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自立支援医療(精神通院医療)受給者証の申請について

今回は、自立支援医療(精神通院医療)受給者証の申請について、記していきます。

対象となる者

対象者は、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(以下、精神保健福祉法)第5条に規定されている精神障害者で、通院による精神医療を継続的に要する者とされています。

精神保健福祉法の該当条文は、次の通りです。

第五条
 この法律で「精神障害者」とは、統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害その他の精神疾患を有する者をいう。

精神保健福祉法第5条

平たく表現すると、精神疾患により、継続的な通院による
精神療法や薬物療法の治療を受けている者となります。

対象となる医療と給付の内容

精神疾患および精神障害に起因して生じた病態に対して、病院および診療所に入院しないで行われる医療が対象です。

医療機関を受診したときの費用は、医療保険が7割を負担し、
残りの3割は患者の自己負担となります。
この自立支援医療の対象となれば、
指定医療機関に限り、患者の負担は原則1割の自己負担で済みます。

月額上限負担額

ひと月に1割の自己負担をしており、
その負担合計額がその患者の月額の上限負担額に達した場合に、
その後にかかる医療費の負担がなくなるしくみです。

重度かつ継続

「継続的に治療を必要とし、高額の医療費負担が発生する者」と認められると、経済的負担の軽減のため、月ごとの自己負担額に上限が設けられます。

「重度かつ継続(高額治療継続者)」の範囲は次の通りです。

・医療保険の多数該当(過去12か月間以内に、4回以上高額療養費の支給があった場合)

・主たる精神障害がICD-10(国際疾病分類)において次の分類に該当
 →F1:症状性を含む器質性精神障害
 →F2:統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害
 →F3:気分障害(躁うつ病、うつ病など)
 →G40:てんかん

・3年以上の精神医療の経験を有する医師により、以下の症状を示す精神障害のため計画的集中的な通院医療(状態の維持、悪化予防のための医療を含む)を継続的に要すると診断された者として、認定を受けた者
 →情動及び行動の障害
 →不安及び不穏状態

申請の方法

お住いの市町村の障害福祉担当部署に相談し、申請します。
窓口で直接申請する方法と郵送で申請する方法があります。

申請を行ってから、お手元に届くまでは1~2ヶ月くらいかかります。

申請に必要な書類は次の通りです。
・自立支援医療(精神通院医療)支給認定申請書
・自立支援医療申請用診断書
・マイナンバーカード
・健康保険証
・本人確認書類
・市町村民税課税証明書
・指定したい医療機関と薬局がわかるもの

健康保険証は、受診者本人のものに限ります。
また、国民健康保険に加入している場合は、同一保険加入者全員分が必要になります。
後期高齢者医療に加入している場合は、住民票上の同一世帯で、後期高齢者医療に加入している者全員分が必要になります。

本人確認書類は、マイナンバーカードや運転免許証、パスポートなど、
顔写真が付いているものが該当します。

市町村民税課税証明書は、社会保険に加入している場合は、被保険者のものが必要になります。
国民健康保険に加入している場合は、同一保険加入者全員分が必要になります。
後期高齢者医療に加入している場合は、住民票上の同一世帯で、後期高齢者医療に加入している者全員分が必要になります。
市町村民税課税証明書は、提出を省略できる場合もあります。

指定したい医療機関と薬局がわかるものは、診察券や薬の入っている袋などが該当します。
なお、指定できる医療機関は原則として1ヶ所、薬局は最大2か所です。

有効期限

自立支援医療受給者証の有効期限は、1年間です。
受給者証に有効期限が記載されているので、必ずご確認ください。

更新

自立支援医療受給者証は、
有効期限の3か月前から更新申請をすることができます。
更新申請を行うことができる年月が受給者証に記載されているので、必ずご確認ください。

有効期限を過ぎてしまうと、再申請して新しい受給者証がお手元に届くまで自立支援医療が受けられなくなります。

医療機関と薬局

自立支援医療を使うことのできる医療機関と薬局は、
自治体に指定されています。

申請時に指定した指定医療機関以外の医療機関では、
自立支援医療は受けることはできません。
受給者証に記載された医療機関でのみ、
自立支援医療を受けることができます。

なお、受給者証に記載された薬局であっても、
受給者証に記載されていない医療機関からの処方箋によって
薬を処方された場合は、その薬局での自立支援医療は適用されません。
また、薬の処方日が認定期間外の場合は、調剤日が認定期間内であっても
自立支援医療は適用されません。

利用する医療機関と薬局を変更する場合は、変更申請が必要です。
変更申請の受理日から、新しい医療機関で自立支援医療を利用することができます。

自己負担上限額管理票

月額の負担上限額が設定されている者については、
自己負担上限額管理票が交付されます。

医療機関と薬局の受付時に、受給者証と合わせて提出する必要があります。

まとめ

自立支援医療受給者証の申請には、医師の診断書が必要になります。
新規申請をお考えの方は、必ず医師に相談のうえ、診断書を作成してもらってください。

自己負担額については、原則1割の負担となります。
条件に該当すれば、月の上限額も設定されるので、
日々の生活の助けになることでしょう。

経済的な負担を軽減するものですので、
申請の対象になっている方は、
ぜひ申請してみてください。

河野羊

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