「一人ひとりの、 読みのベースを育む」 〜「読むこと」の基礎基本の指導 ②読み取る〜
前回の、「読むこと」の基礎基本の指導 ①語彙の指導 の続きを書きたいと思います。
今回は、②読み取る です。よろしくお願いします。
定番、読み取りクイズ
単元の早い段階で前回書いた、語彙指導を行います。そしてその後、次のステップである「読み取りクイズ」を行います。
「読み取りクイズ」は、子どもたちが大好きな活動の一つで、大盛り上がりします。ここでアイテムとして、100円ショップで売っている「ピンポンマイク」を使います。パーティーグッズでよくあるアレです。かれこれ5年くらい使っていますが、壊れません。タフです。
これから、1年生でやった「読み取りクイズ」の手順を書きます。
まず、問題を出す文章や段落の音読を全員でします。
次に、問題を出します。例えば、「誰が、帽子を拾ったでしょう?」といった具合にです。
その際に念頭に置くのは、その単元で学習する国語の事項をもとに問題を出すことです。
大体が単元目標から考えます。登場人物の人柄であったり、行動であったり、関係性であったり、何を読み取るのか、そういうものが指導書に明記されていますので、そこに焦点を当てたクイズにします。
必然的に、そこが本時のめあてにもなります。(めあては授業のはじめに確認します)
なぜだか、クイズになると、子どもたちはガゼン張り切ります。
しかも、直前に音読した箇所から出題しますので、ほとんどみんな分かります。正解したら、ピンポンを鳴らします。大盛り上がりです。かなり、テンションが上がります。
要約して書く
その流れで、出た答えを、板書し、ノートに書かせます。その際、そのまま書かず、要約して書きます。
ここで、上がっていたテンションが、落ち着きます(笑)
「つまり、こういうことだね。」と言いながら、要約することを教えます。長い文章でも、短く、大事なことをまとめて書くことができることを知ることができます。
ここで、板書し終わったら、子どもたちのノートをぐるぐる見て回ります。
ここも、「ぐるぐる指導」の出番です。
板書を写す、ということだけですが、ここで、「見て書く」「正しく書く」ことができるか、よく分かります。
誤字脱字、文字の丁寧さ、ノートの使い方、書くスピード・・・・多くのことを、見とることができます。
そして、その場で即、赤で直してやります。その場ですぐに、直させるのです。
丁寧に素早く書けている子は褒めます。間違えずに正しく書けている子も褒めます。
そうすることで、次もまた、丁寧に素早く、正しく書こうとするようになります。
「音読→読み取りクイズ→答えを要約して書く」これを、繰り返します。
レベルを上げていく
これに慣れてきたら、徐々にステップアップしていきます。
例えば、音読部分を長くしていく。
答える時に、「何ページの、何行目に答えがある」と引用箇所を述べさせる。
それを聞いた他の子達も、その部分を指差し、確認させる。線を引かせる。
抜き出し型ができるようになったら、要約して答える問題にする。
根拠を述べさせる。
・・・等々、子どもたちの実態に応じて問題の出し方を変え、ステップアップしていきます。
授業の最後に振り返りを書かせます。本時で学んだことを書くのですが、ここで、それぞれの子どもたちが、授業の中でどんなことを感じたか、考えたか、学んだかが分かります。
一問一答の答えだけでなく、その子なりの読みがここに現れることも多いです。
読みの基本を身につけさせる
このようにして、子どもたちが文章を読むことに慣れてきたら、「読むこと」の基礎基本のベースができたと言えるのではないでしょうか。
そうなれば、ディスカッションやディベート・熟議等の学び合いが効果的に行えるようになると思います。
どの子も読みの基本ができているので、同じ土台(ベース)に乗って、意見をかわすことができるでしょう。
土台のないまま、応用レベルの学びを行おうとすれば、格差が生まれてしまうのは必然です。
どの子も参加する活発な学び合いを促すには、ある程度のベースは必要であると考えます。
ここに書いているのは、あくまで基礎基本の学びです。が、ここをないがしろにすると、困るのは子どもたちです。
一人ひとりの読みの力を育む責任が、私たちにはあるのだと思っています。
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