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美容にまつわる小さなユリイカ


美容という言葉を見たり聞いたりすると、なぜかギクッとして、目を伏せて足早に通り過ぎる、というようなことを気づいたらやっていた。長年。美容...怖い.......なんとなく色は赤...。


「美容」という言葉にまつわるもの


見目麗しい(それは価値)
女のたしなみ
礼儀
ちゃんとしている
女を諦めてない、女を捨ててない
若さを保つ秘訣
美魔女
シミひとつない
ビフォーアフター
マストアイテム
そろえとくのが常識
高い、お金がかかる
売りつけられる、つけこまれる

.....などがぞろぞろ出てくる。
うーん、百鬼夜行...(...とたとえてみると怖い...というか、おもしろいな)


日本国語大辞典で「美容」を引いてみたら、これが出てきた。

①美しい顔かたち
②顔かたちを美しくすること。また、化粧、結髪、パーマネントウエーブなどによって容姿を美しくすることを言う

どちらかというと、②の領域なのかな。


辞典ではなにも書いていないけれど、なんとなくパッと女性的なものを連想してしまう。そのような反射が起こるほどに、「女性と美容」は、長らく結びつけてこられたと思う。これは気のせいではなくて、人類の歴史において明白なのであえて説明しない。

わたしは、この結びつけられることに小さい頃からずっと反発してきた。女性と美容と性、さらに「恥」の感覚と結びつけられるのが、一番嫌だった。

それが、ここ数年、片付けや、スタイリングや、仕事づくりや...なんやらかんやら...いろいろと取り組んでいる中で、ここ2ヵ月ぐらいで「美容」を再解釈できるようになってきた。


小さくわかったこと

きっかけは、フェイシャルリフレクソロジーの理論に基づく、リフトアップの施術。

一度なにかのついでの機会に、ワンコインでトライアルの施術をしてもらった。顔のツボと身体の部位と臓器は連動してると聞き、実際にその連動を自分で感じた。知らないことを知るのは楽しいし、施術してもらうと気分もよくなるし、セラピストさんの、「ついはみだしてしまう」サービス精神、オモロさみたいなのが好きになった。

彼女は研究家で常に探究しているので、新しい技術や商品を知ると、試して、すぐに取り入れて、提供しているのだけれど、その循環をとっても楽しそうにやっているのが、なんといってもすごく好感。押し付けるというよりも、楽しくマニアックに探究していることのおすそ分けを、施術を通して気前よくシェアしてくれている感じ。

その探究の一環で、最近取り入れたというリフトアップのある施術を5回ぐらい受けてみた。初回はトライアルで割引、というのはやはり鉄板の仕組み。心のハードルをだいぶ下げてくれる。


その2回目ぐらいの帰り道に突然ハッと思った。(きっかけは忘れた)

・美容とは、その日の自分の調子を知ることの一環で、
・中でも顔という、人間を識別する一番重要な部分で感知することには、何らかの意味があって、
・日々の心身の一致の調整を確認すること、その調整のために何をするかはその人の中との対話。
・状態のよい自分、気分のいい自分を確認したり、気分のよいほうに、状態のよいほうに調整する。
・そうしてもいい!!!自分への許可(ああ、ここでもか)
・心身の健やかさと自己一致の結果が美としてあらわれる
・手段は、自分の感覚と経験に基づく知恵を頼りに、もう十分選べる


明らかにメディアの影響だと思うけれど、美容って、「こういう方法で努力しないと美は手にはいらないんです!」みたいな、説教されているような、なんだか怒られているような、そういうことじゃないのだよなぁ。

いかに自分が自分とぴったりしているか、心地よいか、いい気分か。

美って、自分の心が動くこと。
自分が自分の身体、肉体、外見...(うまく言い得ないけど)に対しても、美を感じる、心を動かす。
それが美容なんじゃないのかしら。


お化粧とは

そうかんがえていくと、お化粧にしても、女だからどうとか、ほんとうでない自分を取り繕うためのものではなく、前後の差を感じてみたり、ぴったりする色を選んでみたり、自分が日々変化している存在であることを知ったり、きょうをハッピーに過ごすための服の一つみたいなものだったり、いつもの枠から少しはみ出すことで得られる発見にわくわくすることだったり、するのではないか...。

いい感じの自分になりたいとき、素材の一つ。


その後

フェイシャルの施術を十分に楽しむ以前に、身体の不具合を調整したり、そもそも全身の使い方について考え直す必要があると気づいた。今は整骨院に通って教わりながら、日々調整しているところ。長年の痛みや悩みを放置していたことに気づき、そこの滞りをほぐしている。

前よりもスキンケアが楽しくなった。自分が気に入っているスキンケア商品を、これいいんだよねーと思いながら毎日使っている。

また彼女の商品の打ち出し方も、とても参考になる。
①商品を明確にし、②個々について説明する 
明瞭で、理解しやすくて、あたたかみがあって、コンタクトしやすい。
わたしのビジネスに取り入れたいものがたくさん!

「リフトアップ」は、なんだかんだと、ほんとうにありがたい機会だった。


書いてみて思ったこと。

こういう発見がのびのびできるのは、誰が橋をかけてくれるか、きっかけを提供してくれるか、が、やはりわたしにはとても大きい。

わたしが一律に「お客さん」として扱われていたら、こういうものは出てこなかっただろう。「個別な人」と「人としての付き合い」があって、関心をもってわたしの話を聴いてくれた!という実感がないと、発見にもならない。

治りたい、よくなりたいのではあるけれど、それだけじゃない。
人間にやってもらうからには、その時間に人間同士のよい交流がほしい。
それがよい結果をもたらす。

専門家の側も、よくなる、治る、うまくなる、という結果へのコミットメントもシビアに抱きつつ、オープンで、こちらの勝手な発見を一緒になっておもしろがってくれたり、発見することを喜んでくれるとうれしい。

そんな専門家とのやり取りを楽しみながら、これからも生きていきたいなぁと思うし、わたし自身もそのような専門家でありたいと思う。