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そこがどこであろうと関係ない〜2019.11.9 第40節柏戦〜

 J2首位の柏と残留争い真っ只中の鹿児島の一戦。スタメンは両チームこのとおり。

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 鹿児島は前節イエローの累積で出場停止だった萱沼が五領に代わってスタメン復帰。柏は右SB川口が11試合ぶりのスタメン、クリスティアーノは3試合ぶりの出場となった。


前半「立ち向かうんだ!」

 1試合でも早く昇格を決めるためにももちろんガチで臨む柏、しかも舞台は日立台。柏と鹿児島の戦力差を考えたらゴール前にブロックを作りワンチャンス狙いの戦い方を選んでもおかしくないだろう。

 だが鹿児島はそれをせずにハーフウェーライン付近にブロックの位置を保ち、前からプレスを掛けて奪ったらいつも通り連携によって崩すことを目指そうとした。

 そんな鹿児島の出鼻をくじく形になった7分柏の先制点。スローインの混戦から三原が蹴ったボールはただのクリアに見えたがその先にはオルンガがいた。水本が潰しにいくも入れ替わられて一気にピンチに。最後はクリスティアーノの折り返しをクリアし切れなかった所に中盤から走り込んだヒシャルジソンが蹴りこんだ。

 この後19分の柏の2点目となったCKもオルンガのキープから得たものでこの試合を通じて大いに脅威となった。とっととJ1帰ってくれ()

 その後は柏がボールを握る展開。そこに対し鹿児島は受け身になるのではなく前からしっかりと制限をかけに行った。

 2CBにはCFの韓とトップ下枝本が前にでて2人の距離感を詰めつつ制限。最終ラインをサポートするアンカー三原にはボランチの中原orニウドが前に出ていた。そうすると浮いてくるのが柏のインサイドハーフ。

 特に江坂の所は右SHの萱沼が絞ってケアしようにも左SBの古賀も後ろでビルドアップの手助けをするのでそこも見なければならなく、江坂がフリーになった時はそこからのドリブルやパス、流動的にポジションをとる瀬川との連携で前進される場面はいくつか見られた。(下図参照)

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 ただアンカーの三原を放置するとそこから広めのDFライン裏にオルンガを走らせるボールが飛ぶので簡単に捨てる選択もできないジレンマ。

 それでも2点をとったあと少しペースを落としたようにみえる柏に対して徐々にボールを持つ機会が増えた鹿児島。最前線のオルンガはそこまで守備に参加しないのでCBは落ち着いてボールを持つことはできていた。

 だが4-2-3-1の鹿児島に対して4-1-4-1のような陣形の柏は中盤もサイドも選手が噛み合う。そこを突破する手立てとしては右はSB酒本のテクニックでのプレス回避やロングキック。

 左はボランチの中原がサイドに流れて受けたり、ドリブルでブロックの外に逃げるように運んでからの楔などの工夫が数回の良い形での崩しを演出した。牛之濱、砂森、枝本の連携も冴えていた。左からの攻撃の方が再現性はみられたし、それは左からの攻撃が57%と出たHTのスタッツからも分かることだ。

 柏の方も江坂と瀬川を中心に攻めた左サイドからの攻撃が50%を占めており。両チームとも攻撃のパターンが偏った前半となった。


後半「淡々と」

 後半頭から萱沼に代えて五領を投入した鹿児島。最初はそのまま右に入っていたが数分でここ最近と同じように左SHに。

 54分にも韓に代えてルカオを投入。今日の韓はちょっとボールが足につかないシーンが多くてカウンターのスピードを下げてしまうことがあり残念だった。もっと判断の精度と速度もあげて欲しい。

 この交代によって五領と中原のチームトップクラスにアイデアが豊富な2人が近くでプレーすることになり2人の華麗な連携から最後はルカオがフィニッシュまでもっていくシーンがあった。

 積極的な交代策により攻撃を活性化させることに成功した鹿児島。柏も2点差リードのということもあり、あまりテンションをあげずに守りに入ったことも影響はしていたと思う。

 そんな矢先の63分、前半にも言及した江坂が浮く形から瀬川とのワンツーで抜け出しを許しCKを与えてしまう。結果的にそれをオルンガが叩き込み3点目となり試合の大勢はほぼ決まり。

 江坂を前に出して4-4-2で完璧に試合を終わらせに来た柏。ブロックをつくって守り、時折オルンガを中心にカウンターを繰り出し確実に時間をすすめてきた。カウンターも迫力充分でアンジュンスのビックセーブが無ければ追加点を取られていてもおかしくなかった。

 鹿児島は途中投入の五領の左サイドから中心に攻め立てる。五領がサイドに張るのではなく敵のギャップにうまくポジションをとれていて、そこにボールが入ればチャンスになっていた。フィニッシュの精度が伴えば点は取れたとおもう。毎週言ってる気がするが本当に決定力は課題である。結局点を返すまでには至らずホイッスル。


まとめ

 結果としては3点差での敗戦となってしまった。しかし、個人的には比較的ポジティブに捉えている。アウェイでの柏相手にこれだけ綺麗に崩しを狙っていた姿勢は評価したい。取られた3点もチームとして崩されたというより局面で個人の力で上回られた形だった。

 ベタ引きしたからって絶対に負けないわけではないのだから強気の姿勢で負けたっていい。ぼくはそう思った。

 

 だが残りの2試合は訳が違う。ホーム水戸、アウェイ福岡。柏とほど大きな差はないはずだ。早ければ今週末ホームで残留を決めることができる。とにかく結果が全てだ。泣いても笑っても残り2試合。踏ん張るチームを全力でサポートしたいと思う。


11/9 J2リーグ第40節  柏 3×0 鹿児島                 会場:三協フロンテア柏スタジアム  観衆:10729人


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