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休職してよかった

もしもあのとき、会社を休職しなければ、いまの私は確実にいない。文章を書いてお金をいただくこともなく、スナックで人間模様にもまれながら頑張ることもなく、新しい仕事に飛び込んで人に出会うこともなく、生活費の収支を見つめなおすこともなかっただろう。
考えられない。いまの状況になって、よかったことしかない。

忘れていたけれど、休職していたんだった。
まだかろうじて自分の居場所があのデスクにあり、残したままの片足を抜くこともなく4ヶ月過ぎていたことを、会社からの郵便物で思い出した。

もし、復職していたら。
たぶん、何事もなかったかのように働けただろう。慣れたルーティンワーク、目標のない下積み生活のようなアシスタント業。やりがいを感じにくく、新しいことは何一つ起こらない。かといって楽しいことを見つけようともせず、削減された給料に文句を言いながら、毎日満員電車で通勤していただろう。人間関係も良好だし、安定した生活がいちばんだと言い聞かせながら。親も年だし、この歳で転職なんて難しいだろうし、と何かしら言い訳しながら。毎日不完全燃焼で消耗しきって充電も出来ず、また同じことを繰り返したかもしれない。

休んでよかったなぁ。
辞め切れないのは、会社に所属しているおかげで助かった点がいくつもあったからだ。でももうそれももういいだろう。
覚悟決めろ、踏ん張れ自分。



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