ミタヒツヒト

創作ユニット『超水道』所属。 お話を書いたり、しがないDTPディレクターをしたり、しょ…

ミタヒツヒト

創作ユニット『超水道』所属。 お話を書いたり、しがないDTPディレクターをしたり、しょっぱいウェブアプリケーションエンジニアをしたり。 ノベルゲームのシナリオをいくつかと、本を何冊か出していました。 書いたもので喜んで頂けたら嬉しいです。 https://chosuido.jp

最近の記事

【小説】ふたりの部室神話《ブシツソロジー》

まえがき この小説は、2023年にミタヒツヒトがコミッションサイト「Skeb」にてリクエストをいただいた小説を改稿したものです。 ※縦書きPDFのダウンロードには¥100頂戴しておりますが、無料で最後までお読みいただけます。 頂戴したリクエスト内容は、 です。(リクエスト内容は公開情報であるため、文脈を残しておく意味でこちらも掲載させていただいております) 自分では書かないテーマなので、難産かつだいぶ長めとなってしまいましたが、楽しく書かせていただき、このまえ読み返

有料
100
    • 『どうして親指をシフトするのか?』ちょっと解説してみる話

       実を言うと、以前からnoteで親指シフトについて書きたいと思っていた。  けれど「どうせ先行者(ロボットではない方)がたくさんいらっしゃるだろうし後でいいや」とばかり思っていて、だから書かないつもりだった。  しかし今朝、ふと気になってnoteで『#親指シフト』を調べてみたら、なんと記事数45記事。思いのほか少ない。  これは書いても怒られないのでは?  そういうわけで、ぼくはいま、親指シフトでこの文章を書いている。  親指シフト、「名前は聞いたことがあるけれど、実際ど

      • スキンヘッドで半年過ごしてみたらプラス40点でオススメだった話

         けさ、頭を剃った。いや、「けさも」というべきか。  電気シェーバーを頭皮の上で滑らせること約10分。生えかけてジョリジョリしていた髪の毛はつるりと剃り上げられて、ぼくは満足してその作業を終えた。  眉毛やまつ毛まで剃ることはない。いや、でもひげはいっしょに剃ってしまうことが多いけれど。  ぼくがいわゆるスキンヘッドという髪型を選択して、そろそろ半年になる。  発端は、今年四月の緊急事態宣言だ。本当は三月時点くらいから「そろそろ髪切らないと」と思っていたけれど、美容院に行

        • 池袋で大人みたいな大学生に「大丈夫ですか」と尋ねた19歳の時のこと

          『今月は、note小説、二本上げたいと思っていて』  つい先日のことだ。ぼくはとあるオンライン会議に出席していた。  会議とはいってもこぢんまりとしたもので、全四名からなるインディゲーム制作チーム、というか同人サークルの定例集会とでもいうものだ。  作品の制作が遅れていないか、どのように進めるか、外部と折衝が必要ならその意思決定をどうするか。そういうことを隔週で話し合う。  優先度の高い事項を話し終えると、もう少しこまごましたことのターンになる(たとえば、Twitterのフ

        【小説】ふたりの部室神話《ブシツソロジー》

          音声共有サイトHEARにシナリオを提供したのでそのあとがきのようなもの

          どうも、お久しぶりです。ミタヒツヒトです。 書きました ミタも最近はすっかり在宅勤務が常となっておりますが、業務的に家でもさしたる問題がなく、できる限り永遠にやってしまうので出勤している時より体感的にはむしろ忙しい日々を送っています。最近あったかくなってきたし、夜にほっつき歩くのが捗りますね! 好きなんです、夜に歩くの。通報だけが怖い。  自分の近況はさておき、色々とご縁がありまして、最近、HEAR(hear.jp)さまという音声投稿サイト様に朗読用のシナリオを三本提供しま

          音声共有サイトHEARにシナリオを提供したのでそのあとがきのようなもの

          悪食娘の帰郷と青春

           なにか温かいものを食べたくなるような、寒い日のことだった。  終業式の日に気分が上がらない高校二年生なんているだろうか。僕は上々の気分で二学期最後のホームルームをやりすごして、あまり良くはないけれど悪くもない成績表を学校指定の鞄に押し込んで、校舎の一階のランチルーム——自販機や食事用のテーブルを備えた多目的ホールにはなぜかそんな名前がついていた——に向かった。 「あっ、サトルくん」  ランチルームの奥の方で並んだ机のひとつについたまま——マリカさんが僕に手を振った。  今日

          悪食娘の帰郷と青春