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snow
雪が降っている日の朝は目覚めるといつも静寂に包まれていて、何もかもが落ち着き過ぎていて、自分の体も青い海の底に横たわっているかのように、ゆっくりと脈が流れているのがわかる。
そんな余韻に浸りながらも、ぼーっとした頭でコーヒーを淹れて、いつものようにメールを開いた。
生きていると不条理なこともあるもので、無縁であったであろう下衆な人間が否応もなしに向こうからやって来ることもある。そのメールがまさにそれで、無かったことにしてやり過ごすこともできたんだろうけど、その日の私は、受けて立つことに決めた。自分がどの選択をしたら1番いい状態でいられるか、その選択が今の自分ではこれだった。
自分の意見を書いて1時的に爽快感を得たものの、結局、その私の1日は、満たされはしなかった。
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ベルリンは今日も雪。銀色に透きとおった空の下、冷たく澄みきった空気がピリピリと頬を刺す。肺にもスッと冷気を取り込んで身を引き締めながら、こんな日もあると自分に言い聞かせた。
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