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『もうすぐ怪談の季節です』2022-07-04

  怪談や都市伝説が語られる季節が近づいている。

(――という書き出しで先月末にアップする予定だったのが本記事だったのですが、諸般の事情により投稿が遅れておりました。このために7月に入り、すでに怪談の季節となっている(と思う)ことをお詫びします。
 また原則月4回更新のマガジンが先月は3回となっており、申し訳ありません。本稿は本来6月分の記事なので、これと別に7月は4記事をアップする予定です。)

 さて、ふだん表現規制やフェミニズムにまつわる話が多いこのマガジンで、なぜ急に怪談や都市伝説の話をするのか。
 それはフェミニストによるデマが激化していることが背景にある。それも、恐怖や警戒心、被害者意識を煽るタイプのデマだ。

 最近、粗雑なつくりによる弊害が可視化されて話題になっている「AV新法」も、実はその元凶となっているものはデマである。
 2016年に発生した――正確に言うと、発生しなかった【マークスジャパン「AV出演強要」事件】。引退した元AV女優が、婚約者に出演がばれて誤魔化すために「強要された」と嘘をつき、それが大事になったという話だ。

 この事件には現代の#metooよろしく、幾人もの「私も私も」が発生したことで尾ひれがつき、「AV業界には出演強要が横行している」というイメージを生んだ。AV女優たちは暴力で、あるいは密室での執拗な言葉による説得によって、あるいは借金のカタに、出演させられている被害者だというのだ。
 実のところ、のちに第三者機関が調査を行い、出演強要など存在しなかったことが判明している。

 ちなみに、2022年にAV新法ができた直接の原因となったのも、塩村あやからが流したこのデマである。内容は項目をご覧いただきたい。

 つまりAV新法は、二度にわたるデマによって作られていたのである。

 さて実は「ある映像の出演者は、借金のカタに強要されて出演させられている」という嘘が流れたことは過去にもある。

 今聞くとギャグのような話なのだが、かつてあった消費者金融会社・武富士のCMで、主に1990年代に流されていた。

 ものが消費者金融なので出来た話なのだろうが、本当にこのCMに登場するダンサーたちが「借金のカタに売られた女性達」だという都市伝説が流れていたのだ。
「武富士 都市伝説」で検索すると実際にそういう話があったことが分かるが、もちろん現実は普通にオーディションで採用されたプロダンサーである。

 何が言いたいのかって?

 これが都市伝説で通るなら、「AV出演強要の横行」なんてデマも都市伝説でええやん!?

 と言いたいのである。

 つまり、都市伝説紹介のメディアを運営している人達に、ぜひこのデマも「都市伝説」として取り上げて欲しいのだ。

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