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【ジェンダーギャップ指数】

 男女共同参画に関する国際的な比較指数のひとつ。略称はGGI(Gender Gap Index)で、男女格差指数とも言う。
 2020年現在、日本は第121位という下位に甘んじており、フェミニストはこの順位「日本はこんなに酷いのだから『女性差別表現』をやめろ!」と唱えるのに頻繁に持ち出している。

 ジェンダーギャップ指数以外にも、男女共同参画に関する同等以上に権威ある指数は存在し、主なものにジェンダー不平等指数(GII)ジェンダー開発指数(GDI)人間開発指数(HDI)がある。
 しかしジェンダーギャップ指数以外の比較を日本のフェミニストが問題にすることはほとんどない。
 理由はひとつで、日本が突出して低く出るのがこの指数だけだからである。
 たとえば男女共同参画局:男女共同参画に関する国際的な指数によると、2018年では日本はジェンダー不平等指数では23位(162ヶ国中)、ジェンダー開発指数では51位(166ヶ国中)、人間開発指数では19位(189ヶ国中)である。そしてジェンダーギャップ指数のみが下位の121位(2019年)となっている。

 男女共同参画のような総合的な指標は、何を以って判断するかによって大きく順位が変動するが、ジェンダーギャップ指数の妥当性には疑問も多い。
 特に目立つのは、常識的に「男女同権な人権国家」というイメージからかけ離れた発展途上国が日本より上位なケースが多いことである。たとえば「ダウリー」「名誉殺人」のような深刻な女性への人権侵害で知られるインドは、日本より10位近く上位の112位となっている。
 これは様々な社会的苦境に対して「矢面に立ちがち」な男性が、女性以上の苦境に立っている国や、女性も賃金労働しないと生活できないため「男は仕事・女は家庭」的な性役割になっていない国などが「ジェンダーギャップが少ない」とカウントされやすいためである。極端な例として、第9位にランクしているルワンダはアフリカの国なのだが虐殺によって男性人口が激減したことが高ランクの原因と考えられている。

 ジェンダーギャップ指数は、4分野『経済活動の参加と機会』『教育』『健康と生存』『政治的エンパワーメント』に割り振られた計14項目について男女比を集計し、順位付けするという方法を採っている。
 2020年の集計で、14項目のうち日本が100位以下になっているものは「推定勤労所得の男女比」「管理的職業従事者の男女比」「専門・技術職の男女比」「中等教育就学率の男女比」「高等教育就学率の男女比」「国会議員の男女比」「閣僚の男女比」。
 なお、中等教育就学率について極めて初歩的な集計ミス(「中学生全体の50%が女子」という当然の事実を「女子の50%しか中学に進学していない」と誤っている)が行われており、実際には1位であった。
 このラインナップから分かるように、日本のジェンダーギャップ指数が低い理由は、経済や政治の上層における女性の社会進出が進んでいないためであり、そしてこれらにおいて女性に制限が掛けられているわけでは一切ない。
 日本の「ジェンダーギャップ」とは、男性に差別されているというより、わざわざ政治家や起業家になろうとしない女性側の問題なのである。

参考リンク・資料:

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