情けない話

お金のこと。

つい最近、お金を貸してほしいと言われた、結果、貸してしまったわけだけど。私は、ずっと地元に住んでいて、結婚してからも実家に近い地元住み。そして借りにきた人というのが、親同士が幼なじみという間柄で、その人のことを私は「お兄ちゃん」と呼んでいたのは、もうずいぶんと昔のこと。そのお兄ちゃんが離婚をきっかけに実家に帰ってきて何年になるのかな。でも、ほとんど口なんて聞いてないし、何をしてるかわからない人だったりするし、気にもかけていなかった。
なんせ親同士が幼なじみとはいうけれど、ここのおばちゃんは、私の心の中でのあだ名が「日活ロマンポルノ」。私が幼稚園のときに親の用事でこのお宅へ伺ったところ、郵便局の訪問の人との浮気現場を目撃してしまった経験がある。昭和のころって、鍵は閉めずにご近所の人なら「ごめんー!」と言いつつ入ってきていた時代で、私もその要領でそのお宅に入ったら、真っ最中だったという。あのころはそれがよくわからず「日活ロマンポルノのポスターにそっくり」という理由から、自分の中でそのあだ名をつけたわけ。

話は戻って、今月にこのお兄ちゃんが引っ越すという噂を聞いていた、正しくは出ていかないといけないらしかった。おばちゃんが亡くなって半年たつ。その挨拶かとすっかり思っていた私、呼び出しベルに応対して表へ出たところ、するっと玄関に入り扉を閉めたその人は、玄関先で仕事場に財布を忘れた話をし出した。ふんふんと聞いていた私に「3日後にその現場に行くまで1日千円として三千円貸してくれないか」という旨の話をした。それより財布を取りに行ったらば?など、間抜けな返しをしていたけれど、そんなことにはちゃんとした返事はなかったな。財布を見たら1万円札しかなく、崩してくると言った私に「その1万円を借りておくわ」とその人は言った。その瞬間、何かもういろいろ無理と思ってしまい、怖かったのもあって「これはもう返して要らないから二度と借りにこないで」と伝えた。

あれから会ってないけど、働いてなんかいないことを知った、そして生活保護を受けていた。実はこんなことがあったと、生活保護にかかわる仕事をしている人に言ったら「遊ぶ金欲しさでしょう」ということだった。なんかいろいろ情けなくなった。貸す必要などないのに、断るということだけが浮かばなかった。ただ、ただ、反省するのみ。

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