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新年に寄せて


社会人1年目に教えてもらったことって、染み付いてますよね。
「名もなき家事」って時折話題になりますが、「名もなきしきたり」とでも言えばいいのかな。しきたりっていうとなんだか堅苦しく聞こえてしまうけれどそういうことではなくて。共に生きる上でお互いが気持ちよく過ごせるコツみたいなもの。


今でこそ社会人10年目。あたかも自然に身につけてきましたみたいな顔でいるけれど、今の私があるのは、それをひとつひとつ教えてくれた人たちのおかげなんだぞってことを、忘れないために。


例えば、コピー機を使い終わったら、次の人のために設定をリセットしてニュートラルな状態に戻しておくこと。これは初めての職場で、係長が教えてくれました。学生時代はコピー機の使用頻度が高くなく(自分用のプリンターで完了してた)、共有機器に対してリセットをかけるっていう概念が全くなかったので、なるほど!と思った記憶があります。人によっては「お節介かな」と伝えるのを躊躇しそうなくらい些細なことだけれど、係長にはすごく感謝しています。当時言われた瞬間の景色まで鮮明に覚えているくらい。言われなければ気付けないことってたくさんありますよね。

あとは、職場の飲み会の次の日は「おはようございます」の後に「昨日はお疲れさまでした」を添えること。誰かにご馳走していただいたら、その場でのお礼に加えて、次に言葉を交わす際に改めてお礼を伝えること。


こういうことって、あってもなくても社会としては回るんだけれど、そうやって言われればお互いに気持ちがいいし、誰も嫌な気持ちにはならないなって。そういう類の気遣いはとても素敵なことだと、周りの人たちの姿から学びました。


もうひとつ、年明けついでに紹介させてください。10年前、社会人になって初めて迎えた年末年始のこと。この世界にはとても気持ちのよい文化があることを知りました。

「よいお年を」「あけましておめでとうございます」を、皆がみな、口を揃えて伝えてくれることにとても驚いたのです。

それまで私は、そういった言葉は家族や親しい友だちとの間でのみ、生まれる言葉なのだと思っていました。

社会人の仲間入りを果たした年の瀬、同僚だけでなく、取引先の方々までが「よいお年を」と、あたたかい言葉をかけてくれるのに感動しました。面と向かってだったり、電話でだったり、みんなそうやって最後に気遣いを落としてくれました。師走の慌ただしさの中にある、相手を気遣う思いやりの色は本当にあたたかい。そうやって声をかけてくれる人たちの顔が、心なしか穏やかに晴れて見えるのも、ささやかな幸せに感じました。


新しい年を迎え気が重い初出勤の空気も、背筋を伸ばして「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」を重ねるうちに、いつの間にか取っ払われていて。


社会人になって初めて触れた文化は、純粋に美しかった。これが日本だけのものかは分からないけれど、この世界にいられることが尊く思えました。


年数が経てば知識や技術は増えていくけれど。あの場所でたくさん教えてもらったのは、そういった根っこの部分もたくさん含まれていました。


やや強引ですが、何を言いたいのかと言うと、
今年もよろしくお願いします。


あまり浮上しない私ですが、いつもnoteの底の部分にはいて、気持ちよく泳いでいます。たくさんの気づきを受け取っているし、あたたかい気持ちをありがとうございます、の気持ちです。ことばが、文章が、書くことや読むことが、その度に好きになります。


更新回数が決して多くないのに、スキを伝えてくれたり、フォローまでしてくれたり、ありがとうございます。昔の記事に♡を頂いたとき、久々に自分で読み返す時間がなんだか好きで。書かないと、無かったことになってしまうかもしれない気持ち。無かったことにしたくないことを、これからも綴っていきたい。


日記帳だと確実に3日坊主になってしまうタイプの私。自分の想いをインターネットに漂わせることの意味合いを考えていました。背伸びしないぞ!と思って書いても、やっぱり少しは背伸びしてしまうこともある。だけどそれも間違いなく自分だって思います。自分の頭で考えて、自分の手が打ち込んだもの。背伸びした分が、理想と現実のギャップだったりする訳ですが、ある意味それが伸びしろにもなるような気がするので。立ち止まっているようでも、進んでいることってあると思うのです。それが書き残すことだと、2024年の私は考えました。


年明けにかこつけて、記憶を手繰り寄せていろいろ詰め込んでしまいました。心の中に思うことはたくさんあって、今にも下書きは溢れそう。
しゃきっとしたことだけじゃなくて、くた〜っとした気持ちも残せたらいいな。2024年は、もっと自由に気楽に。

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