持たない。カウンターに座っていた他のお客様は初対面の遠慮を越えて春日君の容姿や体躯から何かを読み取ろうと様々な角度から視線を投げかけていた。 当たるはずがない。答えを知っている私はそう確信していた。ヒント無しに思いつくような競技ではなかったからだ。しかしそんな私の余裕は予期せぬ早さで崩落することに

全身麻酔

その夜も多士済々といった風情で、ひとクセもふたクセもお持ちの逸材がカウンターに並んでいた…

Fumster
6年前
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吉野家の掟

こんな路地裏のしがないバーの常連さんに、かつて「ミシュラン一つ星のシェフがいた」というの…

Fumster
6年前
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"なんという運命のイタズラか!"

躊躇いの残る表情を浮かべた若い男性と、対照的に愛嬌のある笑みをたたえた同い年くらいの女性…

Fumster
6年前
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