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ゲストハウスのヘルパーで片付けたくない/広島に住む大学生が福島に来た理由

ゲストハウスひとときでは大学生と20代の社会人を対象にしたひとときインターンの受け入れを行っています。9月に滞在した、かほちゃんのインターン振り返りは超大作。これから、ひとときにインターンしにきてみたいな、という方にぜひ読んでほしい一作です。ぜひご覧くださいませ。

広島に住む大学生が福島に来た理由


いきなりだけど私はゲストハウスが好き。

ただ同じ日に同じ場所に泊まることへ決めた人の集まりで、もう二度と同じ組み合わせはないってところが面白い。本当にたまたまでそれだけの、いわゆる一期一会な関係が刺激的で最高に好き。

だからもういっそのことゲストハウスでお手伝いをしようと思い調べまくっていたら「ひとときインターン」を見つけた。他のゲストハウスのお手伝いも調べたけど、どこも受け入れ日数が2週間から。夏休みを良いことに日本全国を飛び回っていた私のスケジュールには合わなかった。でもひとときインターンは最短1週間から。あとゲストハウスのフリアコなんかじゃなく、ひとときインターンという異色な制度が、人とは違うことをしたい私には輝いてみえた。

そしてひとときインターンを終えた今、やっぱり面白くて他にはない制度でやってよかったと胸張って言える。

確かに夏休みの思い出として誰かに「ひとときインターン」をしていた経験を話すなら、「福島にあるゲストハウスのヘルパーをしていた」で表面上の意味的には片付くのかも。でも「ゲストハウスのヘルパー」以上にいろんなことをやらせてもらえたから、そんな一般的な制度でまとめることがもどかしい。自分が何をやって何を感じたのかイチから説明したくなっちゃう。


日本で留学もどき体験

運が良いんだがどうなんだか、到着してすぐ、はじめて食卓を囲んだメンバーはみんな農業知識がある人達だった。自然栽培農家の2人に、同じタイミングでひとときインターンに来ていた東大農学部院生の3人、ひとときに併設しているカフェの店主なおさんは元農学部だし、ゆうすけさん、ゆうこさんも現在進行形で農業をしている。7/8が農業知識があるという異空間に知識ゼロの私が1人。広島市内で一人暮らしをしながら国際学を学んでいる私にとって、普通に淡々と生きていたらまずないカオスな空間だった。

よく英語を早く習得したいなら、日本語が飛び交う場所にいたら駄目。日本人と距離をとり英語だけの環境に身を置けと留学経験者が言うのを聞いたことがある。でも言っている意味がよく分かった。しっかり日本で海外に留学した訳ではないけど。

だって農業という共通言語を話す環境に、農業という言語を知らない私が飛び込んだから。もうこれは「農業留学」という名で1つの学習法に認定してもらわなくちゃいけないレベル。それほど贅沢すぎる環境だったし、ただの夕食が豪華メンバーのおかげで1つの農業学習コンテンツになった。

今回たまたま私は共通言語が農業という世界に留学(?)したけど、正直次のインターンが私と同じ様に狙って農業留学気分を味わえるかは保証できない。だって良くも悪くもひとときの食卓を囲むメンバーは毎日変わるから。でもそこが面白い。次の共通言語は何だろう?大学という同世代かつ興味が同じ集団に属して日々を送るだけじゃ難しい、知らない世界を知ることが簡単にできる。

心に残って忘れられない言葉


そしてこの晩、一ヶ月経った今でも忘れられない言葉に出会った。

「何か感じるかどうかはその人のセンス次第」

今でも忘れられない誰かが放った一言


同じ話を聞いてもセンスが良い人はピンときて自分の学びに変えられるけど、センスがない人はスルー。せっかくの学びを活かせず終わってしまう。
センスがない人間になりたい人なんていないように、私もセンスが良い人間になりたい。同じことをしてもいろんな学びを見つけられる人間になりたいし、そういうセンスを持ち続けていたい。

でも結局この言葉、「環境や人のせいにしない」のが大事なんじゃないかな。「センス次第」ってすごく漠然としていて自分じゃ何もできない、天からの産物みたいな感じ。でも捉え方を変えれば今の自分でもできることはあると思えるし、いろんなセンサーが敏感になる気がする。きっと忘れないだろうけど、これからの人生で大切にしたからこの振り返りnoteにも残しておこうっと。

都会のひとり暮らしで忘れかけていた何か

ひとときで生活をしている時は基本的に誰かと食卓を囲む。朝・昼はインターン3人と一緒に今ある食材でご飯を作り食べる。夜は私達に加えてひととき運営陣3人とゲストさんの大所帯。ひとり暮らしでご飯は基本一人が当たり前だった私にとっては忘れかけていた懐かしい感覚だった。

みんなと食べるご飯ってこんなに美味しいんだ。

一人暮らしを初めて一年半で、段々とでも確実に食事の優先順位を下げてしまっていた。この時間があったら、もっと違うことに時間を使いたい。どうせ食べるの私だけだし。効率重視になってしまって、気づけば同じ料理を大量に作り置き。飽きたら別の料理を作り置きする毎日に変わっていた。それもそれで時間が省けて良かったかもだけど、人としての幸せを1つ手放していたみたい。

ひとときインターンはやりたいことに挑戦できる半面、人と暮らしを共にするという一面もある。暮らしよりも日々の成長を優先していた毎日だけど、人と暮らしを共にすることで見える自分の価値観が沢山ある。自分が一番幸せだと感じる優先順位、時間配分は何か考える良いきっかけになった。



学内の授業or学外の活動

私と同じタイミングで農業を学んでいる学生が3人インターンに来るとは聞いていたけど、その3人は東大農学部の院生だった。字面からも薄々感じるものがあるけど、みんな農業やその他の知識が桁違い。3人クラスになると、農家さんからくる質問も学んだ知識で返答ができる。そして農家さんが自分の分野で対話ができることが嬉しくておしゃべりが止まらない。そんな最高潮レベルにまで農業の話を盛り上げられる。

私は大学内で学ぶことよりも学外の活動が好き。外の世界の方が刺激的で面白いし、じっとしてられないタイプの私には合っていた。だからそれ相応の時間配分で生きてきたけど、もうちょっと学校の授業を大切にしようかな。それぐらい自分の好きな分野で自分の意見を持って、ディスカッションする3人の先輩がかっこよかった。無知は恥ってほんとにそう。まあ直接伝えてはいないけど。


インターンって何をするの?に対する私の答え


「インターンって何をするの?」

ひとときインターンとして、ゲストハウスのお客さん・地域のお客さんに関わると必ず聞かれる質問。実際今書いてきた文章を読み返しても、説明してそうで全然説明していない。
一ヶ月経った今のわたしの答えは、
「やりたいことをやらせてもらう。」

本当に言葉通りでそれ以上でもそれ以下でもない。とりあえず私がひとときインターンでしたことを箇条書きにしてみると…↓

・私設図書館のアカウント運用
・ゲストハウスのサブアカウント運用
・私設図書館のお店番
・田んぼの稲おこし
・登山客を登山口までお見送り
・地域の農家さんへヒアリング
・Barのお手伝い
・ゲストハウスの掃除
・みんなでごはん作り
・食器の片付け
・地域のスポーツクラブに参加 

私がひとときでやったこと一覧

多分書き漏れはあるけど、今すぐに思い付くのはこんなところ。全部全ひとり暮らしでそこそこ都会に住む私の力じゃできなかったことだから、毎日が面白くて楽しくて1週間が秒で過ぎた。
インターンと聞くとどこか堅苦しくビジネスチックに感じるけど、ひとときインターンは違う。暮らしと自分のやりたいことへの追求に時間を使えるから、大切なのに後回しにしていた自分のやりたいこと、そして大切にしたいことをじっくり自分のペースで考えることができる。


どうせなら活用した者勝ち


何度でも言うけど、ひとときは「やりたいことをやらせてもらえる場所」
やるもやらぬも自分次第だけど、挑戦できる環境が整っていてサポートしてくれる頼もしい大人達がいるなら使わない手はないよね?って話。
私がひとときインターンでやりたかったことは、今学んでいるスキルを外の世界で試すこと。

私は別のインターンでSNS運用とライティングを学んでいる。それはいつかPC1台で仕事をする、時間や場所に縛られない働き方をしたいから。でも日々与えられた仕事や課題をこなす中で、自分は今どのレベルなのか、どのぐらい外で通用するのか分からなくなる。将来的に使いたいスキルをだから、自己満足じゃ追われない。試したい、そんな場所が欲しい!

そんな私にひとときオーナーのゆうこさんが任せてくれたのは、ひとときインターン用私設図書館いとなみという2つのアカウントを運用すること。
そこでは今まで自分の学んだことを活かしながらも好きなことをした。自分なりにコンテンツを考えて画像を作って文章を考えて。投稿ごとに違う特徴を持たせて、何が一番伸びるのか試したりもした。結果、今まで届けられなかった人にまで情報を届けられる投稿が完成でき(インスタの数値分析で確認済み!)、かつ自分の勉強にもなったという良いことづくめ。自分のやりたいに挑戦できる環境にこの夏出会えたことが私にとって大きかった。

言葉にしなくちゃ繋がれない


私はSNS運用、一緒に来ていた農学部の3人は農家さんにヒアリングしてアウトプット。それぞれの“やりたい”に合うインターン内容をひとときオーナーのゆうこさんが提案してくれた。挑戦できる環境を整えてくれた。

別に何か好きなことや興味がなくても、ひとときで暮らしを共にし沢山の価値観に触れることで見えてくる世界がきっとある。自分の好きや興味がどうひとときで挑戦に変えられるのか分からなくても、1度ゆうこさんと面談をしてみるのが面白い。自分のやりたいを言葉にすることで、広がる世界がある、繋がれる世界がきっとある。
学生の私にはない人脈を地域の人からとの関係値を経験値をひとときの3人は持っている。

以上が20歳の女子大生が感じたひとときインターン記録。私の文章がひとときを必要としている誰かに届きますように!


追伸
またカタンしましょうね!次こそは都市を建てまくり、道も伸ばしまくります。

2022年10月
作者:かほ



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