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音声共有サイトHEARにシナリオを提供したのでそのあとがきのようなもの

どうも、お久しぶりです。ミタヒツヒトです。

書きました

 ミタも最近はすっかり在宅勤務が常となっておりますが、業務的に家でもさしたる問題がなく、できる限り永遠にやってしまうので出勤している時より体感的にはむしろ忙しい日々を送っています。最近あったかくなってきたし、夜にほっつき歩くのが捗りますね! 好きなんです、夜に歩くの。通報だけが怖い。
 自分の近況はさておき、色々とご縁がありまして、最近、HEAR(hear.jp)さまという音声投稿サイト様に朗読用のシナリオを三本提供しました。いずれも、『夜の旅・夜の出会い』をテーマに据えた作品ですが、別に作品同士につながりはありません。

 そういえば自分もnoteアカウントを持っていたので、今日はそのあとがきみたいなものをここに書いていこうと思います。

【お知らせ】HEAR公式の限定フリーシナリオが配布開始になりました!

 お話が載ってるのは以下のページです。

【HEAR公式シナリオ】魔女と私のデッドエンド・バス【ミタヒツヒト@超水道】
【HEAR公式シナリオ】無間の市を往く男【ミタヒツヒト@超水道】
【HEAR公式シナリオ】水底のミーナへ【ミタヒツヒト@超水道】

 上記三編を読んでから以下をお読みになられることを強く推奨いたします。

全体について

 書かせて頂くにあたってHEARさまの朗読タグを色々見て回ったのですが、短めの朗読はかなりたくさんあって、需要と脚本の供給も、ちゃんと釣り合っているように感じました。
 こういう状況にあって自分のような者が書かせて頂くのだとしたら、掌編よりも短編かな、と考え、少し長めになっています。
 長ければ長いほど書くのは大変になるので、だったら自分のように普通よりはちょーっとだけ書き慣れている人間がそれを担った方がいいのかなあと。
 長めのガッツリしたやつを朗読したい人もきっといるし、いち聴き手としては長い朗読をしっかり聴きたい、という自分の好みもあるのかな。(普段からオーディオブックとかすごい聴くのであんまり長い朗読に抵抗感を感じないせいかもしれないです)

 そういうわけで、その人の声を聴くためのボイスサンプルというよりは、朗読者の手で完成される朗読コンテンツとしてのありかたに寄せて書かせて頂きました。
 HEARのボイス文化にまだ興味のない、外の方も単一の作品として「おもしろかったなあ」と思ってもらえるようなものになっていれば嬉しいです。

 自分の能書きはこれくらいにしておきます。決して、イージーな脚本ではないと思うのですが、ぜひチャレンジして頂けると書き手冥利に尽きます!

 ここから各編のお話です!

魔女と私のデッドエンド・バス

 これが最も難産でした。せっかく持ち玉が三つなので、『男性の朗読に最適化されたもの』『男女どっちでも読めるもの』そして『女性の朗読に最適化されたもの』の三本で行こうと考えていたのですが、これがなかなか思い付かず。
 こういうテーマなので夜の町を歩いて考えていたのですが、そうしたら終バスと思しきガラガラのバスが道路を走り抜けていくのが目に留まり。
子供の頃、バスの終点のある町に住んでいたのもあって、バスに何か思うところがあり。
 女性二人、勢いのまま痛みのある祈りを胸にモラルを乗り越えて運命を切り開くお話が好きです。これが気に入られた方は拙作ghostpiaもお好きなのではないでしょうか。
 そういえば最初期段階でのこのお話のタイトルでは『ガール&ウィッチwithデッドエンド』でした。PSGが好きなんです。


無間の市を往く男

谷山浩子さんの歌が好きなのですが、その中でも大好きな『かおのえき』という曲があって、その曲のなんともいえない絶望感が好きで、そういう話を書きたいなあと思って書いた話です。
これも去年、制作中のゲーム"ghostpia"のプロモーションで台湾に行くことがあったのですが、そこで『夜市』なる言葉を初めて知って、「なんて胸のときめく言葉だろう」とわくわくしたのを覚えています。
その後、台湾の夜市にも行くことができたのですが、それは特に今回の話のモデルということでもなくて、今回のお話は純粋に『夜市』という言葉へのときめきを土台にして書きました。
三編の中では最初に書いた作品で、いつもの自分の文体とは大きく違ったり、物語を短い尺に収めるために工夫したりと、苦労した記憶が多い一編ですが、難産だった分かわいくもある一編です。
谷山浩子さんの『かおのえき』、名曲なのでぜひ聴いてください。『夢のスープ』もおすすめです。『人魚は歩けない』もいい……

水底のミーナへ

 構想自体は古く、去年の夏に近所のマクドナルドで閉店時間まで仕事をしていたのを閉店で追い出された帰りに思い付いたお話でした。
 確か酔っ払いがゲロでも吐いたのかそのへんの地面に水が撒かれていて、夏の空気の中に水の匂いがすごく濃くて、それで思い付いたのだった気がします。
 考えすぎて他人に甘えられない、突っ張ってしまうミドル〜ハイティーンの男の子が好きです。
 じゃあなんで好きなんだろうと考えてみたんですが、おそらくその年頃の自分があまり突っ張れるほど強情でいられなかったという意識があるせいではないかと思いました。
 突っ張れるということはきっと優秀でないと許されないということなんです。そういえば主人公のアーランも特待生候補でしたね。
 普段は登場人物や舞台にあまり固有名詞をつけないのですが、このお話に出てくる固有名詞は気に入っています。あとタイトルの読みは「みなそこのみーな」のつもりです。"みなそこに眠れ"的な。

おわりです


というわけで、この『あとがきのようなもの』も、このへんで終わりにいたします。いかがだったでしょうか。
文章でも朗読でも、一粒で二度美味しいお話だと思いますので、どんな形であれ、みなさまにお楽しみいただけたなら幸いでございます。

こういう小さなお話を書かせて頂くのはとても楽しかったので、また何かあればこういうことがありましたらぜひ挑戦したいと思っております。何かあったら教えてください。

ミタの文章に興味を持って頂けたという方がもしいらっしゃいましたら、同じくnoteで公開しているこちらの小説、『悪食娘の帰郷と青春』もどうぞ。

というわけで、GW中にもう一件くらい何かを更新できたらいいのですが。
それではまた。別の記事でお目にかかりましょう。

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