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生まれてからいい大人になった今でも愛情飢餓状態〜母のこと〜

私の母はまだご存命。
御年62歳。

母がおっしゃることには、心臓が弱く、メニエール病で、鼓膜も片方破れているらしいが(自称ね)、きっと120歳までは生きるだろう。

母は元気で生存しているが、私は生まれてからいい大人になった今でもずっと愛情飢餓状態。
それは母も同じだと気づいてからは、ずっと行き場のなかった恨みつらみが、雲散霧消とまではいかないが、ちょっとだけ薄くなったようだ。

諦めと、母への憐憫。

母に関する一つ一つのエピソードを思い出すと、母は劣等感の塊で、他人のことが羨ましくて、人からすごいと思われたくて、褒められたくて、愛情に飢えた女、いや、少女だったんだ。

機嫌が良い時の母は、若い娘のようにはしゃいで、一人姦しい。
傍から見ると、わざとらしくて演技っぽい。
強がりとはったりが滲んで見える。

不安定で満たされなくて、承認欲求の塊。
人に尽くしても尽くしても、
やってあげたのに。と、不満だらけ。
人に対して、心から何かやってあげたい、喜んでもらいたいからではなくて、自分が褒められたい、認められたいがための行動だから。
 
他人の気持ちや立場を考えられなくて、わがままで、幼稚で、無知で。
田舎育ちの世間知らずな少女。

母は第一印象は抜群に良い。
若い頃は美人だったし、快活で面倒見が良くて、料理上手。よく振る舞っていた。今も。

子供から年配まで好かれる。最初のうちは。
人と仲良くなるのは早いが、そのうち必ずトラブルを起こす。

我が強い。嫉妬深い。マウン卜気質。
感情的、その上情緒不安定。
そんな気質が出てくるから。

根底にあるのは、強い劣等感と承認欲求。

子供の頃、毎日聞かされた。
父の悪口、親戚の悪口、私の友達の悪口、その友達のお母さんの悪口。

恐らく、いや、確実に、妄想と決めつけで根拠のないことも含まれていた。

朗らかに大声で歌い笑っていたかと思えば、地獄の底から出ているのかと思うような怨みの文句を突然言い出し、怒り狂う。

怒り狂っていたかと思えば、突然子どもみたいに泣きわめいてみたり、
鼓膜が破れているから耳が聞こえないと言ってみたり、病気でもないのに心臓病だと言い張り、早朝に救急車を呼んでみたり。
父に噛みつき、父を踏みつけ出た父の血が、父を殴った自分の手に付いた時には、自分が殴られて出た血だ、と大騒ぎして救急車を呼んだ。

そんな、気まぐれで、予測がつかない、一貫性のない母親に振り回されながら育った。
父は、そんな母親に育てられる子供への影響を分かっていなかった。
世間体を気にして自己保身に走り、守ってくれなかった。
それどころか、私が助けを求めても、「誰にも言うな」と口止めをした。

そんな母のこと、父のこと、私自身のことを、これから少しずつでも書いていきたいと思う。


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